ルーマニアワインが躍進中! 6000年の歴史を持つワイン造りの魅力とは

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ルーマニアワインが躍進中! 6000年の歴史を持つワイン造りの魅力とは

ルーマニアワインとは


Calin Stan/ Shutterstock.com

近年注目されているルーマニアワイン。その歴史や特徴から紹介しましょう。

ルーマニアワインの歴史

ルーマニアのワイン造りの始まりは、今から6000年前に遡るといわれています。その長いワイン造りの歴史を、大まかに振り返ってみましょう。
【紀元前4000年ころ、ワイン造りが開始される】
紀元前には、現在のルーマニアは「ダキア」と呼ばれていました。西ヨーロッパ諸国では、紀元前1世紀のローマ帝国の領土拡大に伴いワイン造りが広まったとされていますが、ダキアではそれ以前からブドウ栽培が行われ、豊かなワイン文化が根づいていたといわれています。
【中世には修道院や教会でワイン造りが行われる】
中世ルーマニアのワイン造りについては「モルダビア史書」という文献に記されています。中世には修道院や教会によるワイン造りが行われ、近年ルーマニアを代表するワイン産地として有名なコトナリ(モルドヴァ地方)は当時から銘醸地として知られていたそうです。
【19世紀後半のパリ博覧会を機に、ルーマニアワインがブームに】
19世紀の終わりには西ヨーロッパと同様に、ワインの原料であるブドウが害虫フィロキセラの被害を受けましたが、多くの土着品種は絶滅を免れることができました。1889年のパリ万国博覧会ではルーマニアワインが高評価を獲得し、大ブームとなります。
【第二次世界大戦後、ワイン造りが国営化され低迷期に】
第二次世界大戦後にはルーマニアが社会主義国家となり、すべてのワイナリーが国営化されることとなりました。そして、旧ソ連への輸出用として、品質よりも量を重視した大量生産のワイン造りが行われるようになります。
【1989年の民主化後、高品質ワインにシフトし活況を取り戻す】
旧ソ連の影響下で停滞していたルーマニアワインですが、1989年の民主化後、再び高品質なワインが造られるようになりました。そして、2007年のEU加盟後は、ルーマニアワインが再び市場で注目されるようになります。

ルーマニアワインの特徴

ルーマニアは、コトナリ地方の貴腐ワインをはじめとする甘口のワインがとくに有名です。品種としては、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなどの国際品種に加え、多数の固有品種が栽培されているのが特徴です。
EU加盟を受けて改正されたルーマニアのワイン法では、ルーマニアワインはD.O.C(保護原産地呼称)、I.G.P(保護地理的表示)、地理的表示のないワインの三段階で格づけされています。D.O.Cには33、I.G.Pには12の産地が該当します。
なお、D.O.Cには使用するブドウの収穫時期による分類が設けられていて、完熟期に収穫されたブドウは「C.M.D.」、遅摘みで収穫されたブドウは「C.T.」、貴腐ブドウとして収穫されたブドウは「C.I.B.」と、ラベルに表示されています。

ルーマニアワインの産地とブドウの土着品種


ggserban/ Shutterstock.com

ルーマニアワインは環境の異なるいくつかの産地で造られています。ここでは地形や気候の特徴、ルーマニアワインのおもな産地、ブドウのおもな土着品種について見ていきましょう。

ルーマニアワインを生む地形と気候の特徴

フランスとほぼ同緯度に位置するルーマニアは、国土のおよそ3分の2が山地で、ブドウ栽培に適した水はけのよい土壌が特徴となっています。
気候は大陸性気候に分類され、湿度が低く夏の日差しが強いこと、夏と冬、昼と夜の気温差が大きいことなどが好条件となり、良質なブドウを育んでいます。
また、ルーマニアの中央にはカルパチア山脈が走り、山岳部と平原部では気候が異なります。産地ごとに微気候(地面近くの気候)や土壌に違いがあることで多種多様なワインが生まれることも、ルーマニアワインの大きな魅力といえるでしょう。

