映画黄金時代とコロナ禍のリアル…菅田将暉が感銘を受けた巨匠 山田洋次監督の“今”を無視しない映画作り
1920年から、日本映画史を飾る傑作、ヒット作の製作、配給、興行を続けてきた松竹映画は昨年2020年に100周年を迎えました。そんな松竹映画100 周年を記念した作品となる『キネマの神様』(大ヒット上映中)は、日本映画界を代表する山田洋次監督のもと豪華キャストが集結。撮影の中断など幾多の困難を乗り越えた奇跡の作品として完成しました。
松竹100周年の看板を沢田研二と共に背負う菅田将暉。本作に出演するにあたって「キネマの神様」というまさに「映画人にとってとても大事なタイトルであり、作品」だと企画の段階から感じていたという菅田は、コロナ禍を受けて山田監督によって書き換えられた本作の脚本を目にして、“今”の時代を無視しない山田監督の映画作りに感銘を受けたことを明かしています。松竹映画100周年という節目に、日本映画界を牽引してきた山田監督との撮影を経験した菅田は、山田監督が語る日本映画の黄金時代のリアルと、“今”の映画のリアルの両面を俳優人生の中に刻むことになります。
本作の映画をこよなく愛する主人公ゴウは、沢田研二と菅田の二人一役で現代と過去がそれぞれ演じられる。菅田演じる若き日のゴウは、映画監督になるという夢を追いかけ1950~1960 年代の撮影所で奔走する熱い青年だ。本作で初めて山田組の一員となった菅田は撮影について「全部山田組ならではでした。時間とお金の掛け方はやっぱり山田組ならでは。もともと映画は全部こうだったんだろう、そんな風に感じました」と印象を語りつつ、山田監督がコロナの時代を取り込んだ本作の脚本を読んだときに「(コロナによって)変化してしまったというところもありますけど、映画にすぐさま書き足していった山田さんのそのスピードと感受性というか。山田監督が無視できなかったというのが映画にとって一番事実な気がします」と、本作へかける想いを語ります。
菅田が演じたゴウには日本映画の黄金時代と呼ばれる1950~60 年代ごろを実際に助監督として過ごした山田監督のリアルな記憶が反映されています。そんな映画黄金時代を生きたゴウへ対し菅田は憧れを感じていると言い、「ゴウは僕の中でこうなりたいなという部分が詰まっている男と言うか、ギャンブル好き、お酒好き、女の子好き…。自分の撮りたい映画があって、想像力が豊かで、THE・破滅型アーティストというか(笑)破滅していくんですけど、僕はカメラの前でだけそこにたどり着けるなっていつも思うけど、彼は普段からそうだから」とゴウのキャラクターと自身を「近くはない」と違いを感じながらもひた向きに夢を追いかけるゴウを自身の“なりたい像”なのだと話します。
菅田が憧れを感じつつ演じたゴウが過ごす青春の日々、そして時代を超えてゴウと家族に訪れる“奇跡”はどのような感動をもたらしてくれるのか?スクリーンで輝くゴウの夢と愛に満ちた温かな物語を見届けて。
日本映画界を代表する山田洋次が監督を務めた本作。原作はこれまで数々の文学賞を受賞してきた人気小説家・原田マハ、キャスト陣には、沢田研二・菅田将暉(共にゴウ役)、永野芽郁・宮本信子(共に淑子役)、野田洋次郎・小林稔侍(共にテラシン役)、北川景子(園子役)、寺島しのぶ(歩役)ら豪華俳優陣が丁寧に物語を紡ぐ。“映画”を愛し続け、挫折を味わいながらも夢を追いかけたゴウが時代を越えて織り成す青春と家族のありようが描かれる温かな物語は、この時代を生きる人々にエールを贈る。かつてない苦境に直面しながらも、映画と夢を諦めることのなかった映画を愛する者たちによって完成された奇跡の映画が、日本中を夢と感動に包み込む。
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https://getnews.jp/archives/3068890
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