地方のケアマネが置かれた厳しい現状。ICT活用で仕事の魅力も増す!

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地方のケアマネが置かれた厳しい現状。ICT活用で仕事の魅力も増す!

【科目】介護✕在宅介護  【テーマ】地方のケアマネジャーが抱える課題を解決するICT活用

【目次】
負担が増加するケアマネ地方のケアマネはマンパワー不足が深刻コロナ禍でICT活用が進展未来の担い手を確保するために

こんにちは、千葉県の地域包括支援センターに社会福祉士として勤務する藤野です。

過疎高齢化が進む地域では、今後ICTを活用して効果的に活動していくことが求められていくと思います。

それはただ単に高齢者が増え、さらに過疎化により活動範囲が広がるといった要因だけでなく、福祉を担う人材が不足してきている点からも必須だからです。

今回は、地方のケアマネジャーが抱える問題点と、その解決策について考えていきます。

負担が増加するケアマネ

2021年9月30日、近隣4市の医師から構成される医師会主催の研修会でICTの活用について、ウェブ会議ツール「ZOOM」を用いて発表してきました。

現在、医師会を中心として、ICT活用によってケアマネジャーの業務負担の軽減や、医師を始めとした関係機関との連携が円滑にとれる未来像、つまり医療福祉業界のビジョンについて議論が進められています。

その中で、大きな問題となっているのが、ケアマネジャーの人員不足と業務過多です。

ケアマネジャーは地域包括ケアの調整役として、さまざまな関係機関との連絡や、利用者の相談やクレーム処理など、実に多くの案件を抱えています。日々のストレスは大変なものになります。ただでさえ業務が多岐にわたることに加え、人員不足は深刻です。

地方のケアマネはマンパワー不足が深刻

私が担当する地域は、総人口約1万人に対して65歳以上の高齢者が約4,700人、高齢化率約47%です。そして担当地区の面積は市内の全面積の約70%を占めています。

南端の沿岸部で相談を受けた後、東端の山間部まで行くのに1時間程度を要します。山間部に行くと携帯の電波も届かず、地図アプリも電話もできない状態です。また、山間部で車の運転ができなくなったご高齢者は、買い物はおろか健康を維持するための受診すら困難です。

そんな状況を打破するため、住民主体型の支援団体が創設されたり、地域の医師が往診してくれたりして、何とか対応しています。その中で、ケアマネジャーは高齢者と医療機関や福祉事業所との調整に奔走します。過疎高齢化が進む地域でも、電話での会話ができれば事業所にいながらコミュニケーションが取れます。しかし、難聴の方も少なくなく、直接会いに行かなければならないこともあります。結果的に広大な担当地域を右往左往することになります。

おそらく全国で同様のことが起きているのではないでしょうか。そもそも人員が不足しているうえに、地方は特有の地域課題を抱えているのです。

特有の地域課題を抱える地方のケアマネジャー

コロナ禍でICT活用が進展

過疎高齢化がもたらす地域課題の多くは、ここ20年ほどの社会インフラやテクノロジーの進化で解決すると考えます。期せずしてコロナ禍によって、地方でICT化が急速に進んでいます。

例えば、精神疾病や知的障がいがあるために適切な医療や福祉につながっていないケースや、医療拒否で医師の意見書の作成ができず介護保険の申請に至らないケース、早急な対応が求められるガン末期対象者へのアドバイスなどがあります。こうしたケースでも、医師とのコミュニケーションが気楽にできることで、その後の支援の展開に雲泥の差が出ることがあります。

ケアマネジャーもICTを活用することで、常態的に医師とのコミュニケーションが取れるようになれば、利用者への迅速な対応が可能になりますし、ケアマネジャーのストレスを軽減できます。

インフラ整備が遅れている交通困難な地方部では、こうしたICTの活用で合理化を図って地域包括ケアを進化させることが必要ではないでしょうか。

未来の担い手を確保するために

ケアマネジャーは地域におけるケアの中心的役割を担うやりがいのある仕事でもあります。

そこで、若い世代にケアマネジャーという仕事の魅力を伝えるためにも、解消できる問題点は今のうちに手をつけておく必要があるのではないでしょうか。

おそらく20年後には、SNSやネットショッピングは一般的になっているでしょうし、その時代には今よりも優れたデバイスが登場して、高齢者でも電子機器を使用することに支障がなくなっていることでしょう。

未来のテクノロジーの進化に期待をしつつ、私たちは今いる高齢者の生活を守る必要があります。そのために今の私たちにできることは、ICTを活用して医療・福祉をはじめとする関係機関とのスムーズなコミュニケーション体制を構築しておくべきだと考えます。

ICTを活用した連携体制を今のうちに構築することが大切

ケアマネジャーの業務負担を軽減することで、結果的にケアマネジャーの仕事の魅力が増して、次世代の高齢者福祉を担う人材を呼び寄せることにつながるのではないでしょうか。

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