楽天・田中将大にかつての恩師が指摘「大人のピッチングになったといえばいいが・・・」
意地を見せられるか。23日の西武戦(メットライフ)に先発した楽天・田中将大投手(32)は6回を投げ8安打4失点。味方打線の援護もあり、5月1日のロッテ戦以来となる3勝目、日米通算180勝を記録した。
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試合内容は苦しいものだった。初回に味方が2点を取って援護した直後の1回。一死一塁からプロ1年目の2007年以来となるボークを取られると、栗山に適時打を許す。4回にも味方打線が点を取った後に失点するなど、この日はリズムの悪さが目立った。それでも5、6回は無失点に抑え、7回には楽天打線が田中の粘りの投球に応え、再逆転。試合は6ー4で勝利し、チームの連敗は7で止まった。
降板後は「(連敗が止まったことに)ホッとしたなんてものではない。めちゃくちゃうれしい」と安堵の表情。続けて「ただ自分の投球内容はチームが初回からいい形を作っている中で失点をしてしまい、その後にも失点を繰り返してしまって味方の流れをそいでしまった。自分の投球が邪魔をしてふがいない気持ちでいっぱい。今日は助けてもらって勝てたので気持ちの中では救われた感がすごくある」と勝利投手ながらも反省の弁を口にするしかなかった。
実際に8年ぶりの日本球界復帰となった今シーズン、ここまでは10試合に投げ3勝4敗、防御率3・18(23日現在)と思うように勝ち星が伸びていないのも事実。要因はどこにあるのか。
楽天で首脳陣としてプロ入り直後から田中将の投球を見守ってきた橋上秀樹氏(現BCリーグ・新潟アルビレックス・ベースボールクラブ監督)はこう指摘する。
「(アメリカへ)行く前に比べて圧倒するものがだいぶ影を潜めたというか、いい言い方をすれば大人のピッチングになったという見方、言い方もあるんだろうけど、どうしても行く前の強烈な印象を日本のファンの方は持っているから、そういうところを考えるとちょっと物足りない印象かなとは思う」
日本球界最終年となった2013年は24勝無敗と圧倒的な力を見せつけ、「絶対エース」としてチームを日本一に導いた。パワーピッチャーの印象も強かっただけに、日本球界復帰後の打たせて取るピッチングには物足りない部分もあるという。
一方でそこには田中将がメジャーを生き抜くために身に着けた投球スタイルの違いもあると、理解を示す。
「向こうで成功するにはかわすようなピッチングを覚えないと。圧倒的に160キロ超える(球がある)ワケではないから、よりコントロール、より低めに、ということに磨きをかけないとメジャーではなかなか勝てない。その中で今の投球スタイルになったんだろうから、これは、仕方ないですよね」
そしてこのような投球スタイルが日本の打者に通用しないのは、なぜなのか。その点についても、橋上氏は鋭い考察を示した。
「向こうのバッターほど、日本のバッターは振らないのでかわし切れないというのは正直あると思う。だからどうしても、向こうのバッターなら空振りにするところを日本のバッターはファウルになって、球数が100球前後とかになると勝ち負けつく前に降板せざるをえない状況が現状のこの成績になっているのかなという感じはします」
メジャーの打者は思い切って振りぬくところを日本の打者はコンタクト重視で当てにくる―、このような日米の野球スタイルの違いも球数が多くなることにつながり、自身を苦しくしていると見る。
今後は侍ジャパンの一員として、約1か月後に迫った東京五輪でも活躍が期待されている。田中将は「ファンの皆さんの期待、チームからの期待。そこに応えていくのがプロ野球選手だと思う。その期待に応えられるよう頑張りたい」と強い決意を口にした。自分にかかる期待の大きさは自覚し、応える意志もある。いかに巻き返しをはかるか、注目だ。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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