B級フード研究家・野島慎一郎の美味しかったカップ麺 月間ベスト5(2020年7月)

カップ麺やスナック菓子、ファストフードなどのアレンジレシピを研究する“B級フード研究家”としても活動している、ノジーマこと野島慎一郎です。

ガジェット通信ではアレンジレシピを紹介する記事を中心に執筆していますが、普段から研究としてカップ麺を食べる機会が多いため、1か月で食べたカップ麺のなかから個人的に美味しいと感じたカップ麺ベスト5をご紹介します。

新作のカップ麺をすべて食べているわけでもないですし、新旧織り交ぜたあくまでも個人的なランキングとなりますが、皆さまのカップ麺選びの参考になりましたら幸いです。

第5位:日清食品 汁なしどん兵衛 冷しぶっかけうどん

今年はカップ焼きそばの要領で作った後に冷水で麺を冷やす“冷やしカップ麺”がいくつか発売されましたが、その中から「日清の汁なしどん兵衛 冷しぶっかけうどん」を5位に選出しました。

正直なところまだ冷やしカップ麺は発展途上のジャンルだと思います。麺を冷やすのにはどうしても手間がかかりますし、味はめんつゆベースのものばかりで斬新なものはなく、具が少なめで食べごたえにも物足りなさを感じざるを得ません。

しかしそんななかでもどん兵衛の冷しぶっかけうどんはかやくを食感重視に振り切っているのが素晴らしく、てんかすとゴマのザクザクとした食感が最後まで続くので食べていて飽きがきにくいように感じました。

少量ですがわかめの存在もいいアクセントになってますし、つゆの味と麺の質感はさすがのどん兵衛クオリティ。現時点での冷やしカップ麺業界のチャンピオンはこれかなと思います!

第4位:ベイシア 野菜をたっぷり味わう焼きそば 上海オイスター風

全国に展開していないスーパーのオリジナル品で恐縮なのですが、4位には群馬県を拠点に関東地方や中部地方などに展開しているスーパー「ベイシア」の「野菜をたっぷり味わう焼きそば 上海オイスター風」を選びました。

こちらを製造しているのは大黒食品工業で、店頭での販売価格は100円程度でした。安い!

3分の1日分の野菜が摂れることをコンセプトにしているだけあって野菜はかなり多めに入っていますが、肉類はゼロ。100円程度の価格帯なのでこれは仕方がないでしょう。

ソースを混ぜるとオイスターソースのいい香りが広がってくるのですが、いざ食べてみるとキャベツの甘味が引き立っていてすごくおいしい。オイスターソースが完全に裏方に回り、素材の潜在能力を引き出してあげている感じ。

本当にこれで3分の1日分の野菜を摂取できているのかはわかりませんが、野菜をモリモリ食べるという満足感をカップ焼きそばで得られるのは素晴らしい!

野菜が多いせいか、モタモタ食べてるとソースが水っぽくなってくるような感覚があったのは惜しいところ。

第3位:東洋水産 マルちゃん QTTA裏 チリペッパーカレー味

3位にはマルちゃんQTTAの裏メニュー品「QTTA裏 チリペッパーカレー味」を選出しました。

これはざっくりいうと辛口のカレーラーメンなのですが、最近次から次へと発売されている激辛カップ麺とは違い、あまり暴力的ではなくお行儀のいい辛口。胃腸にダメージがくるような感覚はほとんどなく、適度に気持ちよく汗を流せる味にまとめられています。

カレー味のカップ麺といえば日清食品のカップヌードルカレーのイメージが圧倒的に強いですが、このマルちゃんQTTAもベースとなっているカレー味がめちゃくちゃしっかりしていて、ネギなどを入れてほんのり和風に寄せてきているところも素敵。

カップヌードルカレーと比べると麺にも弾力がありますし、「どうせカレーヌードルの劣化版だろ?」なんて思っている人は多そうな気がしますがとんでもない。カップヌードルカレーを凌ぐポテンシャルを秘めたカップ麺だと思いますよ。

最後は細かい具がスープの底に残りがちなので、胃袋のキャパに余裕があれば最後にごはんを投入して一滴残らず食べてしまいたい!

第2位:寿がきや 富山ブラック風油そば

上位2品の選出は本当にギリギリまで悩みましたが、寿がきやの「富山ブラック風油そば」を2位に選びました!

富山県のご当地ラーメン「富山ブラック」を油そばにアレンジした一品なのですが、これがもう清々しいほどに頭の悪いカップ麺だったのです(一応褒めてます)。

とにかくヤバかったのは「あとのせかやく」だったのですが……

小袋を開封すると中から出てきたのは超大量の粗挽きブラックペッパー! おい! この量はいくらなんでもやりすぎだろ!!

食べてみるとこれまた実に品のない味をしているのですが(一応褒めてます)、醤油のタレも大量のブラックペッパーもやりすぎ感はあまりなく、調味料の尖った部分をこれまた大量の背脂でやさしくコーティングしている印象。間違いなくやりすぎなんだけど納得できる、ものすごく突き抜けたところでバランスの取れた味をしているのです。

最近はかやくを超大量に増やしたり、おいしさ度外視で辛さやニンニクなどを入れまくったりと明らかにインパクト先行で企画されたカップ麺がたくさんありますが、寿がきやの「富山ブラック風油そば」はちゃんとおいしさを表現するために極端なことをしているというのが最高。

極端さゆえに好き嫌いは絶対に激しく分かれる一品だと思いますが、個人的には全力でスタンディングオベーションしたいカップ麺でした。

第1位:ローソンセレクト コク旨担々麺

2020年7月の1位はローソンセレクトの「コク旨担々麺」に決定!

こちらは日清食品が製造しているとはいえ、「コンビニのオリジナル品でここまで完成度の高いカップラーメンが出てきたか!」と驚かされた一品です。

全粒粉入りノンフライ麺は細麺で重さも40gと少なめなのですが、麺量の物足りなさを一切感じさせないほどのスープの完成度! “コク旨”の看板に偽りなく、ゴマの風味が強くてクリーミーなのに辛さもなかなか強く、味のバランスが素晴らしく整っているのです。

それでいてかやくもシャキシャキ食感のチンゲン菜や、日清らしさが感じられる“謎肉”っぽいミンチ肉などが存在感を発揮し、麺も濃厚コク旨なスープに一切負けずに口の中で小麦の風味を解き放ってきます。コシもしっかり強くてツルツル!

具と麺に食べごたえがあるうえ、スープも飲み干したくなっちゃう完成度なので、食べ終えると量は少ないはずなのにお腹がちゃんと満たされた気になれました。大満足の一杯です!

とはいえ実際には量が少ないことは間違いないので、きっとすぐにお腹がすいてきてしまうと思います。ちゃんと量的にもお腹を満たしたかったらこれも最後にご飯を入れても絶対にウマいですし、なんならこれを2個食いしてしまうのも最高かと!

総括

以上が7月に食べたカップ麺の個人的なトップ5となるのですが、結果的に1位のローソンセレクト、4位のベイシアとスーパーやコンビニのオリジナル品に高評価なものが多くなりました。

トップ5からは悩んだ末に外しましたが、ローソンセレクトの味噌ラーメンもかなり優秀でしたし、スーパーやコンビニのプライベートブランドは安いだけでおいしくはないという先入観を持っていたらもったいない時代になってきましたね。

それではまた9月上旬頃に8月のランキングを発表したいと思います。どうぞお楽しみに!

(執筆者: ノジーマ)

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