「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

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「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

人気テレビドラマシリーズが『科捜研の女 -劇場版-』として映画化されました。数々の事件を解決してきた科捜研チームが、シリーズ史上最難関の事件<世界同時多発不審死事件>に張り巡らされた難解トリックに立ち向かいます。捜査一課の刑事・土門薫として出演している内藤剛志さんに作品についてお話をうかがいました。

<作品概要>
1999年に放送開始したテレビ朝日の人気ドラマシリーズ「科捜研の女」初の劇場版。メガホンをとったのは2009年からテレビシリーズを演出してきた兼﨑涼介監督。脚本はテレビシリーズのメインライターの一人であり、『劇場版 名探偵コナン』シリーズでもその手腕を充分に発揮してきた櫻井武晴。音楽は『リング』(98)など数々の映画音楽を手がけてきた川井憲次が務め、スケール感のある音楽で劇場版の世界観を牽引する。
主人公の榊マリコを演じるのは、20年以上にわたって同役を演じ続けている沢口靖子。本作では、集大成としてワイヤーアクションなどにも果敢にチャレンジした。
内藤剛志や若村麻由美、風間トオル、金田明夫らテレビシリーズのレギュラー陣のほか、シリーズ初の劇場版を彩るゲストとして佐々木蔵之介が出演した。

<あらすじ>
京都・洛北医科大学の研究棟に突如、悲鳴が轟く。発見された白衣の遺体は、ウイルスを研究する女性科学者だった。転落する直前に「助けて、殺される!」と叫んでいたという証言から、榊マリコ(沢口靖子)ら科学捜査研究所と解剖医・風丘教授(若村麻由美)は事件性を疑う。しかし裏付ける証拠は発見されず、不審な点が多く残っていながら転落死として処理されてしまう。
マリコと同じく不審死への疑いを持つ京都府警捜査一課の土門刑事(内藤剛志)は、被害者が通称「ダイエット菌」と呼ばれる細菌の研究について、東京にある帝政大学の微生物学者・加賀野亘(佐々木蔵之介)の元を訪ねていたことを突き止める。さらに被害者と共に加賀野を訪問していた共同研究者の存在を知り行方を追うも、あと一歩のところでその科学者も遺体となって発見される。死因は、またしても転落死。科学者の不可解な連続死に、捜査は混迷を極める。そして時を同じくして世界各国でも、科学者の転落死が相次いでいた。
世界規模で拡がる連続転落死の真相を暴くべく、マリコら科捜研の面々はそれぞれ鑑定に奔走。やがて宇佐見裕也(風間トオル)の鑑定によって、遂に不可解な連続不審死に「ダイエット菌」が関わっている可能性が浮上。疑いの目は、天才科学者・加賀野へと向けられる。しかし、絶対的なアリバイを盾に挑戦的な態度で動じない加賀野に、マリコは為す術がない。現代科学では解明できない最高難度のトリックを前に、マリコは究極の決断を迫られた。

科捜研に関わった人間はみんなファミリー

――「科捜研の女」シリーズは20年以上続く人気テレビドラマシリーズですね。「土門 薫」を俳優人生の半分くらい演じられてきましたが、ご自身にとって土門はどういう存在でしょうか。
正義感があるし、上司に対しても部下に対しても距離感が同じ。シンプルでまじりっけがなく、一筆書きで描いたような力強い男というイメージがあります。自分でいうのも恥ずかしいですが、僕にとっては演じている男であるとともに、そういう男になりたいという理想の男でもある。非常に好きな役です。

「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

――視聴者は「内藤さん=土門」と思っているのではないでしょうか。
僕は基本的には役作りはしません。その気になって演じているだけなので、僕の素の部分がたくさん入っているんです。20年近く一緒に生きてきている男ですから、僕自身もそうでありたいと思って生きてきていますしね。そういう風に見てもらえるのはすごくうれしいですね。

「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

――本作はシリーズ初の劇場版です。これまでもスペシャルドラマは何本も作られてきましたが、映画とテレビの違いはどんなところでしょうか。
科学を使って犯罪を暴いて、犯人を特定するという点は同じだけれど、映画は違うことをやってもいい、いつものルールが変えられるという感じがありましたね。例えば、ドラマは視聴者にチャンネルを変えられないよう、すぐに殺人現場を見せますが、映画はキャストの生活から入っていきます。
また、わざわざ劇場に来ていただいたお客さんに見せるというのは演じていても、無意識のうちに何となくプレッシャーがありました。それはキャストだけでなく、スタッフも同じ。この演技でいいのか、この撮り方でいいのか、この大道具でいいのかと常に考えていたと思います。映画は興行収入という形ではっきり見えてしまいますからね。
映画は僕たちにとってカンフル剤でした。これまでのやり方を見直すきっかけになったし、前向きな感じに取り組んでいました。その空気が映っているといいですね。

「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

――過去のシリーズに出演していたキャストの方々も出演されていますね。
「昔出てくれた人が『アベンジャーズ』みたいに戻ってきてくれましたね」とおっしゃる方がいましたが、僕の中ではみんな、同じ世界に生きています。例えば木島(崎本大海)は本部の中にいるわけですから、どこかで会ったら、からかったりしているでしょう。渡辺いっけいが演じたマリコの元夫・倉橋拓也も異動していきましたが、向こうでがんばっている。レギュラーを卒業してもいつ帰ってきてもいい。科捜研に関わった人間はみんなファミリーなんです。

