点字ブロックを発明した偉大な日本人
日本テレビ系で水曜22時台に放送していたドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」。本作は、勝ち気だけど恋には臆病な盲学校の女の子と、喧嘩上等だけど根は純粋なヤンキーの2人が繰り広げる、新世代ラブコメディー。
主人公が弱視という設定なので作中では、白杖や点字ブロックなどについてもどういったものであるか紹介されている。
視覚障碍者の歩行を助ける「点字ブロック」であるが、実は発明したのは日本人である。
岡山市で自営業を営む傍ら町の発明家として地元では有名だった三宅精一さん。中でも交通問題に関して特に強い興味をもち、特許を得たものも多く、試作品は100種類を超えるほどだったとという。
三宅さんはある日、交差点で白い杖を持った目の不自由な人が車道を横断する際に、その人の横を車が勢いよく走り去るという危険な場面に遭遇した。
それ以降、三宅さんは目の不自由な人が安全に歩行するにはどうすればいいか考えるようになったという。それが点字ブロック開発のきっかけであった。
1967年、日本ライトハウスの理事長であった岩橋英行さんの協力などもあり、世界初の点字ブロック230枚が岡山県立盲学校近くの国道2号線の横断歩道に敷かれた。私費を投げ打ち、退路を断っての挑戦であった。
しかし、この画期的な「点字ブロック」が日本中に一気に広まることはなかった。当時の日本は、高度経済成長期ではあったものの福祉に対する意識がまだまだ未成熟であったのだ。
1982年、点字ブロックの生みの親・三宅精一さんが道半ばで他界する。しかし彼の遺志は同志である弟の三宅三郎さんに受け継がれた。
精一さんが私費を投じて設立した「財団法人安全交通試験研究センター」の2代目理事長に就いた三郎さんの努力や、日本社会の中で福祉に関する意識が高まったことなどにより、今では日本中に点字ブロックが広まっている。
参考:一般財団法人 安全交通試験研究センター
http://www.tsrc.or.jp/anzen/history/
(written by 山崎健治)
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