映画『バイプレイヤーズ』田口トモロヲ・松重豊・光石研・遠藤憲一インタビュー「同じ病棟の入院患者みたいな関係」

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2021年1月より放送されたシリーズ最新作、ドラマ「バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~」では、今までのバイプレイヤーズの規模を大きく越え、若手からベテランまで100人を超えるバイプレイヤーが集結。 そして、本シリーズ初の映画化となる映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』が4月9日(金)より全国公開中です。

本作に「元祖バイプレイヤーズ」として出演しているのが、田口トモロヲさん、松重豊さん、光石研さん、遠藤憲一さん。映画の公開を記念して、この豪華4ショットインタビューが実現! 作品についてお互いについて、お話を伺いました。

――本作、大変楽しく拝見させていただきました! まず映画になると決まった時にはどのようなお気持ちでしたか?

田口:漣さん不在という時点で、映画はもちろん続編にも消極的でした。でも、プロデューサー陣が2年くらいの時間をかけて、僕たちが参加出来るように色々な環境を整えてくれて。今シリーズで「ネクストバイプレイヤーズ」たちにバトンを渡す、という形にしてくれたので。これはもう断れないなと思いました。漣さんはいつも撮影終わった後に「飲みミーティング」に連れていってくれて、漠然と「映画撮れたら良いね」って言っていました。その時に話していた形とは違うけど、こうして映画が出来上がり良かったと思っています。

松重:もともと下北沢の映画館で「6人の男たちフィルムズ」という特集上映をしていただいた事が(20020年、シネマ・下北沢にて)、今につながっているという。その時の中心にいたのが大杉漣さんで、映画はもちろんテレビやCMや色々な場所を経験されていたから、僕たちを育ててくれていて。今は昔ほど映画化されるという事が事件じゃないとは思うのですが、こうして東宝さんという大きな配給会社に映画化してもらって、僕らもクランクインするまでは半信半疑だったんですよ。

光石:本当、こんな高級ホテルで取材させてもらって、狐につままれている気分です。車を降りた瞬間から、何か信じられない気持ちだよね(笑)。

松重:映画が完成してもなんだか不思議な気持ちで、僕らが作ったというよりも、大杉さんが作ってきた土壌があり、色々な人の支えで作り上げてくれたんだなという想いです。

遠藤:大杉さんがいなかったら参加したくないって、俺が一番思ってた気がして。でも、自画自賛するわけじゃないのだけど、普通に話しているだけのように見えて芝居としてまとまっている、というのはこのメンバーだから出来たのかなと改めて思います。出来そうで、なかなか出来るもんじゃないなと。

――その唯一無二の空気感が映画からもすごく伝わってきました。「バイプレイヤーズ」の現場ってすごく楽しそうだなと想像してしまうのですが。

田口:本作の中で僕たちは「元祖バイプレイヤーズ」という言い方をされているのですが、元祖バイプレイヤーズとしては、漣さんの不在って大きいんですよね。1、2と同じような事は出来ないなという想いもありながらやらせていただいて。でも、やっぱり4人で会うと「楽しい」んです。はしゃいじゃうっていうか。時間が空いても、1、2で積み上げた安心感やムードが、会った瞬間に戻ってくる。

松重:『バイプレイヤーズ』の特徴の一つが、実名の役を演じているという所で。観ているお客さんも「本人と本人役」の境目が気になると思うのですけど、僕らも「これ芝居なの?」っていうギリギリの所を演じていくのが、究極の目標だったりするんですね。関係性が出来ているので、カメラがまわった瞬間から始めるのでは無くて、僕らがいる所から何かが始まっているし。そのまま作品に使える部分と外に出せない部分を使い分けたりしていて。

田口:僕の下ネタね。

松重:トモロヲさんが必ず下ネタを入れて、そこがカットラインだなと分かるっていう。その虚実のない混ぜ感が僕らもやっていて楽しいんです。

光石:最初のメンバー6人が、もっと若い時に揃ってこれ(バイプレイヤーズ)をやろうと思ったら色々な事があったと思うんです。50過ぎて集まれたのがすごく良かったんじゃないかと。邪魔せず、節度を持って、品良く演技出来ているんじゃないかって僕は思っていて。

松重:(田口さんを見ながら)品良いですか?

