“人財のための財務諸表”を目指す、シンガポール発の人事分析ツール「パナリット」
より良い意思決定を行うことは、健全な組織運営に欠かせません。テクノロジーの発展により、様々なデータを取得できるようになった現在は、多くの組織で経営・現場・専門部署が同じデータを見ながら、誰もが納得のいく意思決定、より良い意思決定を実現できるようになりました。
今回注目したいのは、組織を成す「ヒト」のデータ活用。シンガポール発の人事分析ツール「パナリット」について紹介します。
人財のための財務諸表、「パナリット」とは?
経営資源として挙げられる「ヒト・モノ・カネ」。カネに関しては財務諸表が、モノについては、各種SaaSが発展したことで、データに基づいた意思決定をしやすくなったと考えられます。しかしながら、ヒトのデータはまだ活用が進んでいるとは言えず、感覚的な意思決定がされている組織が少なくありません。エンゲージメント低下や生産性低迷も、このことが影響しているとされています。
そんな中、2017年、ダニエル J ウェスト氏はパナリットを開発するPanalyt Pte Ltdはをシンガポールで創業。どの企業でも当たり前のように人事データを活用し、より良い意思決定を実現できるようになってほしいとい想いから生まれました。パナリットは「人財のための財務諸表」を目指し、人材マネジメントに関わるあらゆる人が、必要なときに、必要なデータにすぐにアクセスできることで、“働く” をデータから改善するとしています。
人事領域ではここ数年で、各種人事業務の効率化を目的とする SaaS が多数誕生。まだ黎明期ですが、パナリットは 2020年度に経済産業省後援「HRテクノロジー大賞」で部門優秀賞を受賞しています。資金調達を終え、日本に本社機能を移転中
Panalyt Pte Ltdは、この度、D4V、千葉道場ファンド、Headline Asia、および坂部雅之氏をはじめとする複数の個人投資家より約3.3億円の資金調達を完了。
また、同社が注目したのが、組織の意思決定における人事データの有効活用に対する日本市場での成長性。日本にて新設したパナリット・グループ株式会社を親会社とする持株会社体制への移行完了を、2021年8月に予定しています。
同社が今後、どのように事業を展開していくか、注目が集まります。
(文・和泉ゆかり)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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