今さら聞けない!大学入学共通テストの基礎知識!一般入試と何が違うの?
大学入学共通テストは、国公立大学を目指している人にとって必須ともいえる入学試験。
「私立大学志望の私には関係ない」「たくさん科目があって、全部勉強するのは無理!」
と最初からあきらめている高校生もいるのでは?
実は、大学入学共通テストを受験すると、国公立大学だけでなく、私立大学の受験に利用することもできる。
そこで、大学入学共通テストについて、私立大学の一般選抜試験との違いをふまえながら、基礎知識から受験するメリット・デメリットまでをスタディサプリ講師で、カンザキメソッド代表の神﨑史彦先生に教えてもらった。
今回教えてくれたのは
神﨑史彦先生
株式会社カンザキメソッド代表取締役。
スタディサプリ講師。私立学校研究家。高大接続・教育コンサルタント。
大学卒業後、大学受験予備校において小論文講師として活動する一方、通信教育会社や教科書会社にて小論文・志望理由書・自己アピール文の模擬試験作成および評価基準策定を担当。
のべ6万人以上の受験生と向き合うなかで得た経験や知見をもとに、小論文・志望理由・自己アピール・面接の指導法「カンザキメソッド」を開発する。
現在までに刊行した参考書は26冊(改訂版含む)、販売部数は延べ25万冊、指導した学生は10万人以上にのぼる。
大学入学共通テストとは?
2020年度まで「大学入試センター試験」として実施されていた試験が、2021年度より「大学入学共通テスト」として新たに始まった。
国公立大学の一般選抜の1次試験であると同時に、私立大学でも選抜方法のひとつとして利用されている。
私立大学の一般選抜試験との違いは?
※大学入学共通テストとは?一般受験と何が違うの?
「一番大きな違いは科目数です。
大学入学共通テストは全部で6教科30科目あり、その中から受験する大学で指定されている科目を選択します。
国公立大学の受験では、多くの場合は5教科7科目が必要です。
私立大学の一般選抜試験は3科目が基本となり、文系の場合、英語+国語+数学・地理歴史・公民から1科目、理系の場合、英語+数学+理科が一般的。
2教科や1教科で受験できる私立大学もあります。
また、私立大学の一般選抜試験の出題傾向は、過去数年間の試験問題を比べる限りでは、あまり大きな変化は見られません。
しかし、大学入学共通テストは、2020年度までの大学入試センター試験と比べて、知識理解・思考力・判断力が問われる内容に変わっています。
過去の大学入試センター試験では、豊富な知識があれば問題を解くことができましたが、大学入学共通テストは、学んだ知識を組み合わせて、論理的に考えられなければ正答するのは難しいでしょう。
暗記科目といわれる世界史や生物などでも、受験生は「現代文のような問題が出題された」と述べるほど、読解力が求められているのです」(神﨑先生)
国公立大学志望の人は受験すべき?私立大学志望なら受けなくてもいい?
「大学入学共通テストは、国公立大学の一般選抜の1次試験にあたるため、国公立大学志望の人は受験が必須。
また、国公立大学のなかには、たとえ総合型選抜または学校推薦型選抜で合格しても、大学入学共通テストの受験も必須で、規定の点数が取れなければ入学が認められないというケースがあるので、総合型選抜または学校推薦型選抜の受験要項をしっかりとチェックしておきましょう。
私立大学には、大学入学共通テストの得点で合否が決まる『大学入学共通テスト利用入試』があるので、それを視野に入れている人は受験すべきです」(神﨑先生)
大学入学共通テスト利用入試とは?
大学入試センター試験の成績で私立大学の合否が判定される「センター試験利用入試」は、2021年度より「大学入学共通テスト」がスタートしたことに伴い、「大学入学共通テスト利用入試」と名称を改めて実施されている。
大学入学共通テストを受験した後、私立大学の「一般選抜(大学入学共通テスト利用)」に出願すると、大学入学共通テストの成績だけで複数の私立大学を受験することが可能になる。
大学入学共通テスト利用入試には「単独型」と「併用型」がある
大学入学共通テストを受験して、その成績のみで出願した私立大学の合否が決まるのは「単独型」。
大学によっては「併用型」もあり、大学入学共通テストの成績だけでなく、その大学独自の個別試験や小論文、適性検査、調査書などが評価される。
大学入学共通テストの受験科目は、1科目~6科目まで大学によって大きく異なり、複数の科目から選択できる場合もあるが、必須の受験科目が決められていることも。
併用型の場合の配点なども大学独自の判定基準があるので、注意しよう。
※大学入学共通テスト利用入試を行っている大学はこちら
大学入学共通テストのいつ頃?受験科目はどう決める?
