『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

access_time create folderエンタメ
『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

映画『あのこは貴族』は山内マリコの同名原作の映画化作品。異なる環境で生きる同世代の二人の女性が一人の男性を通して出会い、それぞれの人生を切り開いてく姿を描いたシスターフッドムービー。この映画で主人公となる箱入り娘のお嬢様を演じている門脇麦さんにインタビューをしました。

『あのこは貴族』作品概要

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

『あのこは貴族』

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

主演の門脇麦と水原希子が初共演。二人の女優が『グッド・ストライプス』で新藤兼人賞金賞を受賞した岨手由貴子監督と組んだ最新作が『あのこは貴族』です。箱入り娘の華子を演じるのは門脇麦、地方出身者で自立した美紀を演じるのは、水原希子。華子と美紀が出会うきっかけとなる弁護士の幸一郎役に高良健吾。ほか石橋静河、山下リオなど若手の演技派や、篠原ゆき子、高橋ひとみ、銀粉蝶といったベテランの実力者が共演。
20代から30代、仕事、恋愛、結婚に振り回され、ときには息苦しさも感じながらも、悩みながら前進していく姿を、岨手監督が爽やかに描き出す。

あらすじ

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

『あのこは貴族』

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

榛原華子(門脇麦)は東京の上流階級に生まれた箱入り娘のお嬢様。三姉妹の末っ子として何不自由なく成長し、女性の幸せは結婚だと信じていますが、なかなかうまくいかない。女子高時代の同級生はみんな結婚をしているのに、華子は結婚を焦るあまり恋人に振られてしまう始末……。そんなとき、義兄に紹介された弁護士の青木浩一郎(高良健吾)と出会います。良家のおぼっちゃまらしい紳士的な物腰にうっとりする華子。彼も華子を気に入り、二人は結婚へと進んでいきます。
一方、東京で働く美紀は猛勉強の末に名門大学に入学し、上京して学生生活を送っていたけれど、学費が続かず中退することに。幸一郎とは大学の同期生であったことをきっかけに、別世界に生きる華子と出会います。二人の人生が交錯した時、それぞれの人生が、思いもよらない世界へと開かれていくのです。

門脇麦さんインタビュー

―『あのこは貴族』素晴らしい映画でした!山内マリコさんの原作小説の映画化は3作目ですが、この作品の依頼があった時のことを教えてください。
門脇麦さん(以下、門脇)
私は岨手由貴子監督の『グッド・ストライプス』が好きで、ずっと岨手監督の映画に出たいと思っていたので、声をかけていただき、すごくうれしかったです。岨手監督の魅力に惹かれて出演を決めました。
―華子は箱入り娘のお嬢様ですが、三姉妹の末娘で、両親やお姉さんの圧があったり、結婚への焦りがあったり、序盤はお嬢様らしい葛藤がありますが、華子の役作りについて教えてください。
門脇
お嬢様といってもいろいろなタイプがいると思うので、華子の場合、どういうお嬢様なのかということをまず考えました。自分にとっていちばんフックになったのは、華子が友人の逸子(石橋静河)を介して、初めて美紀と会う場に持参した「おひなさま展」のチケット。自分の恋人と関係があったかもしれない女性と会うときに、母親に言われて、素直におひなさま券を持ってくるところに華子のキャラクターがつまっていると思いました。
自分の意思には目を向けず、親の言うなりに生きてきた女性。家庭環境により、そうせざるをえなかったから、自分の意思は麻痺させていたのかもしれませんが、華子がいかに箱入り娘として育てられてきたかと象徴するシーンだと思います。

