「ノリと勢いが良い」「不器用でかわいい」 倒した怪獣に恋されてしまったJKのマンガが新しい扉を拓いた可能性

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姫の戯れで三刀流に挑戦するハメになった宮本武蔵の苦悩を描いた『変剣武蔵』で『少年ハナトユメ』(白泉社)からデビューした魔木さん(@inknoshimi)が、マンガ『怪獣が恋した女子高生』をTwitterで発表。「新しい扉を開いてしまった」「ノリと勢いが良い」といった声が寄せられています。

数年前に突如に日本を襲った怪獣ブラック・ゴア。現在は沈静化して、人々は普段通りの生活を取り戻していますが、「私はこの怪獣に恋“されて”いる」という女子高生。ヒーローとして戦っていた当時、「絶対光線!!」と攻撃されても「マイティスキン」と単純に皮膚が強く、「マイティ背負い投げ」とシンプルに投げて、「この時、怪獣は初めて自分を負かした私の強さに惚れたらしい」と振り返ります。

学校で男子と「今日、放課後遊ばん?」「いーよ!カラオケとかいこっか」「うん…せな前行ったあそこで…」と話していると、ぬっと現れたブラック・ゴアが「盗み聞き」というのに飲み物をブーっと吹き出して男子にかけてしまいます。「てめーついてくる気だな」とキレた女子高生、「うだらあああ」と巨大化はできないものの、超人的なパワーでブラック・ゴアの顎に一撃! 「おー」と感心する同級生をよそに、「またブチギレて殴っちゃった…」と思いますが、ブラック・ゴアはというと……。「きもてぃぃ…」言い出して、「単純にMでは?」という疑いが出てしまいます。

2021年1月下旬より日本で急速にユーザーが増えているiOS用音声SNSアプリ『Clubhouse(クラブハウス)』。マンガ家でも活用するケースが見られはじめていますが、魔木さんが1日でネタ出しからペン入れ、完成までを「Room」で通話しながら投稿まで済ませた作品がこのマンガになります。「ネタだしの過程でラブコメ物に決まり、そこで面白い化学反応が出せそうなモチーフが怪獣、ということで決まりました」という魔木さんは、「怪物・怪獣を描くことに関して、『シン・ウルトラマン』の予告編を見て強く影響された部分があります。ウルトラマン的世界観で違うものを描きたいと思っていました」と語ってくれました。

最後の怪獣のセリフに「めっちゃ笑った」「不器用でかわいい」という声や「新たな地平を拓きましたな」という反応があったほか、『Clubhouse』を視聴していた人からは「案出しから描き上げまでが早すぎます」「どんな話になるかと思いましたけれど面白いです」という感想が寄せられていたこのマンガ。魔木さんは「特にネタ出し段階でルームの方々と話しながら、選択肢を絞っていく過程が盛り上がっていたと感じました。一日で描き上げて感想を即日聞けたのもフィードバックが早くてよかったです」とやってみた感想を語り、「『Clubhouse』などのツールを活用して、マンガをより楽しむ試みが盛り上がればいいな、と思ってます」と話してくれました。

これまで、Twitterなどではイラストレーターなどの間で「60分一本勝負」といったハッシュタグで作品を公開するといったことが目立っていましたが、マンガ家による作業配信により、今回の魔木さんの作品のように作られていく過程を聞くことができるといった楽しみが出てくるのではないでしょうか。

※画像はTwitterより
https://twitter.com/inknoshimi [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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