川崎フロンターレの「即時奪回」はなぜ成功するのか

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川崎フロンターレの「即時奪回」はなぜ成功するのか
鬼木達監督 写真提供:Gettyimages

2021明治安田生命J1リーグで12試合を消化し、10勝2分けと流石の強さを誇る川崎フロンターレ。現在2位の名古屋グランパスエイトよりも1試合多く戦っているとはいえ、鬼木達監督体制5年目の今季も優勝争いの筆頭となっている。

そんな川崎の好調を支えている要因の1つが、ボールを取られた直後の「即時奪回」だ。彼らのようにボールを積極的に保持して相手ゴールに攻め込んでいき、常に最終ラインを高く保つチームにとっては、ボールを保持し続けたりカウンターを防いだりするためのスタンダードとなっているアクションであり、これは「ゲーゲンプレッシング」とも呼ばれている。

「ボール保持→奪われる→即時奪回→ボール保持」を繰り返して、「自分たちのターン」を続けられることが川崎フロンターレの大きな強みではないだろうか。そんな川崎フロンターレの即時奪回が成功し続けている理由について分析していく。

主将DF谷口彰悟 写真提供:Gettyimages

ボールポゼッションによる押し込みとバランス

川崎フロンターレがボールを奪われてもすぐに取り返せる要因の大部分は、ボールを奪い返すときの緻密な連携、、、ではなくてその前の局面、つまりボールを保持している段階にある。

その圧倒的な技術により対戦相手のチームより高いポゼッション率を叩き出すことが多い川崎は、90分の試合の中で多くの時間を敵陣で過ごしている。ハーフタイムに発表された平均ポジションではフィールドプレーヤーのうちセンターバックの選手を除いた8人が敵陣に位置している、なんてこともあったほどだ。

このように相手の陣地に深く押し込むことで、相手がボールを奪ったときの逃げ道となるスペースを狭めることができる。さらに川崎は攻撃中のポジションのバランスが良く、ボールを奪われた時には誰かが必ずプレッシングに行くことができる距離にいることも見逃せない。2019シーズンはポジションチェンジを繰り返したりボール付近に選手が集結するなどして陣形のバランスが乱れて大きなスぺ―スができてしまい、そこを起点にカウンターを受けてしまうこともあったが、翌年には改善されて即時奪回に磨きがかかった。

また、サッカーではボールを持っているチームがゴールを狙える権利を有するため、守備側はある程度受動的になってしまう。それによってポジショニングや切るべきパスコースの調整、ボールを広く回されることによる視野のリセットなどにより、守備を長い時間強いられると脳と体に負荷がかかり疲労が徐々に蓄積される。これが布石となり、川崎の即時奪回の精度を高めている。もちろん、ボールを保持し続けられるのはリーグ屈指の技術の高さがあってこそだが。

FWレアンドロ・ダミアン 写真提供:Gettyimages

速さを重視した即時奪回で「時間」を奪う

次に、川崎のボールを奪われた時の振る舞いについてだが、彼らの即時奪回はパスコースの制限やプレーエリアの制圧などの戦術的な動きよりも、ボールホルダーに寄せる「速さ」を重視しているような印象を受ける。これによって相手はフリーの選手や空いたスペースを見つけるための「時間」を奪われ、適切にボールを運ぶことができず、カウンターに出たり陣形を整えたりすることを満足にさせてもらえなくなる。

また、川崎のゲーゲンプレッシングは非常に組織的なものかと言えばそうでもないので、画面越しに見れば即時奪回をかいくぐれそうなシーンが見受けられるが、ピッチ上の選手からするととてつもない速さで取り返しに来るためにかわすのが極めて難しいのだろう。

さらに、上記で述べた通り川崎はボールを持ち続けることにより脳も体も相手と比較して疲労が溜まりにくいので、ボールを失った直後に寄せるスピードを出来る限り維持しやすくなっており、非常に厄介だ。

川崎の華麗なポゼッションやドリブルだけでなくボールを奪われた後の振る舞いにも注目して観戦すれば、サッカーの楽しみ方がまた1つ増えるはずだ。


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