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

箱入り娘の華子。衣装選びに積極的に参加して役作りに活かした門脇さん。

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

役作りを助けてくれた華子の衣装選び

―華子の衣装は、門脇さんがこだわりを持って選ばれたそうですね。
門脇
はい。衣装選びはかなり慎重に監督と話し合いを重ねながら決めました。華子はお金持ちのお嬢様ですが、ブランドものを着るタイプではないと思いました。姉のお下がりや、おばあちゃまからプレゼントされたパールのネックレスやバッグを身に付けたりしているのではないかと。最初に選んだのは美紀と会うシーンの衣装で、タートルネック、チェックのスカート、パールのネックレスに決めました。岨手監督とも、衣装だけではなく、シーンについても監督と日々話し合いながら積み重ねていって、華子という人物が出来上がっていったという感じです。
―良家の子女の所作などもあると思うのですが、それも役作りの一環として学ばれたんですか?
門脇
そうですね。所作の先生が撮影現場についてくださったので、外出時にコートをたたむときは、内側を外に向けてたたむなど、マナーを細かく教えていただきました。あとYouTubeで紅茶のマナー講座を見たり、幼稚園から大学一貫の私立出身という、華子と同じ家庭環境で育った女性たちと一緒に食事をする機会を設けました。とても気さくにお話ししつつも、にじみ出る品があるというような、彼女たちの持つ雰囲気を自分の中に取り入れて演技に活かしました。

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

『あのこは貴族』メイキング。門脇さんを演出する岨手監督

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

華子を典型的なお嬢様という女性にしたくなかった

―それにしても、自分の意思を持たずに生きてきた女性を演じるのは難しかったのではないですか? 華子は何の疑いもなく、親のひいたレールの上を歩んでいる女性ですよね。
門脇
今回は本当に難しい役でした。芝居場というか大きな見せ場がある役ではないので。もともと原作でも華子は静の女性なので、それほど深く書かれていないんですね。だから何を考えているのはわからないというか、そもそもあまり深く物事を考えたり選択してこなかった、させてもらえなかった人だとも思うので。
美紀は地方から出てきて、名門大学に通っていたけど中退せざるをえなくなってから、生き方を常に模索している女性なので心情の流れを掴みやすいのですが、華子はそういうのがまったくないんです。そんな華子をこの映画の中でどうやってキャラ立ちさせていくか、きちんと成立させられるかというのは、ずっと課題でした。
―華子に対して、岨手監督はどのような演出をされていましたか?
門脇
岨手監督はアイデアやひらめきがある監督なので、現場で「こういうのやってみましょう」と役を膨らませるために、いろいろ提案してくれました。私も監督も、絶対に典型的なお嬢様にはしたくなかったので、華子を深く掘り下げて、人間味を徐々に出していこうと考え、監督と共に探りながら演じていました。

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

華子の親友・相楽逸子を演じるのは石橋静河さん。彼女もはまり役でした

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

―映画の冒頭、家族が会食をするシーンで、すでに華子が良家の籠の中の鳥で、目立つタイプの女性ではないというのがきちんと伝わってきました。
門脇
あのシーンは撮影が始まったばかりの頃だったんです。すごく長いシーンで、台本5、6ページはあったと思いますが、華子は「はい」しか言わないんです。でも二人のお姉ちゃんに「華子はこうすればいい」とかバーっとまくしたてられるから「もう話さなくてもいいかな」と思ってしまうのも無理はないと思いました。何を言っても姉たちに押し切られてしまうから、流れに身を任せていた方が楽だと思ってしまうんでしょうね。自分自身、いろいろ探っている段階でもあったので、華子の立場がよくわかるシーンを最初の方で撮影できたのは良かったと思います。

美紀は、水原希子さんのはまり役。彼女にしか演じられない

―共演した水原希子さんについて聞かせてください。初共演ですよね。
門脇
初めましてとは思えないくらい、話しやすい方ですぐに打ち解けられました。私は一方的に、かっこよくてファッショナブルで都会的な女性だと思っていたけど、出会ってみてわかったことは、美紀は希子ちゃんにピッタリの役だと言うことです。なぜなら、美紀は一歩一歩、自分の行動をしっかり見つめて実感を得ながら進んできた女性。希子ちゃんも美紀のように、自力で人生を開拓してきた人だと思うので、美紀に近いと思ったんです。

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

美紀役がピッタリだった水原希子さん。美紀の親友・平田里英役は山下リオさん。二人のシーンも印象深い。

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

―幸一郎役の高良健吾さんとは一緒のシーンが多かったですね。いかがでしたか?
門脇
確かに一緒のシーンは多いんですが、お芝居としては、華子と幸一郎の関係そのままのふわっとした感触でした。華子と幸一郎は一緒になりますが、お互いを深く知り合っているわけではありません。素を見せあわない関係なんですよね。そういうお芝居していたら、役の関係性がそのまま高良さんの印象になってしまって……。後半、華子と幸一郎が素の状態で接するシーンがあり、そこでやっと「高良さんとお芝居ができた!」と思えました。

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

幸一郎役は演技派の高良健吾さん。華子と結婚するのですが……。

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

完成した映画を観て、号泣!

