人を責めるのではなく、システムを変えよう

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人を責めるのではなく、システムを変えよう

今回は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

人を責めるのではなく、システムを変えよう

会社の新入社員や若手社員が、何か仕事上のミスを犯したとする。書類の書き方を間違ったとか、メールを送る宛先を間違ったとか、内容はまぁなんでもよい。そんな時、あなたが仮にこのミスを犯した社員の上司や先輩だったとしたら、どのように対処をするだろうか。

こんなときに、「意識が甘い」といってミスを犯した社員を責めたり、説教をしたりするのはあまりうまいやり方ではない。確かに、上司や先輩に説教をされれば、その人は「以後、気をつけます」と答えるだろう。大いに反省しているように見えるかもしれない。しかし、怒られて気分のいい人間はいないから、実際にはあなたに腹を立てているかもしれない。また、いくら気をつけても、人間はミスを犯す生き物なので、また同じようなミスが起きないとも限らない。

このような時は、ミスを犯した人を責めるよりも、なぜミスが起きたかを考えて、ミスが起きにくいようにシステムを変えるほうがよい。例えば、書類の記入ミスがあったとしたならば、それは間違えやすいような内容を書類が含んでいたということである。間違いやすい部分に注意書きを追加するとか、書類そのものをもっと間違えにくい形に変更するといった対処をすれば、同じようなミスが起きる確率はぐんと下がる。間違えた人のせいにするのではなく、間違いやすいようなシステム自体を疑うのだ。人を責めているうちは、まだまだだと思ったほうがいい。

実際に、このようなことができている職場は日本にはあまりないと思う。部下や後輩を怒鳴りつけたり、やたらと説教をしてくる人はどの職場にもいる。日本人の多くは、何か問題が起きた際に、それをシステムのせいではなく、誰かの責任にしてしまわないと気が済まないようだ。

「お前のせいだ」と言って人を責めることはものすごく簡単で、誰にでもできる。しかし、ミスが起きた背景を分析し、二度とミスが起きないようにシステムを変えていくことは、誰にでもできることではない。上司や先輩のような、部下や後輩を導く立場にある人には、本来はこのような力が求められるのだと僕は思う。ミスを犯した人を怒鳴って、恐怖政治のようなやり方で人を動かそうとしているうちは、人の上に立つ資格は無い。

そういう意味で、部下を怒鳴ってばかりの上司は、決して有能ではないと言える。叱責ばかりしている人を見かけたら、可能ならば距離を置くようにしたほうがいいかもしれない。

人を責めてばかりいる人か、二度とミスを犯さないような方法を一緒に考えてくれる人かだったら、どちらと一緒に働きたいとあなたは思うだろうか。もし、部下や後輩がミスを犯して、それを責めたくなった時は、このことをちょっと思い出してみるといいかもしれない。

執筆: この記事は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

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