ジョン・カーペンターが贈る近未来SFアクション『ニューヨーク1997』 映画の舞台になった1997年、世界ではどんなことが起こっていた?
ジョン・カーペンター監督の特集上映「ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022」が、いよいよ本日1/7 (金)から1/27(木)の3週間限定で、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺にて開催となります。
SF・ホラー作品でカルト的な人気を誇る鬼才ジョン・カーペンター監督。『遊星からの物体X』(82)、『クリスティーン』(83)など数々の名作を生み出し、多くの映画ファンに愛される名匠の一人。40年以上にわたってシリーズが続く、伝説のホラー映画『ハロウィン』の最新作『ハロウィンKILLS』(21)では、音楽を手掛け、ミュージシャンとしても活躍している。そんなカーペンターの熱狂的ファンであることを公言するのは、J・J・エイブラムス、クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス、エドガー・ライト、ここ日本では、黒沢清監督、大ヒットゲーム「メタルギア」シリーズのゲームデザイナー・小島秀夫と鬼才のビッグネーム揃い。
名キャラクター、スネーク・プリスキンが巨大な監獄となったNY・マンハッタン島で24時間以内に大統領を救出する任務に挑むSFアクション『ニューヨーク1997』。舞台は犯罪発生率400%を越えた1997年のアメリカだ。ジョン・カーペンターが製作した1981年当時、1997年は未来だった。こんなディストピアは嫌だ。だけど、スネークに会えるのであればどこか期待してしまう。ジョン・カーペンターが思い描いた1997年。では、実際なにが起きていたのか? 今回は1997年にタイムスリップ!日本で、そして世界で起きた出来事を振り返ってみよう!
遡ること25年前。『ニューヨーク1997』の主人公スネーク・プリスキンが大統領を救出に勤しんでいる間、まず日本では何か起きていたのか?初めてワールドカップの出場権を掴み、宇宙飛行士、土井隆雄氏搭乗のスペースシャトル打ち上げで日本人初の船外活動をするなど、嬉しい出来事が続きます。
映画界では、妻の浮気によって人間不信に陥り、唯一飼っているうなぎだけに心を開く中年男とそんな彼をとりまく人たちの交流を描いた今村昌平監督の『うなぎ』(97)がカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。昭和58年にも『楢山節考』(83)で同賞を受賞しており、日本人で初、二度目の受賞という快挙を達成。さらに、北野武が監督・主演・脚本を果たし、追われる身の刑事とその妻の逃亡劇を叙情的に描いた『HANA-BI』(97)がベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。日本人監督の作品が同賞に選ばれたのは、当時で三作目となりました。ほかにもスタジオジブリ長編映画『もののけ姫』(97)が公開され大ヒットを記録、現代に影響を与えた名作の数々がこの時代に生み出されています。
そして、世界を見てみましょう。主題歌を聴くだけで涙ぐむ人もいるであろう、映画『タイタニック』(97)が公開。第70回アカデミー賞では14部門でノミネートされ11部門で受賞。興行収入は当時の世界最高興行収入を記録。興行的にも大成功を収め歴史に名を刻みました。監督はジェームズ・キャメロン。若かりし頃のキャメロンは特殊効果スタッフとして『ニューヨーク1997』に参加。『ニューヨーク1997』とキャメロンが大成功を収めた1997年。不思議な縁を感じます。
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