可視光と電波、異なる波長で観測された棒渦巻銀河「NGC 1300」

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可視光と電波、異なる波長で観測された棒渦巻銀河「NGC 1300」

【▲ 可視光線と電波で撮影された棒渦巻銀河「NGC 1300」(Credit: ESO/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/PHANGS)】

こちらは「エリダヌス座」の方向およそ6100万光年先にある棒渦巻銀河「NGC 1300」です。棒渦巻銀河とは、中心部分に棒状の構造が存在する渦巻銀河のこと。渦巻銀河全体のうち約3分の2には棒状構造があるとされていて、私たちが住む天の川銀河も棒渦巻銀河に分類されています。

画像にはNGC 1300の明確な棒状構造の左右から渦巻腕が伸びている様子が捉えられています。渦巻腕には若くて高温の青い星々が分布していますが、その青い色合いを背景に、まるで燃えるような黄金色の輝きが棒状構造や渦巻腕を彩るように広がっています。これは星間空間(星と星の間に広がる空間)に存在する一酸化炭素(CO)が発した電波を捉えたもの(擬似的に着色)で、星を生み出す材料となる分子雲(低温のガスや塵の集まり)の分布に対応しています。

この画像は観測プロジェクト「PHANGS」の一環として取得されました。「ハッブル」宇宙望遠鏡、チリの電波望遠鏡群「アルマ望遠鏡(ALMA)」、同じくチリのパラナル天文台にあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の「超大型望遠鏡(VLT)」が参加したPHANGSプロジェクトでは、近傍宇宙に存在する90の銀河における星形成領域を調査するべく、5年以上の歳月をかけて高解像度の観測が行われています。

ESOによると、NGC 1300の黄金色で表現された一酸化炭素の分布はアルマ望遠鏡を、その背景に広がる星々の輝きはVLTの広視野面分光観測装置「MUSE」を使って取得されました。天文学者は異なる波長の電磁波で銀河を観測することで、新しい星を生み出す星形成活動がどのようにして活性化し、後押しされ、あるいは妨げられるのかを研究することができるといいます。冒頭の画像はESOの今週の一枚「A cosmic caramel swirl」として、2022年1月10日付で公開されています。

ハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で撮影されたNGC 1300の全体像。2005年1月公開(Credit: NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA))

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で撮影されたNGC 1300の全体像。2005年1月公開(Credit: NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA))】

 

Image Credit: ESO/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/PHANGS
Source: ESO
文/松村武宏


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