Netflix「金魚妻」篠原涼子&岩田剛典インタビュー「一人一人の葛藤を描いた、大人の恋愛ならではのストーリー」

妻たちは、なぜ一線を超えたのかー。それぞれの秘密と想いを抱える女性たちの禁断の愛を題材に、グランドジャンプめちゃ(集英社)で連載中、累計300万部を超える黒澤Rによる大ヒット同名漫画を原作にしたNetflixシリーズ「金魚妻」が現在配信中です。

様々な形の夫婦を描いた本作の中で、表題作ともなっているエピソード「金魚妻」。夫からのモラハラに悩むさくらを篠原涼子さん、さくらが偶然立ち寄る金魚屋を営む春斗を岩田剛典さんが演じています。今回は、お2人にお互いの印象や撮影でのエピソードなどお話を伺いました。

――まずはお 2人の第一印象と、撮影を経てそれがどう変化していったかを教えていただけますでしょうか?

篠原 最初お会いした時は、とても自然体な方だなと思いました。色で言うと「白」みたいな感じで。お会いする前に、作品も観させていただいていて、幅の広い活躍をされているなって思っていました。お芝居って難しいものなのに、色々な作品に出演されているのは、すごくお芝居が好きなんだなって。あと、やっぱり笑顔がすごく素敵だなって。岩田さんがいるだけで、現場が明るくなる。岩田さんの周りは笑顔がいっぱいなんだろうなって。現場で会うのが楽しみでした。

岩田 俳優の大先輩ですから、相手役でありながら、篠原さんの胸を借りるつもりで演じさせていただきました。(篠原さんが出演している)過去作も数々拝見していて、強い女性を演じている印象があったのですが、本作では芯があるけど、か弱い女性だから、「どんな現場になるかな」と思っていました。でも、初日ですぐ「あ、これ大丈夫だな」って思うくらい、本当に気さくな人柄で、物腰も柔らかくて、すごく接しやすくて。初日から、お芝居に集中することができました。助けていただけましたね。

――岩田さんはパフォーマーとしても活躍されています。俳優さんだけをされている方じゃない、エネルギーみたいなものは感じますか?

篠原 やっぱり、ありますね。オーラがあるというか、新鮮な空気があるというか。別に私、そういうのを感じる人間ではないんですけど、とにかく気持ちが良い風が入ってくるって感じがするんです。生まれ持った力、華もありつつ、自分で蓄積した努力の形もあるんでしょうけど、全てが良い形で出来あがりましたっていう感じ。まだまだ、これから完成していきそうな気がします。EXILEのライブにもお邪魔させていただいた事があって、メンバーの皆さんそれぞれの個性が輝いている中、やっぱり岩ちゃんっていいなって。

岩田 恐縮です!

篠原 でも、褒められるの、慣れているよね(笑)?ちょっと貶してみようか(笑)

岩田 そんな恐れ多いです(笑)。ありがたいです。

――岩田さんは、篠原さんという俳優の大先輩とご一緒して、どんなことを学ばれましたか?

岩田 詰まったスケジュールで忙しいはずで、疲れもあると思うのに、辛い表情もみせずに、ずっとフラットで明るくて、スタッフさんのことも気遣って声をかけていて。演技はもちろん、そういった現場での振る舞いをたくさん勉強させていただきました。

篠原 ふふふ、嬉しいな(笑)。いやでもね、現場が楽しいから、本当に楽しく出来ているだけなんですよ。私がすごいんじゃなくて、その空気を作ってくれている岩田さんがすごいんですよ。

――本作のオファーを受けて出演を決めたポイント、作品であったり脚本に惹かれた部分を教えてください。

篠原 最初に「金魚妻」を読んだ時、地上波では難しい魅力があると作品だと思ったんですね。女性がひっそりと一人の時間で見る面白さが満載だなと思ったのが第一印象です。攻めているシーンもありますが、作品に出させていただくからには、インパクトがあった方がいいと思っているので、躊躇せず、なんでもやらせていただいきたいですっていう気持ちだったんですね。せっかく女優という仕事をやらせていただいている限り、色々な役に染まれたら楽しいじゃないですか。

岩田 僕も最初、原作を読んで、「どうやって実写化するんだろう」って思ったんですけど、脚本を読んで、大人の恋愛ならでは、一人一人の葛藤を描いている作りになっているので、ご覧いただいた方によって、誰かしら共感できる部分がある作りになっていると思っています。セクシャルなシーンに関しては涼子さんと一緒で、この作品に入るということは、そういうことなので。そこで作品の世界観に寄り添いたいと思っていました。

