「うどの大木」の「うど」ってどんな植物?本当に大木になるの??
「うどの大木」は体ばかり大きくて役に立たない人の例えです。
これは由来となっている植物のうどの性質に関係しており、立派に成長してもそれを活かす術がないことが語源となっています。
そこでここでは、「うど」という植物がそもそもどのような植物なのかをご紹介するとともに、「うど」が言葉のように本当に大木になるのかについても解説します。
「うどの大木」の意味と類義語
まず、「うどの大木」の意味、そして類義語と対義語についてご紹介します。
「うどの大木」の意味
「うどの大木」は体ばかり大きくて役に立たない人を意味する例えとなっています。
良い意味ではなく悪い意味で使われる言葉で、見てくれだけは立派な人という趣旨で用いられます。
「うどの大木」の類義語
「うどの大木」意外にも見掛け倒しといった意味合いの言葉がありますので、類似点と併せてご紹介します。
大きな大根辛くなし
「大きな大根辛くなし」は、体は大きいのにどこか抜けている人を比喩した言葉です。
大きな大根ほど見た目とは裏腹に辛くないというところから来ている言葉となっています。
大根は小さいものほど辛いとされています。
大ぶりな品種には辛さがほとんどないものもありますよね。
また大きく成長しすぎると大味になり肝心の味がぼんやりしてしまう事もあります。
大きいし辛いだろうという予想に反しているところを指して「大きな大根辛くなし」という言葉は生まれたとされます。
白豆腐の拍子木
「白豆腐の拍子木」は、見かけ倒しで働かない人や綺麗だけど道具として役に立たないものの例えです。
拍子木は火の用心の掛け声や相撲の呼び出しの際に使われる、叩くと「カンカンッ」と音の出る道具です。
これを豆腐で高地だけ模造すると確かに白く美しいですが全く役に立ちません。
そのため、見てくれだけで役に立たない道具や、働かない人を指して例える際に使われることがあります。
「うどの大木」の対義語
ここまで「うどの大木」の類義語を見てきましたが、逆に対義語はどのようなものがあるのでしょうか。
山椒は小粒でもぴりりと辛い
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」は、体は小さくても意志が強く、才能が詰まっていることの例えで使われる表現です。
非常に辛みの強い山椒の実は一粒一粒は小さいです。
この山椒の特徴から生まれた言葉です。
小さくとも針は飲まれぬ
「小さくとも針は飲まれぬ」は、小さくとも侮れないことの例えです。
どんなに小さなものであっても、針を飲むと体に害があります。
そのことから、小さくても侮れないことなどを表現する際に、このような言葉が使われることがあるのです。
「うど」ってどんな植物?
うどはウコギ科タラノキ属に分類される多年草の植物です。
春に出てくる若芽は食用とされることもある植物となっています。
ここからは、うどとはどういう植物なのか、ことわざ通りに大木になる植物なのかを解説します。
「うど」は木ではなく草
うどはことわざの影響もあり、木だと思われることもありますが、実際のところは草です。
茎が幹のようにも見えることから、小振りな若木に勘違いされることもありますが、あくまでも草です。
春に旬を迎える野菜とされ、食卓に並ぶこともあります。
日本では北海道から九州まで分布しています。
山野の林縁など日当たりがいい場所や半日陰の傾斜のある場所などに自生しています。
海外では中国や韓国などにも自生しています。
うどは生長すると高さが1.5mほどまで伸びます。
場合によっては2mを優に超え、3m以上のサイズになることもあります。
しかし、ここまで成長してしまったうどは食用にはできません。
食用にされるのが専ら若芽だけということから、食用にするには生長しすぎたものは適しません。
1.5mクラスまで成長するとその茎は木のように太く長く大きくなるのですが、木というには柔らかいです。
そのため木材としても使えません。
このうどの特徴から、大きいばかりで役に立たない人を指して「うどの大木」と表現するようになったのです。
「うど」の漢字表記
うどは漢字表記だと「独活」と書きます。
うどは茎が柔らかいため、風がなくとも自重でゆらゆらと動きます。
その様子が、独りでに活動するように見えることから「独活」となったという説があります。
うどという名前もこの動く様子からきており、「うごく」が訛り「うどく」となり、現在の「うど」になったともいわれています。
ちなみに、古名では「土楤(つちたら)」と書きます。
「うど」にも花言葉があります!
うどは実は花を咲かせる植物です。
また、花言葉もあるので、ここからはそんなうどの開花時期や花言葉についてもご紹介します。
うどの開花時期
うどの食べごろは春ですが、開花時期は8月~9月ごろです。
どのような花を咲かせるのかというと、主に茎に密集して小さな淡緑白色の花を無数に咲かせるのが特徴となっています。
決して華やかな美しさはないものの、添えるような美しさがあって気品もあります。
うどの花言葉
そんなうどの花言葉は「おおらか」「淡泊」「忘れてしまった思い出」などです。
「忘れてしまった思い出」という花言葉は、落ち着いた雰囲気の花を見ていると懐かしい記憶を思い出せるからだとされています。
その他、その花の見た目からおおらかや淡泊という花言葉がつけられたとされています。
まとめ
「うどの大木」という言葉には、大きいのに役に立たないという意味が込められています。
これは植物のうどが、立派に育つにも関わらず、柔らかくて建材に使えない上に育ちすぎてもう食用にもできないことが由来となっています。
良い意味ではなく悪い意味で使われることの多い言葉なので、くれぐれも口にする際には注意しましょう!
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