今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

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日々、個性豊かな新作が誕生し続けているフリーゲーム。その中には完成品に限らず、現在製作途上のものもあり、公開後も都度実施されるアップデートで完成に向け、着々と進歩し続けている。

本記事では、そんな製作途上のフリーゲームより注目の3本を紹介。

今回はアドベンチャー、RPG、シミュレーションRPG(SRPG)の3ジャンルから注目作をピックアップした。いずれも今後のアップデート、完成版の登場が期待されるタイトルだ。ぜひ、機会があればプレイしてその魅力を確かめてみて欲しい。

目次

  1. 道理外レ
  2. Altertum
  3. ガラクタ魔法の使い方。

道理外レ

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

「御世統率機構」。そこは幸だけが満ちる桃源郷と呼ばれていた。そして、道理から外れた者たちにとっての唯一の居場所だった。だが、いつしかその場所は根本から崩れていく。今まで知り得なかった不幸の数々に、大半は恐怖し、自我を見失っていく。しかし、騒乱の最中、それでもいいとある者は悟る。周囲がどうなろうと、2人共に在れるなら構わないと。

ゲーム開発を中心に活動中の同人一次サークル「玄ノ棚」が制作中の和風ダークファンタジーアドベンチャー。桃源郷で幸せな日々を過ごす者たちが、その裏に隠された闇に気付かされ、様々な崩壊を目にしていく様を描く。

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

基本的にテキストを読み進め、ストーリーを追っていくノベルゲームだが、必要なアイテムを求めて複数のエリアを巡り歩く探索・パズル要素も盛り込んだ設計になっている。さらにストーリーの進行に応じて戦闘も発生。RPGのコマンド選択スタイルで、相手の出方を伺いながら攻撃を仕掛けたり、時に逃げ延びることが試される本格的な作りになっている。この要素の存在も踏まえ、ノベルゲームとしては大変珍しい難易度選択機能も搭載。ストーリーに集中したいプレイヤーのための「易しい」からゲーム的な手応えを求めるプレイヤーに向けた「難しい」まで3種類が選べる。

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

この他にも会話から異変を探る「警戒モード」なるシステムもあるなど、ただストーリーを追うだけに留まらぬ複雑な作りをしている。

2020年8月現在、最初の1章を遊べる体験版が公開中。完成は2022年春を予定しており、最終的に14章からなる長編になるようだ。現時点でもシステムの面白さと幸せな一時が壊れていくおぞましいストーリーの一端を存分に堪能できる。重く暗い傾向の展開中心のため人を選ぶが、システムと世界観に惹かれたのならぜひプレイいただきたい1本だ。

[基本情報]
タイトル:『道理外レ』
作者:玄ノ棚
クリア時間:1時間(※現在、1章のみプレイ可能)
対応OS:Windows、Mac
価格:無料
備考:15歳以上対象(暴力、出血表現などあり)

※ダウンロードはこちら
https://www.freem.ne.jp/win/game/19913

Altertum

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

魔法、呪文の存在しないファンタジー世界を舞台にした自由探索型の『RPGツクールXP』製ロールプレイングゲーム(RPG)。作者のブログによれば、2011年から2020年現在まで約9年間に渡って制作が進められている作品。

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

突如、世界各地に出現した魔物のうごめく洞窟へと潜り、内部を探索しながらその謎に迫っていく内容。最大の特徴は高い自由度。ゲーム開始時のチュートリアルを兼ねたクエスト、イベントを終えた後は本題たる洞窟探索に挑むもよし、世界各地を思うがままに巡るもよしのプレイヤーのやりたいように遊べてしまう作りになっている。

日数経過と曜日によってイベント、探索に変化が生じたり、特定のキャラクターが現れる時間の概念もあり、タイミングによっては攻略の流れも一変。また、魔法と呪文が存在しない設定に則り、戦闘では主人公の成長具合、装備した武器・防具類の質が結果を左右。特に武器・防具類は800~900種類と膨大なほか、完成品を組み合わせて強力な武器へとグレードアップさせるのも可能なため、全容を把握するのも困難なほど複雑な展開を描き出す。それぞれを作るのに必要な素材を採取する要素もあり、収集好きのプレイヤーの琴線を刺激。

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

一部要素の説明が簡素など、突き放し気味な所もあってプレイヤーを選ぶが、ハマれば何十時間も楽しめる中毒性と密度を誇る。2020年8月現在のバージョン(ver.0.65.1 α2)でもかなりのボリュームがあり、完成後の規模はどれぐらいになるのかとの期待も抱かせる。自由探索系のフリゲRPGとして名高い『Elona』の影響も垣間見えるなど、同作が好きな人なら見逃せない1本。今後、2020年11~12月頃に完成版がリリース予定。

合わせて作者のブログでは、リリース間近にあるβ1のテストプレイヤーも募集中だ。
興味のある方はこちらのページを参照いただきたい。

[基本情報]
タイトル:『Altertum』
作者:田々 ユウキ
プレイ時間:10~15時間(※ver.0.65.1 α2)
対応OS:Windows
価格:無料

※ダウンロードはこちら
https://www.freem.ne.jp/win/game/22392

ガラクタ魔法の使い方。

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

異世界の大陸「グリムテール」へ飛ばされてきてしまった主人公が、仲間と共に数々の死線を乗り越える物語を描いたシミュレーションRPG(SRPG)。『RPGツクールVX Ace』製で、プレイに当たってはRTPのダウンロードが別途必須。

敵味方が入り混じりながら行動する、「カウント・タイム・バトル(CTB)」方式が特徴のSRPG。「敏捷性」の数値が高いユニットから順番が回ってくる形式で、戦闘マップ上の移動や敵への攻撃などの行動を取りながら勝利条件の達成を目指す。本編は拠点となる村でアイテム、装備類の準備を整え、戦闘マップへと挑むことの繰り返しで進行。村は自由に移動可能なRPG形式で、装備類の着脱も同様の感覚で行う作りになっている。

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

装備は戦闘マップ攻略中でも着脱可能。効果の共通するアクセサリを重ねがけして特定のステータスを上げ、敵へ致命傷を与えるなどの戦術も実践できる。

ただ、装備変更を行うとターンが消費されるため、状況を踏まえて行うことが重要。また、ユニットには方向の概念があり、基本的に後方を突かれると大ダメージを受けてしまう。敵もまた然り。なので、なるべく後ろを突かれないよう位置を調節し、こちらは相手の隙を狙うように動きを誘う……と言った動かし方が勝利のカギを握る。

今後のアップデートと完成が期待される、注目の製作途中フリーゲーム3選(2020年9月号)

このほか、ユニットには男性と女性ごとに使える技、属性に大きな差異があったり、主人公は終始、魔術を使えないので打撃系の技で切り抜けるしかないと言った独特の味付けも凝らされている。

執筆時点では2章までが公開中で、最終的には全8章の長編SRPGになるとのこと。SRPGが好きで、方向の概念、CTB方式のターン制と言ったワードに惹かれたプレイヤーなら要注目の1本だ。

[基本情報]
タイトル:『ガラクタ魔法の使い方。』
作者:siamesehall
プレイ時間:2時間~6時間(※Ver0.1)
対応OS:Windows
価格:無料
備考:RTPのダウンロード必須

ダウンロードはこちら
※ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/22877

※フリーゲーム夢現
https://freegame-mugen.jp/simulation/game_8777.html

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