――さくらと春斗、それぞれのキャラクターをご自身から見て、理解できるところ、理解できないところを教えてください。

篠原 人に何も言えなくなっちゃうとか、閉ざしちゃうところは理解できないというか、自分はないなと思うんですね。ちゃんと自分の意見を言えないとダメな環境にいさせてもらっている事もあって。でも、私も元々は自分の意見を全く言えない人間だったんですね。父が親戚のおじちゃんのところに連れて行ってくれた時も父の後ろに隠れてポケットに手を入れて「…こんにちは」って言ってヒュッて隠れちゃったり。学校でも手を上げられないとか、何か読む時もちっちゃい声だったのに、この仕事を始めて変わったのだと思います。

岩田 春斗は人間関係、家庭環境に縛らていて、自分のやりたいことに対して一歩、踏み出す勇気のないところがあるんですけど。僕も、この業界でお仕事を始める前の自分や、始めると決意した時期って春斗と近しい感覚があったなと思います。だから共感できた部分も多くて。基本的に女性目線で進んでいくストーリーではあるんですけど、人が殻を破るタイミングって、誰しもがあると思うので、春斗というキャラクターを通して、そういう部分を感じていただきたいなと思っています。

――たくさんあると思うのですが、お2人が好きなシーンはどこですが?

篠原 印象に残っているのは、二人でお酒を飲みながら花火を見るシーン。「開放されたんだ、さくらは」って。本当に幸せな人と出会えて、自分の心のうちを伝えられる人に生まれて初めて出会えたんだなと思える素敵なシーンです。

岩田 いっぱいあるのですが、土砂降りの中、さくらを見つけて優しく抱きしめるシーンですかね。後で完成されたものを見たら、すごく綺麗なシーンになっていて。絵に描いたようなシーンで。撮影はめちゃくちゃ寒かったんですよね。その前に走るシーンもあったりして結構大変で。そういう思い出も蘇ります。

篠原 ただでさえ、寒くて寒くてしょうがないのにあんなに雨を降らせてもらって…。通常でも降らないくらいの量だったので。大雨洪水警報でも出るんじゃないかなと思うくらい、水溜りになって明日ニュースに出るんじゃないかなと思うくらいの量でした。「痛い、痛い」って思いながら雨にあたっていたんですけど。でも、全てをクリアしたら、岩ちゃんに抱きしめてもらえるというご褒美があったから(笑)。

岩田 笑い。

篠原 冷たい雨も全く平気で耐えられました。

――今回オムニバスで、色々な妻たちが登場しますが、気になったエピソードを教えてください。

篠原 みんな印象的なのですが、中でも私は「弁当妻」が結構、衝撃的でした。藤森(慎吾)さんが面白い。藤森さんで良かったと思いました。藤森さんだから芸人さんという明るさがあって、リラックスして見れて。さすがだなっていう感じでしたね。あんなシチュエーション嫌だよねえ(笑)。

岩田 すごかったですよね(笑)。

篠原 でも、ドラマだからこそ、見てる人はドキドキしちゃうのかなって。

岩田 「弁当妻」の旦那さんは、地上波ではNGなキャラクターじゃないのかな?刺激が強いなと思いましたね。

篠原 私たち(「金魚妻」)まだ健全な方だよ!

岩田 確かにそうですよね(笑)。でもどんどんすごい展開になっていきますので、ぜひ最後まで楽しんでいただきたいです。

【動画】『金魚妻』本編映像 – Netflix
https://www.youtube.com/watch?v=gmzW1Vbn7Ts

【ストーリー】風情ある風景が残る下町に隣接する高層タワーマンションの最上階。平賀さくら(篠原涼子)は、ある事故をきっかけに美容師としての夢 を諦め、結婚。多数のサロンを手がける夫と、誰もが羨む華やかな人生を歩んでいるかと思われていたが、実は夫・卓弥(安藤政信)か のDVとモラハラ、更に同じマンションに住むゆり葉(長谷川京子)から敵対視され苦しむ日々を送っていた。それでもサロンの共同経営者 としての仕事を自分の居場所と信じ、夫から離れることが出来ないさくらは、偶然立ち寄った金魚屋で運命的な出会いを果たす。金魚鉢の 中で泳ぐ“金魚”に自分を重ねるさくらと、彼女をまっすぐに見つめる春斗(岩田剛典)。やがて、夫の暴力が限界となって家から逃げ出した さくらは、春斗と一線を超えてしまう。それは刹那的な逃避なのか、それとも運命の恋なのかー。

撮影:山口真由子

<篠原涼子さんクレジット>
●ヘアメイク
宮本陽子
●スタイリスト
宮澤敬子(WHITNEY)

<岩田剛典さんクレジット>
●ヘアメイク
下川真矢(BERYL)
●スタイリスト
桶谷梨乃(W)

ブルゾン¥63,800、シャツ¥36,300、パンツ¥41,800(以上全てSEVEN BY SEVEN(セブン バイ セブン)/Sakas PR(サカス PR))、シューズ¥42,680(NERD MIND(ナード マインド)/ madras(マドラス))

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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