超痛い!経験者ヤクザは作法を語る!私はこんな方法で「指詰め」しました!
※編集部・注:記事の性質上、暴力的、ショッキングな表現があります。ご注意ください。
どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
ヤクザにとって、金銭や女、シノギの面で失敗してしまったときに通例行事になっているのは、《指詰め》です。
最近ではめっきり少なくなってしまったという、この通称・“エンコ詰め”こと《指詰め》ですが、実は暴対法(暴力団対策法)で、ヤクザ離脱や落とし前の際の指詰め強要は禁止されています。このことは、過去にも同組員に指詰め強要する事件などで、強要罪や傷害罪容疑で逮捕者まで出ているんですね。
今回は、包丁を使っての指詰めはもちろん、ノミを使っての指詰め、冷やす、紐で鬱血させるなど正真正銘の指詰めの作法を、元暴力団員Y氏(56歳)にお話を伺い、解説していこうと思います。
《指詰め》必須アイテムは輪ゴム
丸野(以下、丸)「指詰めって大体、小指っていうイメージがあるんですけど……」
Y氏「切断する指って、小指とか薬指が選ばれることが多いわな。指詰めが少なくなっているのは、半グレならに移籍してからもシノギの邪魔にならんようにや。でも、今も少ないけどあるんやけどな、うん。現場で、エンコ詰めの介添えもしたことあるよ」
丸「介添えですか?」
Y氏「若いヤツとかは、やっぱり指詰めの作法を全然わかってない。それは仕方がないし、詰めるときにはやっぱりビビりよる。そりゃ、親からもらった体やからな。親を裏切り倒して、家飛び出したヤツでもそりゃ怖いやろうし」
丸「泣く人とかいます?」
Y氏「泣きはせんけど、血の気が引いて真っ青になってるヤツは多いな。シャブやってから詰めようとするヤツは熱い風呂に浸からせてシャブ抜きしてから詰めさせる。じゃないと、落とし前にはならんから」
丸「しっかり掟があるんですね」
Y氏「でも指を落とす前には、前もって氷水で冷やしたり、輪ゴムで縛って感覚を失くしておくんやけどな、今まであったものがなくなる恐怖が先に立つんちゃうかな。輪ゴムやタコ糸は必須アイテムやわ。根本縛ってな、5分もすれば、血が溜まって感覚がのうなるから」
丸「Yさんは指詰めしておられないんですね?」
Y氏「落とさへん。俺、ヘタ打ってないもん(笑)」
一度のヘタ打ちで第一関節がなくなる
Y氏「やっぱり根元縛られると、指は鬱血するから色が真っ白か紫色に変わって、感覚があらへんようになる。感覚がなくなったら、まな板とか碁盤の上に手ぇのせて、ザクっといく。5分くらいで全部終わるよ。詰めた指は綿のハンカチに包んだりとかして、オヤジ(親分)に見せて、それからは錠剤のビタミン剤の便に詰めてホルマリン漬け。でも、それは介添えがいての話で第一関節だけを落とすんやけど、1人やったら難しいんちゃうかな。介添え人に切断してもらうんやったら、自分の失う指から目は逸らせるし、一気に終わるやん。でも単独で詰めようとすると簡単やないよね。これから失う指を見つめながら、その指に刃物当ててひと思いに……って思っても、やっぱり“ちゃんとうまくいくかな”と包丁握る手ぇが震えるわね」
丸「指を切断すると、その後はどうするんですか?」
Y氏「指を親分のところとか抗争相手のところとかにいつ持って行くか、落としたあとに病院に行くのか、とか、いろいろとあるよ。病院に行く前に親分のところに持って行けば、“おまえ、アホやろ。早く病院行かんかい”ってなるわな。病院に行って縫ってもらった後に指を持って行くと、大体“なんで先にこっちに持ってこうへんねん”とかなり怒られるし……」
丸「じゃあ、バカみたいですね」
Y氏「そう。ここでは、そのヤクザの資質、覚悟を見られる。せっかく断指で、この部分を間違えると全部ムダになる。だって、指を落とすということの理由は様々。自分自身のミスだけやなくて、過去のヤクザは大切な人や子分のために落とし前をつけたから……」
丸「今では義理人情は過去のものということですか……」
ノミで落とす、裁断機で落とすこともある
Y氏「包丁は面倒、確実に指を落としたいときにはノミや裁断機で落とすこともある。切断するときは、手のひらを表にして、まな板にのせて、一関節部分にノミを当てる。そのまま、木槌で叩いて一気に切断するんよ。あとは、紙の裁断なんかに使う文房具の裁断機を使うこともある。あれやと、体重を乗っけるだけですぐに落とせるから、あんまりゴリゴリしないから早いわね」
丸「ノミですか……」
Y氏「安藤昇のドキュメンタリー映画であるよ、そんなシーン。一気に行くから、すごく飛ぶ。そのあとは、さらしかハンカチでキツく縛ってそのまま病院で縫合やね」
丸「社会復帰するときとか大変そうですね」
Y氏「最近では、精巧にできている人工偽指や精巧なキャップをかぶせたりするよね。どうしても戻したいなら、足の指を移植して神経をつなげる施術もあるんやわ」
丸「足の指? ですか」
Y氏「小指を落とすのは利き手とは逆の場合が多いね。以前であれば、女性問題で落とし前をつけるときは、右手やと言われとったんやけど今はそんなことない。指を落とすのは、小指で関節ごとに3回いける。知り合いのヘタ打ちヤクザは、両手の人差し指と親指しか残ってなかったよ。みんな“バルタン星人”って呼んでた。何かを抓むことくらいしかできないし、ちょいちょい抓めるスナック菓子を食べるのが好きやったね(笑)」
切断した指を飲む組長
丸「でも、瓶詰の指を集めて、なんの解決策になるのか不思議です」
Y氏「俺らは男気とかメンツで食ってるわけやから、根性があるかどうかで判断されるわけ。指がないアニキたちは、すぐに“おい、とりあえずそいつの指持ってこい”ってなりわけよ。自分が経験しているから、大したことないって感じでね。詰めた指は、大体ホルマリン漬けになるけど、それを飲み込む組長もいる。それに飼っていた愛犬のドーベルマンがその指を食べてしまって、“目の前にないから、もう一本落とせ!”って言った組長もいるらしい」
丸「ヒドイな」
Y氏「でも、そんなことはなかなかないよ。瓶詰にしてどこにいったか分からなくなったって指が、リサイクルショップに売ったソファの間から見つかったって話もあるから……。指詰めたから、だからなんだって話」
暴力団員の掟として、有史以来続いてきた“指詰め”。しかし、この文化は今では廃れつつあるといいます。それは暴力団員になったとしても、いいことなどまったくないという現在の暴力団対策法の影響が色濃くあるからだといえます。
《暴力団に入る=シノギすらできない》という構図が出来上がってしまった今、彼らはどこに向かうのでしょうか?
(C)写真AC
(執筆者: 丸野裕行)
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