ルーマニアワインのおもな産地

ルーマニアではほぼ全土でワイン造りが行われていて、モルドヴァ地方、トランシルヴァニア地方、ドブロジェア地方、ムンテニア地方、オルテニア地方、バナット地方、クリシャナ地方、マラムレシュ地方という8つの地域があります。ここでは、広く知られる3つの産地の特徴を見てみましょう。
【モルドヴァ地方】
ルーマニアの北東部にあるモルドヴァ地方は、ルーマニアで一番広く、歴史の古いワイン産地で、ルーマニアワインの生産量の約3分の1を占めます。北部では白ワイン、南部では赤ワインが多く造られていますが、とくに北中部にあるD.O.C.コトナリは甘口の貴腐ワインで有名です。
なお、隣接するモルドヴァ共和国もワインの産地として知られていますが、ルーマニアのモルドヴァ地方とは異なるので覚えておくとよいでしょう。
【トランシルヴァニア地方】
ルーマニア中央の高原地帯であるトランシルヴァニア地方は、さわやかな白ワインを生み出すワイン産地です。D.O.C.タルナーヴェの白ワインが広く知られています。
【ドブロジェア地方】
ルーマニアの南東、黒海の沿岸にあるドブロジェア地方は、ルーマニアのなかでも比較的温暖な気候を持つ産地です。白ワイン、赤ワインの両方が造られていますが、良質なブドウ畑が集中する生産地、D.O.C.ムルファトラールの赤ワインはとくに有名です。

ルーマニアワインに使われるブドウの土着品種

ルーマニアでは、メルローなどの黒ブドウや、ヴェルシュリースリング、アリゴテなどの白ブドウをはじめとする国際品種が栽培される一方、土着品種も多く栽培されています。確認されている固有品種の数は100種類を超えるのだとか。ここでは、ルーマニアの代表的な土着品種を見てみましょう。
【フェテアスカ・ネアグラ】
「黒い乙女」という名の黒ブドウ。深いガーネット色をしていて、ボリュームのある果実味と豊富なタンニンを持つ品種です。高品質なワインが造れる品種として、近年注目されています。
【フェテアスカ・アルバ】
「白い乙女」という名の白ブドウ。白ブドウのなかでも長い歴史を持つ品種といわれ、果実や白い花を想わせる香りが魅力のエレガントな品種です。
【フェテアスカ・レガーラ】
「高貴な乙女」という名の白ブドウ。比較的栽培がしやすく、ルーマニアで広く栽培されています。果実やアカシアの花の香りを持ち、ボディがしっかりしているのが特徴です。

ルーマニアだけじゃない! 注目度上昇中の東欧ワイン


Vasily Deyneka/ Shutterstock.com

東ヨーロッパでは、ルーマニアのほかにも各地でワインが造られていて、近年熱い視線が注がれています。とくに注目度の高い2国のワインを紹介しましょう。

ワイン発祥の地・ジョージア(旧グルジア)

ジョージアでは約8000年前にはワイン造りが開始されていたそうで、「ワイン発祥の地」のひとつといわれています。ソビエト連邦崩壊後はロシアへの輸出向けに甘味の強いワインを生産していたジョージアですが、2008年にロシアとの国交が断絶したことを機に、国際市場を意識したワイン造りが行われるようになりました。以降、ジョージアワインの注目度はますます高まっています。
【伝統的なクヴェヴリ製法】
伝統的なジョージアワインは、「クヴェヴリ」という素焼きの壺を用いた独自の製法で造られます。手間暇のかかる古典的な製法ながら、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されたことで注目され、見直されるようになりました。
【「アンバーワイン」と呼ばれるオレンジワインが人気】
クヴェヴリ製法では、赤ワインや白ワインのほか、現地では「アンバーワイン」と呼ばれるオレンジワインが造られています。美しい琥珀色を持ち、食事にも合わせやすいオレンジワインは、世界的にも人気を博しています。
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EU加盟で急成長・ブルガリア

ブルガリアでは、4000年以上前からワイン造りが行われていたといわれています。長い歴史において、ブルガリアのワイン造りは常に政治の影響を受け、衰退と発展を繰り返してきました。
【民営化やEU加盟が飛躍の契機に】
20世紀半ば、旧ソ連の影響下でブルガリアワインの品質は低下しますが、1960年代後半から1970年にかけて醸造施設や技術が改善されます。その後、1989年に社会主義体制が崩壊すると、1991年にワイン造りが民営化され、小規模なワイナリーによる高品質なワイン造りが行われるように。2007年のEU加盟を機に醸造設備や技術はさらに進化し、輸出量も大きく増加しています。
【土着品種は2000種以上】
ブルガリアでは、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどの国際品種も多く栽培されていますが、土着品種の数も多く、その数は約2,000種類。ガムザ、マヴルッドなどの黒ブドウ品種やミスケト・シェルヴァン、ムスカト・オットネルなどの白ブドウ品種から、個性的なワインが生み出されています。

 

長いワイン造りの歴史を持つルーマニアでは、国際品種のほか多様な土着品種を用いたワインが生み出されています。ルーマニアをはじめとする東ヨーロッパのワインは、日本では見かけることが少ないかもしれませんが、機会があればぜひ試してみてはいかがでしょう。


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