なぜ…4人の子どもを育て上げた母親が万引き 独立した子どもたちも知らなかった秘密

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なぜ…4人の子どもを育て上げた母親が万引き 独立した子どもたちも知らなかった秘密

清田秋江(仮名、裁判当時63歳)には、平成17年から18年の間に複数回万引きで謙虚された前歴がありました。夫と離婚し、女手一つで4人の子供を育てていく中で経済的に困窮して万引きをしてしまったのです。

「あの時は子供の制服やカバン代、それに修学旅行代も払わないといけなくなって生活が厳しすぎて万引きしました」

過ちはあったものの、それから10年以上経ち子供たちは独立して家を出ました。彼女自身はと言うと、生活保護を受けながら家賃28000円のアパートで一人暮らしをしていました。

そんな彼女が再び万引きで捕まりました。

関連記事:高級食パンが評判のパン屋には万引き癖が… コロナ禍で大打撃を受ける今、彼は衝動を抑えられるのか?|裁判傍聴

食品スーパーで豚肉や卵など5点、販売価格合計1357円をショルダーバッグに隠して精算を済ませることなく店を出たところを私服警備員に現行犯逮捕されたのです。この時、彼女の所持金は1344円でした。

母親が逮捕されたという連絡を受けて身元引き受けのために警察署にやって来た次男は、そこではじめて母親がどういう状況で暮らしていたかを知らされました。

生活保護費の受給日まで1週間以上あるにもかかわらず彼女の家の冷蔵庫には食べ物は何もありませんでした。口座にはお金がなく、犯行時に持っていた1344円が全財産でした。洗濯機は壊れていて動きません。さらに家賃も払えず滞納していると聞かされました。

彼女は犯行動機について、

「外食も娯楽も一切せずに倹約してやってましたけど、お金が足りなくなって、やってしまいました」

と話しています。

このような生活をしていれば、贅沢はできないにせよ生活保護費できちんと生活はしていけるはずです。

彼女の生活を破綻させた原因、それは長男の存在でした。

参考記事:「ホームレスの方がマシ」 施設を飛び出し、万引きで逮捕 男が裁判で語った生活保護施設の実態とは?

「しばらく前から、家を出てた長男が時々家に来るようになりました。それで『お金をくれ』って言われました。可哀想に思って断りきれなくてお金を渡しました。来るたびに3000円ぐらい渡してました」

1回に渡す金額は3000円ですが、長男は何度も彼女の家を訪ねてきました。そしてそのたびに金をせびりました。月に3、4万円は渡していたようです。

いくら切り詰めていたと言っても生活保護で生活していた彼女に余裕などあるはずもありません。

「何回か『サラ金を一緒に借りてくれ』と頼まれたこともありました。名義を貸したこともありました」

と、このようなことも言われていました。裁判を受けていた時点ではサラ金業者からの連絡はなかったようですが、今後それがないとも限りません。

この長男がどこに住んでどのような生活をしているかは家族の誰も知りません。連絡先さえもわかりません。

証人として出廷し彼女の監督を約束していた次男が、裁判前に1度だけ長男と会えたそうです。次男はそこで彼女の状況などを伝えました。それを聞いて長男はこのようにいい放ちました。

「俺は悪くない」

それからずっと長男は音信不通です。

次男も詳細はわからないと言っていましたが、長男が母親に金をせびるほどに困っていたのはどうもギャンブルが原因のようです。

長男が母親の状況も顧みず頼り切りになっていたのと裏腹に、彼女は誰かに頼るということができないタイプの人でした。

過去の万引きも困窮していたことを誰にも相談できず悩みを抱えこんだ末での犯行でした。

「次男や娘たちにはお金の相談はできませんでした。それぞれの生活もあるし悪いかな、って思って…」

「みんな仕事で忙しいだろうなって思ったし、迷惑をかけたくなくて…」

長男の金の無心に対しては「可哀想だから」と断れず、自分が困っていても「迷惑をかけたくない」と抱え込む彼女は、ある意味ではとても優しい人なのだと思います。その優しさは彼女に罪を犯させました。

万引きはもちろん罪ですが、

「母の状況も知らず、支えてあげられなかったことに後悔しかありません。今まで母から何も相談を受けたことはありません」

このような言葉を子供に言わせてしまうことがもっとも大きな罪だと思えてなりません。(取材・文◎鈴木孔明)

あわせて読む:「お金がない…」を理由に犯罪に走る老人の裁判は毎日のように行われている “明日、死ぬかもしれない”という人々に虚しく響く裁きの声


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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

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