昔ながらの壁掃除はこうしよう!ザラザラした壁の掃除法
和室やリビングの壁を、昔ながらの土壁や漆喰壁にしている方が増えています。室内の湿度を自動で調節してくれることから、近年人気が高まっているためです。しかし、壁掃除の方法は意外と知られていません。昔ながらのザラザラ壁の掃除法をご紹介します。
珪藻土の壁の掃除法
珪藻土を使った壁は、和室だけでなくリビングにもよく使われます。さまざまなインテリアとも合わせやすく、部屋の雰囲気によくなじみやすいことから人気です。
そのような珪藻土の壁は、表面がザラザラしていることから掃除方法に悩む方も多いことでしょう。珪藻土の壁の掃除方法をまとめました。
普段の壁掃除の方法
珪藻土の壁の表面はザラザラとしているため、どうしてもホコリが付きやすいものです。ザラザラした隙間に潜り込んだホコリは、どのように取り除けばよいのでしょうか?
珪藻土の壁掃除の方法は、柔らかい毛でできたホウキやハタキを使って、やさしく壁をいたわるように、上から下へホコリを落としていくことが大切です。こまめに定期的に壁掃除をしていれば、ザラザラした壁の表面に付いたホコリも、楽に落とすことができます。
ザラザラした隙間に入り込んでしまって取れない汚れは、乾いた柔らかい布地のタオルなどでやさしく撫でてみてください。ハケノズルを取り付けた掃除機を使って吸い込んでもよいですが、その場合は壁を傷めないように「弱」にして使用します。
珪藻土の壁はとてもデリケートです。ちょっと力加減を間違えるだけで、傷や削れの原因になってしまいます。そのためにもやさしくこまめにホコリを落として、汚れが溜まらないようにしましょう。
汚れの落とし方
ちょっとしたシミやこすれたような筋などは、意外なもので落とすことができます。「消しゴム」です。壁に汚れが移らないように、表面をキレイにしてから使いましょう。ザラザラした表面が削れないように、やさしくこすることが大切です。
それでも落ちないシミ汚れなどは、サンドペーパーで表面を薄く削ります。ザラザラした表面を削りすぎて傷つけないよう、できるだけ目の細かいものを用意してください。
それでも落ちないほど奥まで浸み込んでしまった汚れを落とす場合は、薄めた漂白剤を使います。この時注意したいことは、珪藻土の壁に色味がある場合、その色まで漂白してしまう可能性があることです。
真っ白なタイプの珪藻土なら、薄めた漂白剤を筆などで浸み込ませて汚れを漂白します。色味がある壁の場合は、サンドペーパーでできるだけ薄く削った後に、同じ色の珪藻土を上塗りする方法もありますが、あえて壁掃除を諦めるか、専門業者に依頼することも大切です。
壁掃除でやってはいけないこと
珪藻土の壁は水拭きできるといわれていますが、吸水性が高いために汚れも一緒に吸い込んで、シミの原因になってしまうことがあります。また、水を吸うことによって柔らかくなってしまい、その後にこすられると削れてしまう可能性もあるのです。
そのため、水拭きは基本的にはおすすめできません。目立たないところで試してみればよいといっても、汚れた部分を拭いた時に同じ結果になるとも限らないためです。普段からこまめにメンテナンスをして、汚れを溜めないようにしてください。
砂壁の掃除法
和室の壁によく使われる砂壁も、表面がザラザラしていて壁掃除がしにくいものです。そんな砂壁の掃除方法をまとめました。
普段の壁掃除の方法
珪藻土の壁掃除と同様に、はたきでやさしく上から下へとホコリを落としていきます。強くやりすぎると壁に傷がつくだけでなく、砂が下に落ちてしまうので要注意です。掃除機も使えますが、吸引力が強すぎると壁を傷めてしまうので、あまりおすすめできません。
もちろん、水拭きも厳禁です。壁の表面の砂がはがれ落ちたり、シミの原因になったりします。こまめにやさしくホコリを落としてメンテナンスしてください。
汚れの落とし方
砂壁に付いた目立つ汚れは、珪藻土の壁と同じように消しゴムで消すことができます。目の細かいものを選べば、サンドペーパーで軽く削り落とすことも可能です。