沢口靖子の熱心な座長ぶりが「科捜研の女」というドラマのイメージの基調

――作品を見ていると色の鮮やかさが印象に残りました。
今回は色に注目して見ていただくと裏テーマとして潜んでいるものが見えてくるのではないかと思います。最初に見えるイチョウの葉は注意信号で、黄色が点滅して紅葉の赤になる。それは僕の勝手な見解で、監督は「違います」と言うかもしれませんけれどね(笑)。
今回、監督はビジュアルにこだわっていきたいとおっしゃっていました。2人でリドリー・スコット監督の話をしたのですが、彼の映画は画一枚さえかっこいい。ストーリーはもちろんだが、画面を見る快感をも目指した映画になってるんじゃないかな。

「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

――脚本では読んでいたけれど、こんな風に撮ったんだと思ったシーンはありましたか。
刑事部長役の金田明夫が、にやっと笑うシーンですね。今回は共演シーンが割とたくさんあるのですが、そのシーンは見ていなかったんです。試写室で見て、「明夫ちゃん、こんなにカッコいいことやっていたんだ!」と思いました。

――「科捜研の女」シリーズが20年も続いたのはなぜだと思いますか。
科学は更新されていきます。昨日、分からなかったことが今日、わかったりする。例えば、20年前と違い、今はDNAが証拠になります。更新されていくところが他のドラマと違い、お客さんにとっても興味が失せない理由だと思います。また、土門に関して言えば、最初は刑事vs科学という敵対する立場でしたが、今は同サイドに立つというように大きく変わっている。登場人物も変化しているのです。
そして科学というクールなものを武器にしながら、最後に犯人や遺族と涙を流すのは必ずマリコです。クールさとエモーショナルな感情が1人の人間の中で混在しているという矛盾も沢口靖子だから成立する。これが不思議に面白い。沢口靖子あっての「科捜研の女」です。

「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

――その沢口さんの座長ぶりについてお聞かせください。
沢口靖子は作品に対して真正面から向き合い、一切手を抜かない。具体的にはセリフは完璧。「てにをは」まで間違わず、何度、テイクを重ねてもブレスも同じ。疲れたと言うのを聞いたことがありません。生真面目、熱心、几帳面。それが沢口靖子の座長ぶり。彼女は作品に対する思いを言葉には出さないけれど、そういった座長の姿から伝わってきます。それが「科捜研の女」というドラマのイメージの基調にもなっています。
これはもう沢口靖子というジャンルです。僕はいい加減で大雑把な人なのでうまくコンビとしてやってこれたのだと思います。

科学捜査モノを作るなら京都以上の街はない

――警察モノは東京で作られることが多いですが、「科捜研の女」は京都が舞台ですね。
都は古いものを大事にするだけでなく、新しいものを取り入れるから都。京都はそういった懐の深さがある。科学も初めは何もわからなかったところからスタートして、積み重ねてきた結果、今がある。古き良きものを捨てたら科学は成立しないと思います。科学捜査モノという表現をするのなら、これ以上の街はないでしょう。
事件モノとして見るのなら、犯人や容疑者は京都の文化を背負っています。例えば仏像の修復師や染色職人といった京都ならではの職業につかれている方が事件に巻き込まれていく。犯行に使われるものもお寺や神社の何かの器であったり、何か書いてあるものであったりする。この特殊性は他の街ではやれません。

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(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

――これからご覧になる方にひとことお願いします。
試写が終わったときに一瞬の静寂があって、それからわーっと拍手が起こりました。キャストとして今やれることの最善のことができたと思います。監督とは長くやってきましたが、いつも面白い企みがあるんです。今回も「こういう風に作ったんだ」と一観客として楽しみました。
また、この作品は今まで20年250本以上やってきた集大成として力のあるものになっています。例えば、映画は音が違いますね。ターボが掛かってエンジンの出力が上がった感じ。音圧や画面の情報量に圧倒され、見たというよりも体験したという感じでした。劇場でご覧いただいたら、楽しめること請け合いです。
(取材・文:ほりきみき)

<プロフィール>

内藤剛志

「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

1955年5月27日生まれ、大阪府出身。映画『ヒポクラテスたち』(80)でデビューし、1982年に『九月の冗談クラブバンド』で映画初主演を務め、亡き仲間を想う主人公・リョウを情感豊かに演じた。映画のみならず、1995年から2001年にかけて、27クール続けて連続ドラマに出演するという日本記録を打ち出し「連ドラの鉄人」と呼ばれるなどテレビドラマでも活躍。主な出演作は、テレビドラマ「家なき子」(94・95/NTV)、「科捜研の女」(99~/EX)、「警視庁強行犯係・樋口顕」(03~/TX)、「警視庁・捜査一課長」(12~/EX)、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(15)、「十津川警部」(17~/TBS)、映画『幻の光』(95)、『ご存知!ふんどし頭巾』(97)、『千と千尋の神隠し』(01/声の出演)、『望郷の鐘-満蒙開拓団の落日-』(15)、『ペット2』(19/声の出演)などがある。

『科捜研の女 -劇場版-』

「映画館で音の迫力を体験して楽しんでほしい」と『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志が語る

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

出演:沢口靖子 内藤剛志 佐々木蔵之介 若村麻由美 風間トオル 渡辺いっけい 小野武彦 戸田菜穂 金田明夫 佐津川愛美
  
監督:兼﨑涼介
脚本:櫻井武晴 
音楽:川井憲次
主題歌/遥海「声」(Sony Music Labels Inc.) 
撮影:朝倉義人(J.S.C.) 
照明:山中秋男 
録音:近藤義兼 
美術:松﨑宙人 
装飾:極並浩史 
編集:米田武朗(J.S.E.) 
音響効果:荒木祥貴 
衣裳:宿女正太 服部典子 
配給:東映
(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会
2021年9月3日公開

映画『科捜研の女 -劇場版-』公式サイト


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