「総務省接待ニュースの『尺』を縮めろ!」自分も”身に覚え”のある民放各社が姑息な作戦
総務省は6日、すべての放送持ち株会社やテレビ局、ラジオ局に対し、放送法で定める外資規制の順守状況を月内に報告するよう要請した。
放送法では、外資の議決権比率が20%以上になった場合、放送局や放送持株会社の認定を取り消さなければならないと規定しているが、フジテレビなどを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスは2012年9月末から14年3月末にかけて、これに抵触していたことが明らかになっている。
これにより、フジの認定が取消となるかは今のところ未知数だが、この問題が放送業界に激震をもたらしているのは間違いない。
「実は、放送各社は2月から『いずれウチがヤリ玉に上がるのではないか』と緊張が走っていました」
民放も「他人事ではない」
こう語るのは、民放の某情報番組の関係者だ。2月と言えば、菅義偉首相の長男・正剛氏が在籍する放送関連会社・東北新社による総務省幹部への接待問題が国会論戦の中心になっていた時期だ。この問題は後に、NTTやNHKにも飛び火した。
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民放のあるプロデューサーは、「放送や通信の許認可を握る総務省は、民放にとっても大事な存在。総務省幹部との会食や接待は、民放にとっても他人事ではない」と話す。また外資規制などを巡っても「インターネットとの競争などもあって事業の再編が繰り返される中で、会社の構造に思わぬ『スキ』が出来ているリスクがどの社にもある。そんな状況では、各局とも総務省接待問題を積極的には触りたくなかったはずだ」と言う。
「とは言え、あれだけ大きな問題になれば、総務省接待問題にまったく触れないのはむしろ不自然だ」と、前出の情報番組関係者は指摘する。「そこで各局の担当者が頭をひねったのが、『総務省関連のニュースの”尺”をいかに短くするか』でした」。
「尺」とはつまり、その番組の中でニュースが扱われる時間の長さのことだ。
「ひとつの番組に、多種多様なニュースを多めに詰め込めば、それだけ一つひとつのニュースの『尺』は短くなる。だから現場では、『何でもいいから、扱えるネタを集めろ!』という雰囲気でしたね」
頭を低くして、嵐が過ぎるのを待つ作戦である。しかし結局、フジの問題に火がついてしまった。果たして他の各社は、どのような火種を抱えているのだろうか。(取材・文◎編集部)
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