【モトGP】ヤマハのクアルタラロがシリーズチャンピオンを獲得「フランス人として初めてモトGPを制覇できてうれしい」

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【モトGP】ヤマハのクアルタラロがシリーズチャンピオンを獲得「フランス人として初めてモトGPを制覇できてうれしい」

 モトGPの世界選手権でヤマハのファビオ・クアルタラロ(22)=フランス=が24日にイタリア・ミサノで行われた第16戦エミリア・ロマーニャGPを4位でゴール。最高峰クラス参戦3年目で悲願のシリーズチャンピオンを獲得した。

チャンピオンを決めたヤマハのファビオ・クアルタラロ(欧州ヤマハ提供)

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 「言葉が出ない。涙があふれて全身の水分が出切っちゃよ。フランス人として初めてモトGPを制覇できてうれしいよ」。チームを通じて喜びを表現した。本人が発した言葉の通り、フランス人が旧500cc時代を含めて最高峰クラスでチャンピオンとなるのは初めて。欧州ではイタリア、スペインとともにオートバイレースが昔から盛んな国だけに、頂点のカテゴリーを1度も制していなかったことが業界では不思議がられていた。

 モト2、モト3などの下部クラスでもタイトル獲得の例は実に少ない。1982年のジャン・ルイ・トルナドル(旧250CC)、84年のクリスチャン・サロン(同)2000年のオリビエ・ジャック(同)、02年のアルノー・バンサン(旧125CC)、08年のマイク・ディメリオ(モト3)、15、16年のヨハン・ザルコ(モト2)とのべ7人の王者を輩出しているだけ。これはモトGPを除く下部クラス(旧350cc含む)でのべ8人を記録する日本人よりも回数では劣っている。

 ちなみに最高峰クラスで最もタイトルを獲得しているのはイタリアで6人、計20度。レジェンドのジャコモ・アゴスティーニ、今季で引退するバレンティーノ・ロッシの2人だけで15度もチャンピオンに輝いている。

 クアルタラロはモトGP参戦1年目から騒がれた。下部クラスではタイトルを取れなかったものの、ヤマハのサテライトチームの「セパンレーシング(SRT)」からデビューし、第4戦スペインGPでは20歳14日での初ポールポジションを獲得。これまで最年少記録を持っていた元王者マルク・マルケス(スペイン)の20歳63日を塗り替えた。

タイトルを決めたエミリア・ロマーニャGPではクアルタラロ(右)は4位でゴール(欧州ヤマハ提供)

 ただし、その年は1勝もできず、ランキング5位。マルク・マルケスが19戦中12勝をして6度目のモトGP王者となるなど牙城を崩すことができなかった。ところがそのマルケスが翌2020年にレース中に右腕を骨折し、予後不良も重なって開幕戦を最後に残りレースを欠場。今季もリタイアが頻発するなど精彩を欠くレースが続いたことで、昨季に続いて他のライダーに勝てるチャンスが到来。シーズン5勝しているクアルタラロが2戦を残して今季のタイトルを決めた。

 ヤマハの選手からチャンピオンが誕生するのは2015年のホルヘ・ロレンソ(スペイン)以来、6年ぶり。19年はホンダのマルク・マルクス、昨季はスズキのジョアン・ミル(スペイン)と3シーズンとも異なるメーカーの選手がタイトルを獲得しているが、こちらも06~08年以来で、ホンダのニッキー・ヘイデン(米国)、ドゥカティのケーシー・ストーナー(オーストラリア)、ヤマハのロッシの順でシリーズを制した。

 栃木・ツインリンクもてぎで行われるはずだった日本GPは新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年連続で中止となったが、来季は第17戦として開催予定。「ツインリンクもてぎ」の名称も来年3月に「モビリティリゾートもてぎ」に変更されることが決まっている。

 来季は連覇がかかるクアルタラロの包囲網が張られるはずで、2年連続でタイトル争いに敗れたマルク・マルケスも巻き返しに来る。モトGPは群雄割拠の時代に突入している。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


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