【広島の旅】今度は「10円きっぷ」で県内旅行！ SNS映えレトロな西条酒蔵通りへ

2021/11/10 15:00 Nicheee!（ニッチー！）

2020年10月から12月にかけ、広島県とJRグループによる大型観光キャンペーン「広島デスティネーションキャンペーン」が実施されて早1年あまり。今年2021年はその翌年、“アフターキャンペーン”として、今度は「広島10円きっぷ」が開催されることになった。この「広島10円きっぷ」をいち早く体験すべく、広島へと再び向かった。

（2020年の記事）※抜粋

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行き先は広島県内10駅どこか。たった10円で往復切符

広島駅北口（新幹線口）1階イベントスペースに設置された、エアー抽選器。中に、赤く「広島10円きっぷ」とデザインされた小さな封筒がいくつか舞っていた。抽選器の中に手を入れ、1枚取り出して封筒を開けると、切符が2枚（往復）入っており、自分の行き先は「西条」だった。

「広島10円きっぷ」の行き先として、宮島口、海田市、呉、竹原、西条、三原、尾道、福山、三次、備後庄原の全10駅があるという。広島駅から最も遠い運賃は、福山が片道4510円、備後庄原だと片道1690円かかる。これが往復たった10円と思うと、とてもお得感ある。

西条は日本酒の名醸造地、駅近くに古い町並みが残る

広島から西条まで、在来線の山陽線で約40分。電車も駅も新しく、なかなか快適だ。

西条は、昔も今も「酒の都」として知られる。兵庫の灘、京都の伏見と並ぶ日本名醸造地の1つに数えられ、340年以上前から酒造りが行われてきた。今も残る古き良き街並み、酒造メーカーの酒蔵が並ぶ「西条酒蔵通り」は、西条駅から徒歩ですぐ。

日本酒をじっくり楽しむなら車よりも、JRの駅から歩いてすぐという立地なら電車で行くのが断然いい。

江戸時代初期から西国街道の要所であり、「西条四日市」と呼ばれて宿場町として栄えた古い街並みが今も残る。白壁、なまこ壁、格子の戸、赤レンガ煙突、赤瓦など「和」の建造物に交じって、明治から大正にかけて日本に入ってきた白亜の「洋」式建築もいくつか見られる。

地面の「マンホール」も、酒蔵のデザインがまたいい。

現在は観光案内所とカフェになっている「くぐり門」は、かつてあった芝居小屋への入口跡。実際にここをまず訪ね、情報収集した。

カフェでのランチやコーヒーはとても美味しかったのでおすすめ。

7軒ある蔵元で日本酒飲み比べ、蔵元見学や無料の仕込み水

現在ある蔵元は、「賀茂鶴」「福美人」「賀茂泉」「亀齢」「西條鶴」「白牡丹」「山陽鶴」の7軒。いずれも、日本酒好きならその名前に馴染みあるだろう。どの蔵元も、敷地の一部を一般公開している。

それぞれの歩んできた歴史を紹介したり、貴重な資料を展示したりし、誰でも見学できる。日本酒をはじめ、スイーツや蔵元グッズなどを販売するコーナーもあり。中には、日本酒を試飲できる蔵元もあるので、ぜひチェックを。

それぞれの蔵元の入口付近に、誰でも無料で利用できる「仕込み水」を見つけた。酒造りで実際に使われる水で、ペットボトルで汲みに来る人も。散策途中にのどを潤すのにちょうどいい。空いたペットボトルを持参すると便利だ。

西条で味わうご当地グルメ、日本酒スイーツはお土産におすすめ

「西条のご当地グルメは？」と現地でたずねると、まず出てきたのが「美酒鍋」だった。美酒鍋は、豚肉、鶏肉、各種野菜を、日本酒と塩・こしょうのみで調理する。もとは蔵人たちのまかない料理。アルコール分が抜けるため、お酒が飲めない人や子どもも食べられる。（画像：広島県観光連盟）

元祖美酒鍋の店として、西条酒蔵通りにある「佛蘭西屋」が有名だ。その他にも美酒鍋を提供する飲食店が、西条駅周辺に点在する。

また、「コメカラ」も、西条のご当地グルメ。米粉と西条酒を使って鶏肉を揚げた味は、定番の小麦粉より低カロリーでサクサク食感がとても美味しかった。

2012年に登場して以来、コメカラを提供する店が続々増えているという。今回は「くぐり門珈琲店」でテイクアウトした。

その他、酒の都らしく、酒粕ムース、酒粕かりんとう、酒粕プリン、酒まんじゅう、日本酒ケーキ、甘酒タルト、吟醸ジェラート、樽最中、樽せんべいなど、「日本酒」関連のお菓子が、おそらく日本のどの地域よりも多い。さらに、蔵元ごとの「前掛け」やおちょこ、トートバッグまである。本当に日本酒好きにはとことんたまらない。