※受験科目はしっかり事前チェック!
大学入学共通テストは毎年1月の中旬ごろに行われている。
2022年度大学入学者対象の試験実施期日は、2022年1月15日(土)・16日(日)。
試験は2日間に分けて行われ、以下の教科・科目のなかから、志望する大学が指定するものを選択して受験することになる。
大学入学共通テストは、全部で6教科30科目。
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【大学入学共通テスト科目】
国語/国語
地理歴史/世界史A・世界史B・日本史A・日本史B・地理A・地理B
公民/現代社会・倫理・政治・経済・倫理、政治・経済
数学/数学Ⅰ・数学Ⅰ・数学A・数学Ⅱ・数学Ⅱ・数学B・簿記・会計・情報関係基礎
理科/物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎・物理・化学・生物・地学
外国語/英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語
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2022年度の大学入学共通テストのスケジュール・時間割などはこちらの記事をチェック
2022年度大学入学共通テスト、試験日は1月15・16日、出願期間や時間割は?
大学入学共通テストは全教科受験すべき?
大学入学共通テストは1科目単位で受験できるので、自分の志望大学で指定されている科目を選択して受験すればよい。
国公立大学を受験する場合は、5教科7科目が基本。
私立大学の「大学入学共通テスト利用入試」を受験する場合は、1教科~3教科で、1科目~6科目。
選択ミスのないよう、志望大学の受験要項をしっかりチェックしておきたい。
大学入学共通テストを受験するメリット・デメリットは?
※大学入学共通テストは自分の住んでいる地域で受験することができる!
大学入学共通テストのメリットは?
「大学入学共通テストを受験して高得点を獲得すると、私立大学の一般選抜(大学入学共通テスト利用)に合格する可能性が高まります。
1回の大学入学共通テストだけで、複数の私立大学に出願できるのは大きなメリットですよね。
大学入学共通テストは自分たちの住んでいる地域で受験することができますから、大学入学共通テスト利用入試の単独型なら出願のみで、実際に大学へ行って試験を受ける必要がないため、日本全国どこの私立大学でも受験できます。
また、一般選抜の個別学力試験よりも大学入学共通テスト利用入試のほうが受験料は安いというメリットもあります」(神﨑先生)
大学入学共通テストのデメリットは?
「科目数が多く、大学や学部・学科によって受験科目が異なるため、勉強する科目をしぼりにくいというデメリットがあります。
私立大学の一般選抜なら3科目前後にしぼることができますが、国公立大学の場合、5教科7科目がほぼ必須になり、その分、受験勉強をする時間が分散してしまいます。
また、私立大学の一般選抜(大学入学共通テスト利用)は、一般選抜(個別学力試験)よりも募集定員が少ないことが多いため、必然的に高倍率になります」(神﨑先生)
大学入学共通テストの勉強方法は?
※大学入学共通テストの問題形式はマークシート方式のみ!
大学入学共通テストの問題形式は?どんな勉強をすればいい?
「2022年度の問題形式は、マークシート方式のみ。
2021年度と同様に、思考力・判断力・表現力を求められる問題で、論理を追っていく出題形式になると予想されています。
暗記しても解けない問題が多くなると思います。
まずは、2021年度の問題をくり返し解いてみて、出題傾向を把握しましょう。
過去の大学入試センター試験や、2017年と2018年に実施されたプレテストは、試験内容が大きく異なっている科目もあるため、参考程度に留めてもよいでしょう。
スタディサプリ講師による教科別の対策方法も参考にしてみてください」(神﨑先生)
こちらの記事をチェック
大学入学共通テスト対策!各教科のスタサプ講師が解説!
大学入学共通テストを出願するときに気をつけることは?
「最も重要なのは科目選択です。
例えば、地理歴史・公民は全部で10科目ありますが、受験できるのは最大2科目。
国公立大学はもちろん、私立大学の大学入学共通テスト利用入試も考えている場合は、自分の志望校を受験するために必須の科目を事前に調べておきましょう。
国公立大学の2次試験や私立大学の大学入学共通テスト利用入試を受験する際、大学入学共通テストで指定の科目を選択していなければ、出願することができません。
そのためにも、高校3年生の夏までには志望校を決めておきたいですね」(神﨑先生)
大学入学共通テストは、国公立大学を目指している人だけでなく、私立大学志望の人にとっても、ひとつの受験手段になる。
試験日は毎年1月だが、前年9月~10月初旬に出願しなくてはいけないため、早めに志望校を考えて、試験要項をしっかりチェックしておこう。
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