青春アニメ映画『ブルーサーマル』のグライダー描写にウソはない!『ブルーサーマル』の舞台で実際にグライダーに乗ってみた
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グライダーに青春をかける、体育会航空部の大学生たちを描いた青春マンガ『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』のアニメーション映画化が実現しました。
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ブルーサーマルとは、青空のもとで発生する上昇気流のこと。エンジンを持たない航空機・グライダーにとって、機体をより高く押し上げてくれる上昇気流はまさしく不可欠なものなのです。
劇中、圧倒的なリアリティで描かれているのは人間模様のみならず、滑空場やグライダーを取り巻く空気、そして爽快な浮遊感です。
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我々がグライダーに乗る機会はなかなか無いのですが、なんと今回、映画『ブルーサーマル』の舞台で実際に空を飛ぶ体験ができるとの情報をキャッチ! 早速、埼玉県熊谷市に向かいました!
グライダー体験をしよう
JR熊谷駅からタクシーで数十分、到着したのは映画『ブルーサーマル』の舞台のひとつでもある妻沼(めぬま)滑空場。
妻沼滑空場は“日本で最もグライダーが発着する滑空場”としても知られる、グライダーの聖地です。長さ1.5kmの発着スペース(ランウェイ)が2本、利根川河川敷に沿って広がっています。
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この日は法政大学 体育会航空部の練習にお邪魔したのですが、妻沼滑空場では法政大学以外にも、東京六大学、青山、中央、東京理科大といった関東の様々な大学が練習をしているそうです。
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伝統ある宿舎
グライダーはエンジンを持たず、自然の風を利用して飛ぶ航空機です。それだけにグライダースポーツのコンディションは、天候に大きく左右されます。
実際、この日のグライダー体験も、午前中の強風のために開催が危ぶまれていたほどでした。
状況によっては天候が落ち着くまで待つ必要がありますが、そんな時に活躍するのが訓練所宿舎。
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つくりは非常に年季が入っていますが、この施設が多くの学生たちの空への準備を支えてきたのです。
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いざ、フィールドへ
私オサダ、今回は『ブルーサーマル』劇中・青凪大学体育会航空部のユニフォームともなっている“白のツナギ”で参加いたしました。
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作品のコスプレとしてこの格好で現場に伺ったのですが、青凪大学体育会航空部のモデルとなっている法政大学体育会航空部も、トレードマークは白のツナギ。
何も知らないおじさんがいきなり学生のみなさんと同じ格好で現場に飛び込んでしまい、すこし気恥ずかしい思いでした。
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部員の皆さんにチラチラと見られつつ、グライダーの搭乗準備に入ります。
ランウェイ上では多くの部員の方々が、息の合った作業でグライダーを運んでいるのが見えます。
ピスト(指揮所)では無線機の前でマイクマンが、グライダーのパイロットやウィンチ(※後述)の曳航者たちと連絡を取り合い、安全な飛行のために尽力しています。
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余談ですが、『ブルーサーマル』のアフレコ/ガヤ体験で筆者が体験した役も、ピストの“マイクマン”と呼ばれる人でした。
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※アフレコ/ガヤ体験については、こちらの記事をどうぞ
↓↓↓
■青春アニメ映画『ブルーサーマル』で“ガヤ体験”してきた!
