時間がかかることを「長丁場」というけれど、この「丁場」とは何を意味するの?

時間がかかる仕事や勉強のことを「長丁場」と表現することがあります。
では、なぜ「丁場が長い」のでしょうか?
そもそも「丁場」とは何を指しているのでしょうか?
そこでここでは、時間がかかることをを示す言葉「長丁場」についてご紹介します。
「長丁場」とは
まずは「長丁場」が何をあらわすのか見ていきましょう。
ここでは日常用語としての「長丁場」と演劇用語の「長丁場」についてそれぞれ見ていきましょう。
日常用語としての「長丁場」
日常用語としての「長丁場」は、ひとつの物事が完結、もしくはひと段落するまでに長い時間がかかることを意味します。
作業や仕事に対して用いられることが多いです。
この時かかる時間は、幾日にもわたる期間となることもあれば、一日だけの事もあります。
例え一日でも、最初はほんの数分で終わると思われていた作業が、事態の展開などで数時間にわたることになった際などにも「長丁場」と表現することがあります。
歌舞伎などの演劇における「長丁場」
演劇用語における「長丁場」は、一連の場面において時間がかかることを指します。
たっぷりとした間を使った演出や、時間を大幅に取る演出を取り入れることとされる事もあります。
「丁場」とは何のこと?

では、「長丁場」の「丁場」とは何をあらわしたものなのでしょうか?
ここからは「丁場」について見ていきましょう。
「丁場」とは
「丁場」とは、宿場と宿場との距離のことを指しています。
宿場とは、特に江戸時代における街道沿いに休憩・宿泊できる場が設けられた街です。
もちろん、休むためだけの場所ではなく、人馬をかえて送る『継立』のための施設などもありました。
浮世絵などで知られる「東海道五十三次」、これは東海道に設けられた品川から大津までの計53の宿場の事です。
街道を維持するためにも重要な存在でした。
「丁場」が長いから「長丁場」
この宿場の距離が長いことを「長丁場」と表現していました。
宿場の距離というのは、規則的ではありません。
ある程度の目安距離はありますが、やはり山谷に川の事情などにより、宿場までの距離が他の場所よりもある、なんてこともあります。
そのため、次の宿場までの区間が長くなることを「長丁場」と表現したのです。
江戸時代は自動車などありませんから、一部の大名以外は徒歩での移動です。
そのため、次の休憩場所もしくは今夜の宿泊先となる宿場までが通り、「長丁場」な場所はさぞ大変だったでしょうね。
「丁場」には別の表記も
「丁場」の別表記は「町場」や「帳場」などがあります。
そのため「長丁場」を「長町場」と表記しても問題はありません。
とはいえ、「長帳場」と表記することは一般的ではありません。
また、なぜか別表記であるにもかかわらず「長町場」とは表記することは無い模様です。
まとめ
「長丁場」は、物事を進めるのに時間がかかることをあらわした表現の1つです。
「丁場」という、宿場と宿場の間をあらわす単語から来ています。
次の宿場までの距離が長いということをあらわしていた「長丁場」の意味が転じて、現在の用いられ方になりました。
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