田口:品の良い下ネタなんだよね(笑)。

遠藤:久しぶりに会えて本当楽しかったですね! バカ騒ぎしているうちに終わってしまって。俺、フィリピンのシーンが多かったのでもっと、みんなと一緒のシーンに出しておいてもらえば良かった。本当に日常会話の延長で撮影させてもらっているという感じで、そういう事が出来るメンバーってなかなかいないので。

――映画ではさらに豪華なメンバーも集結していますよね。

田口:おじさんばっかりのシーンでは、昔話と健康の話をずっとしていましたね。

松重:健康とか介護の話して、「お願いします」って銃渡されて、パンパンって打ってまた戻る。みたいな感じだったよね。

光石:若い皆さんが本当にすごいなと思いました。僕が濱田岳君くらいの年齢の時に、60歳前後のおじさんに囲まれたらガチガチに緊張したと思うのですが、全く遜色無く一緒に楽しい事をやって帰っていくっていう。今の若い人たちはすごいなと思いました。皆さん本当に素晴らしいので、注目していただきたいです。

遠藤:フィリピンのシーンで共演した女優さんは、僕が初めて三池崇史監督の映画に出たときにいた女の子だったんです。オーディションを受けて今回の作品に出る事になったそうなのですが、再会してビックリしました。もうすっかり大人になって、演技に対しても厳しい人になっていて。「遠藤、ちょっと早い」「もう少しゆっくり来たら、私涙出すから」とか、彼女の言われたとおりに演技していました。

――こうして、シーズン1からずっと一緒に作品を作り上げてきて、皆さん、お互いにとってどういう存在ですか?

田口:全てだと思います。友人であり、仲間であり、シーズン1・2を共に作り上げてきた戦友です。

松重:俳優っていう仕事は本当特殊な仕事で、それを長年やらせていただいる中での(このメンバーの)関係は「同じ病棟の入院患者」っていう感じですかね。今日も取材でなんか同じ格好しているし。それぞれが1つ何かを抱えていて、どこに向かっているかは分からないのですが、居心地が良くて個室に移らない。そんな仲間です。

光石:30代、40代、50代と長い間俳優をしてきて、色々な場所で会ったり共演したりを繰り返してきた人たちだから。トモロヲさんが言ったよう様に戦友であり友人であり、兄弟の様な感じですよね。

遠藤:このメンバーはどんな状況でも「ウッと言えばアッと言う」。何の打ち合わせも無く共鳴出来る、そんな4人だなと。(大杉)漣さんいないとダメなのかなと思っていたけど、引き継げているなと本作で確信を持てました。

――“バイプレイヤーズブーム”と言っても過言では無い、本シリーズの盛り上がりについては、実感されていますか?

田口:全然、自分たちでは感じませんでしたね。

光石:そうやって色々評価していただいている事も、僕たちの耳には届いていなかったというか。

松重:千葉の海でタイトルバックとか撮影している時に、ギャラリーに地元の方がたくさんいて、その時5人だったから「俺たち“嵐”と間違えられているのかな?」って光石さんに言ったら「俺がニノかな?」って。

光石:冗談だって!(笑)

遠藤:あと「(有村)架純ちゃん可愛いよね」って言ったら、「うん、タイプかな」って。

光石:それも冗談だから!(笑)

松重:とにかくね、光石さんは可愛い担当なんですよ。

――(笑)。松重さんは何担当なのですか?

松重:僕はまとめ役ですね。トモロヲさんは下ネタ担当で…

遠藤:俺は幼稚だからね、おはしゃぎ担当!松ちゃんが段取りを全部決めてくれるんですよ。怒られたこともたくさんあります。待ち合わせ場所を僕とトモロヲさんが間違えて、ぼーっと立ってたら「あそこだって言ったでしょ!」って松ちゃんが。

松重:そういう事なら本書けそうなくらいたくさんありますよ! 話聞いちゃいないんだから。

田口:だってもう耳も聞こえなくなってきてるもんね。

一同:笑い。

――今日は本当に素敵なお話をありがとうございました!

編集後記:『バイプレイヤーズ』の映像を目の前で見ているような、本当に“そのまま”の空気感で行われたこのインタビュー。スーツ姿の4名が部屋に入って来た時は、カッコ良すぎてドキドキしました。
感染症対策防止の為のアクリル板、全員がマスクという状況で記者からの質問が聞き取りづらい中、お互いに「〜〜だってよ」と声をかけあって応えてくださりました。インタビュー時にも飛び出した田口さんの下ネタを掲載出来ずに残念ですが(笑)、お互いへの思いやり、共演者の皆さんへの感謝、そして大杉漣さんへのリスペクトを忘れない皆さんの姿に大感激でした。本当にありがとうございました!

『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』
https://byplayers.jp

撮影:周二郎

(C)2021「映画 バイプレイヤーズ」製作委員会

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藤本エリ

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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