日銀はなぜ大量にETFとREITを買っているの? 買い続けて大丈夫?

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日本銀行(日銀)は、国が発行する債券(国債)だけでなく、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)も買い入れ、運用しています。ETFやREITの購入金額は年々増加。2020年3月16日の金融政策決定会合で日銀はETFの買い入れ額をこれまでの6兆円から12兆円を上限に増額することを発表しています。
なぜ日銀は、これほどまでに大量のETFやREITを買っているのでしょうか。そしてこのまま、買い続けても大丈夫なのでしょうか。

日銀の目的は「物価の安定」と「金融システムの安定」

日銀は、日本の金融の中心的な役割を担う中央銀行です。
私たちが日銀にお金を預けたい、お金を借りたいといっても、預けたり借りたりすることはできません。そのかわり日銀は、次の3つの役割を果たしています。

1.紙幣の発行

日本で紙幣を発行できるのは、日銀だけです。
日銀は、世の中のお金の流通量を増減させて、景気や物価をコントロールしようとします。

2.政府の銀行

日銀には、政府の口座があります。ここで、政府が発行した国債で集めたお金や、国民から徴収したお金などを預かっています。
そして、公共事業の費用や公務員の給与などのお金を出しています。

3.銀行の銀行

日銀は、私たちが普段利用している銀行の預金の一部を預かったり、銀行にお金を貸し出したりしています。
こうすることで、銀行の取引を円滑にしています。

日銀は、これらの3つの役割を果たすことで、「物価の安定」を図ることと、「金融システムの安定」に貢献することを目的にしています。物価が激しく上がったり下がったりしては、生活しにくいでしょう。
また、お金の受け払いや貸し借りを行うシステムが不安定だと、安心して銀行などを使えなくなってしまいます。日銀は、こうした問題を防ぐために、金融政策を行なっているのです。

ETF・REITの買い入れが始まった経緯

日銀のETF・REITの買い入れは、2010年10月の金融政策決定会合で金融緩和政策のひとつとして発表されました。そして同年12月からは買い入れがスタートしています。
金融緩和政策とは、景気がよくないときにお金の流通量を増やしてお金を借りやすくすることで、景気回復を狙う政策です。

金融緩和政策の存在感が一段と増したのは、2013年4月に発表された量的・質的金融緩和です。市場に投入する資金を2年間で2倍にし、ETFは年1兆円、REITは年300億円ずつ買い入れていくことを決めたのです。
日銀の黒田東彦総裁が「異次元の金融緩和」と呼ぶほどの、大規模な金融緩和でした。

日銀によるETF買い入れ額(2010年〜)


出典:日本銀行「指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果ならびにETFの貸付結果」 より筆者作成

これほどの金融緩和を行う理由は、長らく続くデフレ(デフレーション)からの脱却を目指したからです。デフレは、モノやサービスの価格が下がることをいいます。
一見、消費者としてはよさそうですが、デフレ下でモノやサービスの価格が下がると企業収益が下がり、給料が下がり、物が売れなくなり、また価格が下がる…というデフレスパイラルに陥ってしまいます。
こうなると、景気回復が遠のいてしまいます。

景気悪化を防ぐためには、デフレの流れを断ち切り、インフレ(インフレーション)を前提とする社会を構築する必要があります。インフレだと、物価は上昇しますが、それによって企業収益が上がり、給料が上がり、物が売れる…という好循環を期待したのです。そこで政府は日銀とタッグを組んで大規模な金融緩和を行った、というわけです。
インフレ率の目標は年2%。このくらいの緩やかなインフレならば、経済に好影響だと考えたのです。

当初日銀は、インフレ率の目標は2年で達成できると主張していました。しかし、思惑に反してインフレ率はなかなか上がっていきません。

そこで、日銀は購入する国債・ETF・REITの金額を数度にわたり引き上げました。それと同時に、日銀にある銀行預金の一部の金利をマイナスにする「マイナス金利政策」も導入しました。
マイナス金利の状況下では、銀行は日銀にお金を預けると損になってしまいます。そのため、そのお金を他で貸し出してもらうように仕向けたのです。

さて、ここまで徹底して金融緩和を行いましたが、これでもインフレ率2%は達成できていません。今後の見通しも、2020年4月の金融政策決定会合の「展望レポート」では、2022年度の消費者物価指数(コアCPI)の予想が+0.7%と示されています。
日銀では少なくとも2022年度までにインフレ率2%の達成は難しいと見ていることがわかります。

NEXT:「日銀はなぜETFやREITを買い入れ続けるのか?」


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