ラッコと石の深い関係。食事に使うだけじゃないし、決まったお気に入りの石がある

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ラッコと石の深い関係。食事に使うだけじゃないし、決まったお気に入りの石がある

ラッコといえば、石を使って貝を食べるしぐさがかわいいですよね。
実はこの貝を叩くために使う石とラッコには深い関係があるんです。食事に使うのはもちろんですが、ラッコによってお気に入りの決まった石があると言われているんですよ。
ここではラッコと石の深い関係についてまとめてみましょう。

ラッコは石を何のために使うの?

ラッコは道具を使う数少ない動物の1つです。
霊長類以外ではラッコが唯一、とも言われるほどです。
ではラッコは石を何のために使うのでしょうか?

食事に必須な石

ラッコにとって石は食事に必須な道具です。
ラッコはウニ、アワビ、ハマグリ、ホタテなどの2枚貝や、カニ、ナマコ、イカ、タコ、ヒトデ、海藻などを食べます。

固い殻を持つものを好むため、それらを食べる時には餌と一緒に適当な大きさの石を持って水面に上がってきます。
そして、お腹の上に石を置いて、石を叩き台にして貝をガンガンと叩きつけ割ります。

おもりとしても使う

また、ラッコにとって大切な石は貝を叩き割る時以外に、水の中に潜る時にもおもりとしても使われます。
成長したラッコはお気に入りの特定の石を保持していて、潜る際にはお気に入りの石をおもしにします。

ラッコの大切な石の秘密

ラッコにとって生活に欠かせない大切な石の秘密をまとめてみましょう。

どこに石をしまっているの?

ラッコは、それぞれお気に入りの石を持っています。
食事に使う石は、なんでもいいわけではなく、お気に入りを決めたらその石をずっと使い続けるのです。
ではお気に入りの石はどこにしまっているのでしょうか?

ラッコが使う石は岸辺に隠すこともありますが、多くはポケットのような構造になっている脇の下に入れて持ち運んでいるそうです。
ラッコの脇の下には皮膚がたるんだ部分があり、それをポケットのようにして使っています。

このポケットには大切な石の他にも、食べきれなかった貝なども入れておくそうです。
また、岸辺など陸地に石を置く場合にも、置く場所はきちんと決められています。

ラッコにとって石は、人間で言うと「マイ包丁」のような存在ですよね。
ちなみに大切なお気に入りの石をなくしてしまうと、食事も満足にとらなくなるそうです。

生息地によっては石を使わない

ラッコは石を使って餌を食べるというイメージが強いですが、生息地によっては石を使わないラッコもいます。
カリフォルニアラッコは、石を使って貝類を割る行動が確認されています。
それに対しアラスカラッコは、やわらかい獲物を食べることが多いため、石を使って貝類を割ることはほとんどしないとされています。

生息地によって食べる獲物が異なるため、固い殻をもつ貝類を主食とするラッコでは石を使いますが、タコやイカなどを主食とする場合にはあまり使われないのです。

ラッコに関する豆知識

ラッコには私達が知らない習性がいくつもあります。
ここではラッコに関する豆知識をまとめてみましょう。

ラッコは大食漢

ラッコはとにかくよく食べます。
なんと1日に食べる量は、自分の体重の約25~30%と言われているんです。

例えば大きめな体格をした体重40㎏のラッコであれば、1日約10㎏もの食事を摂っているんですよ。
2枚貝で換算すると1日400個も食べていることになります。
大食いチャンピオンもびっくりの量ですよね。

なぜこんなにもたくさんの量を食べなければいけないのでしょうか?
それはラッコには皮下脂肪がないからです。
寒い海に生息するラッコは、体温を保つために摂取したエネルギーをほとんど消費してしまいます。

そのため、脂肪として体に蓄積する余裕がありません。
ラッコは皮下脂肪がないので、体は冷えやすく、たくさん食べないと体温は下がってしまいます。
体温が下がりすぎると、最悪の場合凍死してしまうのです。

ラッコは哺乳類でもっとも毛深い

ラッコは哺乳類の中でもっとも毛深いと言われているほど、体毛密度が高いです。
1㎠あたり10万本以上のやわらかい下毛が密生しています。
これは、人でイメージすると6㎠の皮膚に頭髪すべてが生えているのに相当するほどの密度なんですよ。

ラッコの全身には8億本もの体毛が生えていて、水に潜る時も下毛の間に空気の層ができることで、寒い海の中でも生息できるようになっています。

ラッコのかわいいポーズの理由

ラッコは、手で目を隠したまま、水面を漂ったり、昼寝したりします。
このしぐさがとってもかわいいですよね。

このかわいいポーズには実は理由があるんですよ。
ラッコがリラックスしている時に、短い前足を目の上で休めているのは、冷たい水の中から出しておくためなのです。

ラッコにはびっしりとした密度で体毛が生えていると説明しましたが、掌だけは話が変わり体毛がありません。
ずっと手が水の中にあると体が冷えてしまうので、休んでいる間は極力前足を水の中から出していることが多いそう。

なんともかわいいラッコのポーズにはそんな理由があったんですね。

まとめ

ラッコが貝を食べる時に使う石にはこだわりがあり、お気に入りの石は大切に持ち歩いています。
また石は、貝を割るだけではなく、潜水する時にはおもしとして使うなど、ラッコにとって石は欠かせない道具となっています。

お気に入りの石は仲間に見せびらかすこともあるんだとか。
逆に紛失してしまうと大きなショックを受け、次のお気に入りの石に出会うまで食欲が減退するともいわれています。
それだけラッコにとって石が重要という事ですね。


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