ただし、消しゴムでもサンドペーパーでも、砂壁特有の味を出している砂まで落としてしまいます。そのため、汚れを落とすことに一所懸命になりすぎると、その部分だけ風合いや質感が変化してしまうため、よほどのことがない限りはあえて放置するのも一つの手です。
壁掃除でやってはいけないこと
先にもご紹介した通り、水拭きでの壁掃除は厳禁です。砂壁ならではのザラザラした質感や風合いを出している砂が、はがれ落ちてしまう原因になります。また、砂壁も吸水性が高いため、汚れも一緒に吸い込んでシミの原因にもなるのです。
さらに、汚れがひどいからといってゴシゴシ力を入れてこすったり、消しゴムやサンドペーパーで削りすぎるのもいけません。無理だと思ったら、専門業者に相談してみる方がよいでしょう。
漆喰の壁の掃除法
漆喰壁も調湿効果の高さとさまざまなデザインと調和させやすいことから、リビングの壁材として人気です。漆喰壁に使われている消石灰の効果で静電気を帯電しにくいことから、ホコリが付着しにくい特徴もあります。
しかし、静電気に強くてホコリが付きにくいとはいえ、壁掃除をしなくてもよいということにはなりません。漆喰壁の掃除方法をまとめました。
普段の壁掃除の方法
漆喰壁はホコリが付きにくいため、普段はハタキや柔らかい素材で作られたほうきなどで、上から下にホコリを落とすだけで十分です。換気をしながら壁掃除をした方が、舞い散ったホコリが再度付着するのを防げます。
ホコリが舞い散るのを防ぎながら掃除するなら、掃除機を使ってもよいでしょう。広い範囲を効果的に掃除するなら、床用ノズルを使っても大丈夫です。ただし、吸引力は「弱」にして、やさしくかけるようにしてください。
壁や天井の隅っこは、壁全体の中でもホコリが集中しやすい場所です。掃除機ではキレイにしきれないため、柄の長い柔らかい素材でできたホウキでホコリを落とします。この時も換気をしながら壁掃除をするのがおすすめです。
汚れの落とし方
スイッチの周りなどには、手垢汚れが付きやすいものです。漆喰壁は白いために汚れが目立ちやすく、気になる方も多いことでしょう。
このような目立つ汚れは、ほかのザラザラ壁と同様に、消しゴムを使って落とすことができます。メラミンスポンジを使ってもよいですが、こすりすぎには要注意です。漆喰壁も傷つきやすいだけでなく、こすりすぎることで周囲との色に差が出てしまうこともあります。
このような事態を防ぐためにも、汚れを落とす時はやさしくこするようにしてください。目安としては、遠目から見た時に目立たなければ十分です。手っ取り早く汚れを落とすなら、目の細かいサンドペーパーで軽く削る方法もあります。
壁掃除でやってはいけないこと
漆喰壁は消石灰を混ぜ込んで作られているため、洗剤は使わないようにしてください。消石灰は溶けると強いアルカリ性の性質を持つことから、水拭きする時はゴム手袋を必ず着用し、サンドペーパーなどで削る時には防護メガネを付けると安心です。
酸性の漂白剤とは相性が悪いので、注意が必要です。汚れが目立つ時にはあくまで水拭きやサンドペーパーで削る程度にとどめ、どうしても気になる時には専門業者に依頼しましょう。
ザラザラ壁を掃除するときの注意点
ザラザラとした昔ながらの壁掃除の時は、汚れを落とし切ることよりも、壁全体のバランスを見ながら掃除することが大切です。一部分だけ壁掃除をすると、その部分だけ色が変わってしまい、かえって浮いてしまう原因になります。
特に時間がたてば微妙に色が変わってくるのも、昔ながらのザラザラ壁の特徴です。あえて汚れを落とし切らない方が、壁全体の味を壊さないこともあります。
もちろん、こすりすぎや掃除法を間違えれば、壁そのものを傷めてしまうこともあるので要注意です。経年劣化によってひび割れなどが起こることもあります。壁が傷んでしまった時には、全体を塗り直した方が早いことも多いです。専門業者に見てもらうのがおすすめです。
おわりに
昔ながらのザラザラ壁は、日本の気候に適した自然素材で作られたものです。部屋の雰囲気作りにも活かしやすい反面、壁掃除には細心の注意が必要になります。こまめに壁掃除をして、いつまでも美しい壁を維持してください。
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