今後のアップデートと完成が期待される、注目の制作途中フリーゲーム3選(2021年3月号)

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日々、個性豊かな新作が誕生し続けているフリーゲーム。その中には完成品に限らず、現在制作途上のものもあり、公開後も都度実施されるアップデートで完成に向け、着々と進歩し続けている。

本記事では、そんな制作途上のフリーゲームより注目の3本を紹介。

今回は電子小説、ラン&ガンスタイルのアクションゲーム、RPGから注目の3作をピックアップした。どれも今後のアップデート、完成版登場が期待されるタイトルだ。機会があればぜひ、プレイしてその魅力を確かめてみて欲しい。

目次

  1. かいきみなづき
  2. The Monster Gun’s
  3. COLD INFERNO

かいきみなづき

”レトロな電子小説”『はざまたそがれ』(紹介記事)の作者・夜行小十具氏の新作。今回は”古風で普通な電子小説”を謳うが、基本的な作りは『はざまたそがれ』と一緒。ストーリーを読み進めることに特化した小説(ノベル)となっている。

今回のストーリーは、とある中学校の「超常現象研究部」と呼ばれる男子2名、女子3名の5人で構成される部活動の日常から幕を開ける。ある日、部に日没後の商店街に現れる謎の老婆の噂が寄せられた。部長の秋山芳定(あきやま よしさだ)は、商店街を単独で調査するも成果を得られず、今度は部員全員で老婆探しに当たる。だが、3日に及んだ捜索は成果がなく、ついには夜遅くの商店街に学生が出回っているとの通報があったことから、学校から禁止令が出てしまう。これに対し、部の中で最も若い1年生の水無月玲子(みなづき れいこ)が単独調査に名乗りを上げ、部長から条件付きで承認された末、行動を開始する。普段は無口で近寄りがたい雰囲気の玲子。彼女がこのような行動に出た理由は、5年前の出来事にあった。

以降の展開は実際に見て確かめていただきたいが、今回も怪奇現象に焦点を当てた興味深いストーリーが展開される。特に主人公の玲子の序幕と1話以降の印象の変化が秀逸で、その巧みな描写には唸ること間違いなし。『はざまたそがれ』の売りだった、1話の読了に要する時間が短めで中だるみしにくく、テンポ良く進めていける構成も健在だ。他に懐かしいながらも描き込まれたグラフィック、テキスト表示に工夫を凝らした演出、辞書機能も引き継がれつつ、細かなパワーアップを遂げているのも必見。
執筆時点では全20話の内の序幕+8話が読める。最終的なボリュームは『はざまたそがれ』より若干短くなりそうだが、今回も時間を忘れて読み耽ってしまう魅力的なストーリーが展開されそうだ。同作を楽しんだ人はもちろん、ノベルゲーム好きなら要チェック!

[基本情報]
タイトル:『かいきみなづき』(かいきみなづき 半)
作者:夜行小十具
クリア時間:1時間~1時間半
対応OS:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちら
※ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/24891

※フリーゲーム夢現
https://freegame-mugen.jp/adventure/game_9293.html

The Monster Gun’s

世界の平和を脅かす大魔王を討伐するため、ライフルを装備した主人公が戦いに身を投じる、ファンタジーとミリタリーが融合した横スクロールアクションゲーム。王道のステージクリア方式で進行し、最後に待ち構えるボスを倒すとクリア。また、主人公の武器であるライフルには弾数制限がなく、対応するボタン押しっぱなしで無限に撃ち続けられる仕組みになっている。

その特色から明らかな通り、KONAMIの『魂斗羅(コントラ)』に象徴される「ラン&ガン」スタイルのアクションゲームである。
ただ、本作特有の要素で「オトモ」なるものを実装。いわゆるパートナーキャラクターで、主に援護射撃で主人公の戦いをサポートしてくれる。さらに「オトモ」は計7種類おり、それぞれ固有の能力を所持。執筆時点で公開中の「オープンα版」では1種類しか選べず、そのサポートも比較的普通の援護射撃になっているが、能力によっては各々の個性に見合ったステージ攻略と戦闘が楽しめそうだ。また、主人公の武器はライフルのみだが、ある程度時間が経つと「必殺ショット」が発動可能に。これで厄介な敵を一掃したり、ボスに大きなダメージを与えると言った形勢逆転の一手が打てるようになっている。他にダメージ制が採用されているため、多少ゴリ押しが通りやすくなっているのも特色のひとつ。

しゃがみ撃ちと斜め撃ちが不可能(上撃ちは可能)、操作はキーボードのみでゲームパッドには非対応、雑魚敵が硬いなど、まだ制作途上だけに粗削りな点も多い。ただ、現在同人サークル「デスモフモフ」が開発中の『ネコ人間ユージン』に続く、日本産まれの新作ラン&ガンという点で今後の発展と完成が期待される。
作者のマカロン氏は今後、アップデートを重ねて改良を図っていく旨を表明しているので、興味のある方は本作をダウンロードしてプレイし、感想や意見を送ってみよう。

[基本情報]
タイトル:『The Monster Gun’s』
作者:マカロン(Fill Lab)
クリア時間:10分~20分
対応OS:Windows
価格:無料

ダウンロードはこちら
https://www.freem.ne.jp/win/game/24467

COLD INFERNO

2人の少女が大切な人を奪った帝国に復讐を果たすため、戦う物語を描くロールプレイングゲーム(RPG)。執筆時点で「ゲームアツマール」にてトライアルバージョンが公開中。オープニングのイベントと「訓練場」での戦闘が体験できるようになっている。

オープニング後のストーリーが未実装のため、本編の流れについては不明になっているが、戦闘はタイムプログレス形式を採用したコマンド選択型。チャージタイムゲージが溜まったキャラクターから行動する。

また「アーティファクト」、「サブウェポン」、「ロールチェンジ」なる3つの独自要素を搭載。「アーティファクト」は魔法の力を宿した武器で、これを装備すると武器に備わった「スキル」が使用可能に。さらに使い込むと武器がレベルアップし、性能が強化。併せて武器に備わった「スキル」も、装備の必要なくキャラクターの固有スキルとして使用可能になる。
「サブウェポン」は補助用の武器で、主にメイン武器が通用しない敵に対して効果を発揮。さらに「ロールチェンジ」では、キャラクターの役割、またの表現で職業(クラス)を変更可能。防御力特化のステータスにしたり、魔法系スキルを使えるようにするなど、敵の種類と状況に応じた戦術が取れるようにもなっている。

以上の特徴から分かるように、戦闘重視型のRPGになることを予感させる作りになっている。トライアルバージョンのため、現在体験できるのは雑魚敵と一部の強敵に限られているが、特にボス戦がどう表現されるのか興味をそそる出来だ。ストーリーも日本を元にしたファンタジーという一風変わった設定で、どのような復讐劇が描かれていくのかが気になるところ。本当に触りの部分しか確かめられないが、十分に完成版への期待が高まる出来。主にRPGに戦闘の楽しさを求める人なら要チェックだ。

[基本情報]
タイトル:『COLD INFERNO』
作者:MoLa
クリア時間:30分~1時間
対応OS:Windows
価格:無料
公式サイト:https://mola-world.com/cold-inferno/

※プレイはこちら
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm18392

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もぐらゲームス

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ウェブサイト: http://www.moguragames.com/

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