「木枯らし一号」が吹くと冬が来る?そもそも木枯らしとはいったいどんなもの?

「木枯らし一号」が吹くと冬が来る?そもそも木枯らしとはいったいどんなもの?

四季折々の季節を持つ日本では、秋の終わりから冬の始まりにかけて吹く北風を「木枯らし」もしくは「木枯らし一号」と呼びます。
これが吹くといよいよ本格的な冬の始まりとされ、秋も終わるということを意味しているとされています。

しかし、そもそも木枯らしとはどんなものなのでしょうか?
ここでは風の呼称の一種である木枯らしについて、どういうものなのかについてご紹介します。

木枯らしとは?

木枯らしとは「凩」とも表記する北風の一種で、日本の太平洋側地域において秋の終わりから冬の始まりの間に吹く風速8m以上の北寄りの風のことを意味します。

これは簡単にいえば、晩秋から初冬にかけて吹く冷たい北風のことです。
この木枯らしは冬型の気圧配置になったことを示す現象であるともされ、その気圧配置が西高東低となっている際に吹く風のことも指します。

特に「木枯らし一号」はよく耳にする言葉で、2020年では11月4日に発表されたことが記憶に新しい人も多いかもしれませんね!

必ず吹くわけではない

木枯らしは毎年必ず吹くわけではありません。
事実、2020年の木枯らしは2017年以降で約3年ぶりとなります。

過去にも数年単位で木枯らしが吹かなかった年があり、必ずしも毎年のように吹いている風なのかというと違ってくるわけです。
なお、条件は東京と大阪でそれぞれ決められており、最低限の条件を満たさない限り、木枯らしとは呼ばれません。

条件は東京と大阪で若干違うものの、最低条件として最大風速8m以上であり、気圧配置が西高東低で、北寄りの冷たい風であることが必要です。
その際に吹く風を一般的に木枯らしと認定して気象庁が発表するわけです。

東京大阪にしかない?

木枯らしは東京・大阪それぞれ別の条件で認定されるのが特徴で、発表されるのは東京(関東地方)と大阪(近畿地方のみ)となっています。

しかし、他の地域に木枯らしという風が存在しないのかというとそうではなくて、単に気象庁が正式に発表するのは東京と大阪だけということです。

実際のところ、気象庁がいつごろから木枯らしに関する発表し始めたのかという点に関しても、正確な記録は残っていません。

木枯らしの語源は?

そもそもなぜ秋から冬にかけて吹く冷たい風のことを木枯らしと呼ぶのでしょうか?

木を枯らすため?

木枯らしはその文字から察して「木を枯らしてしまうからそう呼ばれているの?」と勘違いしてしまう人もいるかもしれません。

確かに木枯らしという言葉自体には、木の葉を落として枯れ木のようにしてしまうほどの風という意味があります。

木枯らしは風速8m以上の強風ということもあり、葉っぱが落ちて枯れ木のようになってしまうとされたところから、こう呼ばれているわけです。
しかし、実際に木枯らしが吹くことで木が枯れるわけではありません。

あくまでも「強風が葉を落としてしまいそうだから」ということに由来している点が重要となります。

木枯らしの類語は?

木枯らしの類義語としては「北風」の他にも「寒風」や「空っ風」などがあり、これらはどれも冷たい風を表す言葉となっています。

日本ではそれぞれの季節ごとに吹く風が違い、秋の終わりから冬の始まりにかけて吹く風はとても冷たいのが特徴です。
もちろん、木枯らしと呼ばれる風は気象庁の条件をクリアしないといけないため、厳密には若干ニュアンスが違ってくることもあります。

そこは注意しておきましょう。

季語として使われる

木枯らしは冬の天文や気象に関する季語とされており、日本古来から続く文化である俳句や短歌においても重宝されている言葉となっています。
事実、木枯らしは過去の名作にも多く用いられている季語であり、あの偉人が詠んだ俳句や短歌の中にも登場しています。

以下、代表的な偉人が遺した名作です。

・松尾芭蕉「木枯らしや 竹に隠れて しづまりぬ」
・芥川龍之介「木がらしや 目刺にのこる 海の色」
・森鴎外「木枯や ひろ野を走る 雲のかげ」

どれも哀愁を帯びた情景を想像させる美しい俳句や短歌とされており、季節が移り行く光景が目の前に浮かんできそうですよね。

まとめ

木枯らしはすでに理解していただけたように、秋の終わりから冬の始まりにかけて吹く風速8m以上かつ西高東低の冷たい風を指します。
ただ、発表されるのは東京と大阪のみであり、その条件なども気象庁が勝手に決めているだけです。

どの地域であっても季節の変わり目、特に秋から冬にかけて吹く風は冷たく、どこか哀愁を感じさせるものとなっています。
2020年はすでに木枯らしが吹いたので、そろそろ秋が終わり冬がやってきます。

ぜひ、外に出てその季節の移り変わりを実感してみましょう!


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