シスター・ハードボイルド・アクション『ガンパウダー・ミルクシェイク』監督に聞く「アクションとバイオレンスと笑いが混ざった、まさに“シェイク”だよ」

悪を蹴散らすシスター・ハードボイルド・アクション『ガンパウダー・ミルクシェイク』が3月18日(金)より全国公開となります。ネオンきらめくクライム・シティにひっそりと佇む図書館。そこは殺し屋の女性図書館員たちが運営する数々の“本”が所蔵されている武器庫だった―!そんな奇想天外なアイデアを発端に、飛び交う銃弾、ほとばしる血しぶき、渦巻く硝煙の中に女たちの連帯と共闘を描いた、新感覚のアクション映画です。

カレン・ギラン、レナ・へディ、カーラ・グギーノ、アンジェラ・バセット、ミシェル・ヨーという豪華女優陣が過激に美しくバトルする本作。監督を務めたのは、『オオカミは嘘をつく』(2013)『ABC・オブ・デス2』(2014)などを手掛けてきたナヴォット・パプシャド監督です。今回は、パプシャド監督にオンラインインタビューを敢行。映画愛をたっぷり語っていただきました!

――本作は、カラフルなダイナーに実は武器庫であるという図書館、カッコいい女性たちのガンアクションと、ワクワクする要素がたっぷり詰め込まれています。その中にシリアスな展開が効いているなあと楽しませていただいたのですが、どの様に本作の着想を得ましたか?

パプシャド監督:どうもありがとう! 僕はとにかく映画が大好きで、毎日、映画を観ているんだ。ゲームも大好きだ。そうやって過ごしているうちに様々なアイデアが浮かんでくるんだけど、それが過去に浮かんでいたアイデアとぶつかったりして、どんどんシェイクされてジャンルを飛び越えたものになっていく。

『ガンパウダー・ミルクシェイク』は黒澤明、アルフレッド・ヒッチコック、セルジオ・レオーネという3人の素晴らしい監督の作品が発想の源になっている。『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(1966年)のエンジェル・アイが、『天国と地獄』(1963年)の世界に紛れ込んで、ヒッチコックのエッセンスをまぶしていったら……どんなクレイジーな作品ができあがるだろう? ということを考えたのがはじまりだよ。アクションとバイオレンスと笑いが混ざった“ミルクシェイク”なんだ。

――もうその発想のお話を聞いているだけで楽しいです!それらの素晴らしい映画への愛は感じつつ、監督のオリジナリティあふれるストーリーとなっていますね。

パプシャド監督:この映画の中で核に描きたかったのは、「母親であるということは、どんなことなのか」という点。主人公は自分の母に置き去りにされた暗殺者で、母を愛していながらも葛藤しながら生きてきた。そして、暗殺のターゲットである少女と出会い、その少女を守っていく、というストーリーを思いついたんだ。

――ぶっ飛んだ展開でありつつ、主人公と少女、周りの女性陣との絆はしみるものがありましたね。

パプシャド監督:彼女たちから出てくるエネルギーを僕自身が強く感じたし、強い女性たちの姿を見てカタルシスを感じるようなシーンが多いと思う。図書館で暴れまくるシーンは、血糊以外CGも使わず、5テイクしか撮れなくてとても苦労したよ。すべてのアクションを入念に設計して撮影したのだけど、スタッフもすごい緊張感だった。でもすごく楽しかったよ!

――ダイナーや図書館など、美術やセットも大好きです。

パプシャド監督:僕も昔から色々なアメリカ映画を観てきて、ああいったダイナーの風景は昔から大好きだった。本作ではダイナーを主人公と母親のある意味思い出の場所にしているんだ。車や銃などの小道具もこだわっているから、ぜひじっくり観て欲しいな。

――以前、カレン・ギランさんが来日した際にお話を聞く機会があったのですが(https://getnews.jp/archives/2033509)、カレンさんもゲームが大好きだとおっしゃっていました。現場でゲームなどのオタクトークはしましたか?

パプシャド監督:そうなんだ!残念ながらカレンとはゲームの話は出来なかったよ(笑)。でも、今回カレンは大変なトレーニングを組んで、自分自身で素晴らしいアクションをしてくれたのだけど、僕の撮りたいものを伝えた時に、スッと理解してくれるんだ。それはやはりカレンも僕と同じ様にゲーム好きだったり、たくさんの色々な映画を観ているからじゃないかな。

――手足が長くて、本当にカッコ良いアクションをされるなあと感激しました。たくさんの日本の観客も楽しみにしていると思います。今日はありがとうございました!

パプシャド監督:こちらこそありがとう! 僕は日本映画が大好きだから、たくさんの日本の映画ファンの方に観ていただけたら嬉しいな!

【関連記事】『ガンパウダー・ミルクシェイク』レジェンド俳優ミシェル・ヨーが語る「香港映画時代を思い出したの!クレイジーで笑えるアクション映画をやったなって」
https://getnews.jp/archives/3234540

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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