テーマは“幼児虐待”と“擬態”――幽霊画に着想を得た異色スプラッター・ホラー『超擬態人間』10月公開[ホラー通信]

幽霊画に着想を得た異色スプラッター・ホラー『超擬態人間』

社会風刺をまじえたサスペンスやホラーを手掛ける藤井秀剛監督が、“幼児虐待”と“擬態”を題材に描く異色のスプラッター・ホラー『超擬態人間』。新型コロナウイルスの影響で4月の公開が中止となっていたが、10月30日より改めて全国ロードショーされる。

父と幼い息子が深い森の中で目を覚ます。父・風摩は、なぜ自分たちがこんなところにいるのか分からず、何も知らない息子・蓮を理不尽に叱り飛ばす。風摩は我が子を怒鳴りつけるたび、自分が父親から受けていた虐待の記憶がフラッシュバックしていた。一方、結婚を控えたカップルと新婦の父が、式場へ向かうためにその森を通り抜けようとしていた。しかし、車の故障で足止めを食らい、森の中にひっそりと佇む一軒家で助けを待つことになる。さらに、森の中にはナマハゲの格好をした不気味な人間が潜んでいた――。彼らが遭遇するとき、知られざる真実が明らかとなり、予測不可能な怒涛の展開が待ち受ける。

幽霊画に着想を得た異色スプラッター・ホラー『超擬態人間』

ホラーとしてはいささか珍しい本作のテーマは、伊藤晴雨作の幽霊画「怪談乳房榎図」に着想を得たという。三遊亭圓朝の怪談をもとにしたこの幽霊画には、殺されて幽霊となった父親が、滝壺に投げ捨てられた我が子を助け出し、優しく胸に抱きながら憤怒の表情を浮かべる姿が描かれている。

和の趣を散りばめながらも、いわゆる“Jホラー”とは一線を画す独自のテイストを持つ本作は、プチョン、ゆうばりなど国内外の映画祭で上映され、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭2019ではアジア映画部門グランプリを受賞している。

監督の藤井秀剛は、前作『狂覗』がロングランヒット。本作以降もジョシー・ホー主演の日本・香港合作『怨泊~On Paku~』(2020)、青春犯罪サスペンス『半狂乱』(2020)といった新作が控えている。本作で主演を務めた杉山樹志は、撮影直後に他界しており、本作が遺作となった。

『超擬態人間』
2020年10月30日(金) アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、池袋シネマ・ロサ 他 全国ロードショー
http://chogitai.com/

配給:イオンエンターテイメント

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レイナス

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