https://getnews.jp/archives/3205435
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さあ、待機場所に寄せられた二人乗りの機体に、ベテランパイロットの方と乗り込みます。今回同乗いただくパイロットは通算1000時間以上の登場経験があるという超ベテランの大山さん。安心感がすごい。
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あおむけに近い姿勢で、限られたスペースに体を滑り込ませます。もうちょっと太ってたらヤバかったかも……。
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今回筆者が乗ったのは前方座席。この座席にも、パイロットの方が乗る後部座席にもそれぞれ操縦桿(かん)があります。今回は後部で操縦を行うため、操縦桿には絶対手を触れないよう注意します。
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さて、グライダーが飛ぶためには、1km以上先にあるウィンチと呼ばれる機械とそこから伸びている長い長いロープが必要になります。ウィンチの総体はトラックのような車両なのですが、釣りで使うリールが大きくなったような、巨大な巻取り装置が付いています。
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ウィンチがグライダーにつながれたロープを超高速で巻き取ることにより、グライダー本体を加速させます。その速さは10mで時速80kmまで加速するという、フェラーリに匹敵するほどのスピードなのです。
ロープで高速に引っ張られたグライダーは、翼と空気が起こす揚力によって上昇することができるというわけなのです。
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グライダーが一定の高さまで上昇したら、パイロットは繋げられたロープのフックを切り離します。この瞬間からグライダーは自由になるので、パイロットは無線でコースや状況を共有しながら、ベストの飛行を目指します。発進するや、気づけばあっという間に熊谷上空に居ました。
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グライダーの操縦席に実際に乗ってわかったことは、外界との接触感、肌感覚の近さでした。
聞こえてくるのは風切り音のみ。エンジンを持たないグライダーだからこそ、「空を飛んでいる」という感触を機体から鋭敏に感じ取れます。
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また、推進装置がないということはすなわち、グライダー飛行の基本は緩やかに下降し続けることでもあります。しかし、もし上昇気流を捕まえられれば、旋回しながら螺旋(らせん)状に登っていくことが可能になります。大会などでは、いかに早くこの上昇気流を捕まえて上昇し、高い位置から遠くへ飛ぶことが必要になってきます。
この日は日差しの少ない冬日だったので上昇気流はありませんでしたが、限られた時間の中で旋回のバリエーションを体験させてもらえました。
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傾き30度くらいであれば「お、世界が傾いてるぞ~」という程度なのですが、45度から「グイッ」とおなかに重さが感じられるようになり、更に60度の傾きになると、突然ものすごい圧力が全身を襲ってきます!! いわゆる「G」です。60度の傾きだと2Gがかかるそうなので、僕の上にさらに僕一人分の重さが乗っているのと同じ圧力がかかっている状態です。
血が集まり、体全体に圧力がかかっているのを感じます。たった数秒ですが、ものすごい重さでした。
ここまで傾けることはめったにないそうですが、場合によってパイロットたちは、こんなGを感じながらも高度やスピード、傾きやコンディションを踏まえて飛行をしているのです。こんな状態でコースの組み立てをするという驚き。
作品としての『ブルーサーマル』は絵柄こそライトですが、描かれるグライダーの世界は“本物そのもの”だということも実感しました。
気づけば、眼下に広がっていた熊谷の街並みが確実に近づいています。これもまた、飛んでいる“リアル”でした。
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濃密な9分ほどの飛行時間はあっという間に終了、気づけば地上に戻っていました。役割に沿った、手際の良いクルーの皆さんのおかげでスムーズに空の体験ができました。(法政大学体育会航空部の皆さん、ありがとうございました)
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空の世界も人間模様も、非常に丁寧に描いた傑作
『ブルーサーマル』の主人公たまきは、あれよあれよという間に体育会航空部に入部してしまいました。大学に入ったら「恋愛ができるようなサークル」を目指していたはずがどうして……? という展開です。
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しかし、そこからグライダーの世界にのめり込んでしまうリアルさは、今回の体験で見事に裏打ちされました。あの、空を飛ぶ感触を味わえるのなら、グライダーに魅了される大学生活を選んでしまうのはむしろ自然。
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もし自分がたまきのような大学生1年生だったら、白いツナギを着てグライダーに魅了される4年間を送ってみたい……と改めて思ってしまいました。もう50歳ですが。
実際にグライダーに乗るのは稀な体験ですが、映画『ブルーサーマル』であればグライダーに乗ったかのような爽快感を味わえます。3月4日(金)より公開となる本作で、スクリーンから上昇気流を感じてください。
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『ブルーサーマル』3月4日(金)公開
出演:堀田真由 島﨑信長 榎木淳弥 小松未可子 小野大輔
白石晴香 大地葉 村瀬歩 古川慎 高橋李依 八代拓 河西健吾 寺田農
原作:小沢かな『ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―』(新潮社バンチコミックス)
監督:橘正紀 脚本:橘正紀 高橋ナツコ
主題歌:「Blue Thermal」SHE’S(ユニバーサル ミュージック)
挿入歌:「Beautiful Bird」SHE’S(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
製作:「ブルーサーマル」製作委員会
配給:東映
(C)2022「ブルーサーマル」製作委員会
映画公式HP:blue-thermal.jp [リンク]
映画公式Twitter/Instagram:@eigabluethermal
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