―役作りから苦労されたようですが、完成した映画を観た感想は?
門脇
映画を観るまで不安だったんです。やりきった!というシーンがなく、華子が強いキャラクターじゃなかったせいもあって、全体的にふわっとしたまま終わったと思っていました。いつもなら「このシーンがあるから大丈夫だ!」と手応えを感じられる演技があるのですが、今回はそれがなかったんです。
でも完成した『あのこは貴族』を観たら、すごくいい映画になっていて……。自分がその素晴らしい作品に出演していることがうれしくて、泣いてしまいました。本当にこんなにうれしいことはない!ってくらい感動して。大好きな映画です。

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

岨手由貴子監督は脚色も担当した。

©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

―それは良かったですね! 岨手監督とのお仕事で得たものはありますか?
門脇
とにかくアイデアが豊富な監督でした。台本を読んで、「こんな感じかな」と、見通しはつけて演じるんですけど、監督の演出は、予想とは全然違う、180度ひっくり返るようなシーンがたくさんありました。それを体感できたことはよかったし、「私、いま映画をやっている!」と思える瞬間がいくつもありました。そういう現場ってなかなかないので刺激的でしたね。自分の想像できない感情に引っ張られるという、そういうミラクルな瞬間をたくさん経験で来て、とても楽しかったです。

映画『あのこは貴族』で、今よりもっといい自分を発見してほしい

―最後に映画『あのこは貴族』を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
門脇
人は、自分を生まれた場所や育った家庭環境や出身大学などで、カテコライズしがちです。「自分はこういう環境で育った人間だから、〇〇な世界で生きる」とか「自分は大学を出ていないから、○○の道は諦める」とか、自然に武装したり、何もないと諦めたりしてしまうことがあると思うんです。でもいろんな経験や出会いや時の流れが、自分では気づかないうちに、もっといい自分を作り出していると思います。
自分の育った環境に囚われないで、自分を解放してほしい。映画『あのこは貴族』を観終わったあと、みなさんが、もっといい自分を発見してくれたらうれしいです。この映画がそのきっかけを与えられることを願います。

門脇麦(かどわき・むぎ)プロフィール

『あのこは貴族』門脇麦インタビュー!初試写で号泣してしまった涙の理由

『あのこは貴族』門脇麦さん

kaori saito(c)eiga board

1962年、東京生まれ。2011年、TVドラマで女優デビュー。2014年『愛の渦』でヒロインを熱演して注目を集め、キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞など数々の新人賞を受賞。その後、舞台、ドラマ、映画など活躍の場を広げている。主な映画作品『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』(2014)『二重生活』(2016)『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017)『止められるか、俺たちを』(2018)『チワワちゃん』『さよならくちびる』(2019)ほか。

『あのこは貴族』DATA

(2021年2月26日、全国ロードショー)
監督・脚本:岨手由貴子
原作:山内マリコ「あのこは貴族」(集英社文庫刊)
出演: 門脇麦 水原希子 高良健吾 石橋静河 山下リオ 銀粉蝶
©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

 

『あのこは貴族』公式サイト


関連記事リンク(外部サイト)

映画『AWAKE』に出演・馬場ふみかさんインタビュー!「超人見知りな私を変えた20歳のときの出来事」
【日本を代表する女優へ!】長澤まさみの美の軌跡がわかるセクシーギャラリー
【大女優への道】今後が期待されるフレッシュな女優たちを勝手にオーラ診断

access_time create folderエンタメ
local_offer
映画board

映画board

映画に関連するニュースや作品情報、レビュー、キャスト情報、視聴率、ランキング、チケット予約などを掲載している映画メディアサイト。

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

人魚Days
ガジェ通制作ライブ
→ガジェ通制作生放送一覧