かぼちゃは、ボウブラ!?地方で異なる呼び名を持つ野菜まとめ
野菜にはひとつの名前しかないというわけではありません。同じ野菜でも、いろいろな呼び名を持つものがあります、今回は、さまざまな名前で呼ばれるかぼちゃ、春菊などの、呼び名や由来を紹介します。
かぼちゃには主に3つの呼び名がある
かぼちゃは、アメリカ大陸原産のウリ科の野菜。コロンブスによってアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰られて世界中に広がりました。日本には、ポルトガル人により16世紀中頃に伝えられました。そのかぼちゃには、南京、ボウブラなどの呼び名があります。
●呼び名の由来
・かぼちゃ
16世紀にカンボジアに寄港したポルトガル船が、大分に漂流した際に持ち込んだことがきっかけ。「カンボジア」がいつの間にかなまって「かぼちゃ」になったといわれています。
・南京
中国の南京に寄稿した日本船から広まったことから「南京」と呼ばれるようになったといわれます。
・ボウブラ
ポルトガル語の「abobora(ウリ科の植物)」に由来するといわれています。富山県の五箇山地方では、ボウブラに似た「ぼべら」と呼ばれます。
春菊は東日本と西日本で呼び名が変わる
「春菊」はキク科の野菜です。菊は秋に咲くのが一般的な中、春に花が咲く菊という意味で「春菊」と呼ばれています。
●地域による呼び名
・春菊
主に東日本で春菊と呼ばれます。
・菊菜
主に西日本では、葉や花の形、香りから菊菜と呼ばれています。
地域で違う春菊の品種
地域によって、栽培される品種に特色があります。
九州・中国地方:大葉系(切り込みが浅く、柔らかくえぐみが少ない)
関西:中葉系(切り込みがあり、香りが強い)
関東以北:小葉系(切り込みが深く、香りが強い)
他にもある、いろいろな野菜の呼び名(※)
菜の花:なばな、シンツミナ、カブレナ
小松菜:冬菜、雪菜、ウグイスナ
ゴーヤ:にがうり、ツルレイシ、ゴーヤー
かぶ:カブラ、スズナ
空芯菜:ヨウサイ、エンサイ
なす:なすび
トマト:赤ナス
レタス:ちしゃ
とうもろこし:とうきび、とうきみ、たかきび、まるきび、ふくろきび、とっきみ
上記は一例です。他にもいろいろな呼び名があります。
最後に
かぼちゃと春菊以外にも、野菜は地域によっていろいろな呼び方があります。あなたの故郷では、なんと呼ばれていましたか?
[かぼちゃ]簡単な切り方と冷凍保存のポイント
甘味があり、子どもにも人気のかぼちゃ。ビタミンAのもととなるβ-カロテンや、ビタミンC、Eが比較的多く含まれています。食用のかぼちゃには大きく分けて「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」があります。現在、流通量が多いのは「栗かぼちゃ」と呼ばれる西洋かぼちゃの一種です。
最終更新:2022.12.21
文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:林タロウ
監修:カゴメ
参考文献:
『食品図鑑』総監修/平 宏和(女子栄養大学出版部)
『新・野菜の便利帳 おいしい編』板木利隆 監修(高橋書店)
出典:
独立行政法人農畜産業振興機構
野菜の需給・価格動向レポート(平成28年10月17日版)「かぼちゃの需給動向」(かぼちゃの由来、呼び名の違い)
業務関連情報「春菊(しゅんぎく)と菊菜(きくな)」(春菊の由来、呼び名の違い)
北陸農政局
今月の園芸特産作物:8月 かぼちゃ(かぼちゃの呼び名「ぼべら」
今月の園芸特産作物:3月 春菊(春菊の種類)
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