【タンブルウィード】西部劇で見かけるコロコロ転がるあの草って・・・いったいなに?

【タンブルウィード】西部劇で見かけるコロコロ転がるあの草って・・・いったいなに?

みなさんは「タンブルウィード」というものをご存知ですか?西部劇の映画などに出てくるコロコロとした謎の草のことです。

見たことあるけど、あれってゴミとかじゃないの?と思う人もいるかもしれませんが、実際あのようにコロコロ転がる植物があるようです。

今回は、「タンブルウィード」と呼ばれる奇妙な物体についてご紹介します!

転がる草の正体、タンブルウィード

タンブルウィードは、西部劇の映画などによく登場する”枯草の塊”です。一体どのようなものなのか解説しますね。

タンブルウィードとは

タンブルウィードとは、夏が終わる頃になると枯れてちぎれ、ふわふわした軽い球状の枯草となった植物のことを意味します。

風に吹かれながら転がる植物のことを総じて「タンブルウィード」と呼びます。

タンブルは英語でtumble、「転がる」という意味があります。ウィードはweedと書いて「草」、特に「雑草」を指します。

その2つの単語を合わせて、tumble weed。つまり、見た目通り「転がる草」という意味です。

ちなみにタンブルウィードは、ある特定の植物の名前ではありません。草が球状になって転がっているもの、もしくは球状になる植物を指す呼び方です。

乾燥地に多いタンブルウィード

タンブルウィードとなる植物の多くは、荒野など乾燥地帯で育ちます。

人口建築物が少ない場所に現れるタンブルウィードの場合、始めはそれこそ荒野が舞台となる西部劇などで見かけるような、足元に転がっているほんの小さなものです。

そして街まで移動してきたころには他のタンブルウィードがまとまり合い、2m近くの大きさになることもあるそうです。

タンブルウィードが転がる理由

タンブルウィードがなぜ転がるのかというと、これは繁殖のためではないかと考えられています。

一見ただの枯草の集合体のように見えますが、実は種子が付いており、転がることで種を拡散させているようです。

タンポポの種子が風に飛ばされるのと同じで、タンブルウィードも風で転がることでより広範囲に分布域を広げることができるわけです。

これは植物の生存競争においてはとても有利なことでもあります。

ただ風によって転がされているだけなのでは?という意見もありますが、植物の観点からみると彼らなりの生存戦略とも言えるわけですね。

タンブルウィードといわれる植物

タンブルウィードは特定の植物の名前ではなく、様々な植物がタンブルウィードになるというのは前述のとおりです。

数多くある中でも代表的なタンブルウィードになる植物が、「ロシアアザミ」という植物です。

西部劇で見られるようなタンブルウィードの多くが、このロシアアザミみたいです。

ちなみにロシアアザミはヒユ科オカヒジキ属に分類される植物で、ロシアと中国などのユーラシア大陸が原産となっています。

西部劇のイメージが付いたことにより、アメリカの植物としての印象が強いですが、もともとはアメリカに自生していない外来種です。

19世紀ごろにアメリカ大陸に入ってきたと考えられており、近年ではアメリカの一部で栽培されていることもあります。

また、他にもヒガンバナ科やキク科、アブラナ科、マメ科、シソ科などの植物がタンブルウィードになることがあります。

災害の原因ともなるタンブルウィード

荒野が広がるアメリカとオーストラリアなどでは、たまにタンブルウィードが大量発生して災害の原因となってしまうこともあるそうです。

ふわふわしていて一見無害に思えるタンブルウィードですが、実はかなり厄介な存在でもあるようです。

街中をタンブルウィードが襲うことも

タンブルウィードは数年に一度の割合で大量発生することがあり、溢れたタンブルウィードが周辺の街に押し寄せることもあります。

あくまでも植物なので人間を直接襲うことはありませんが、大量発生したタンブルウィードは市民に頭を抱えさせることもあるそうです。

特に1m以上もあるタンブルウィードが住宅街に大量に流れついてくると、建物に密集してしまい住民の生活に迷惑をかけることも。

大量発生したタンブルウィードは、ある種では災害とも言えるかもしれませんね。

事実、大量のタンブルウィードが積み重なることで、複数の家が枯草によってに埋もれてしまうなんて被害もあるそうで、なかなか厄介な存在です。

大繁殖したタンブルウィードは危険!

タンブルウィードはそのままだと特に無害なのですが、大量発生すると自動車のドライバーの不意を突いて交通事故を起こすこともあり、相当危険です。

走行している自動車の前に現れて視界を覆ってしまうこともあれば、タイヤやホイールなどに絡まって事故を誘発してしまうこともあります。

大量発生した時期には自動車の定期的な点検を行うことが必要となる他、荒野を走行する際は常に気を抜けない状態が続くわけです。

その点でも、タンブルウィードは厄介だと言えますね。タンブルウィードの大量発生は災害に近いかもしれません。

まとめ

西部劇の映画などで見かける、枯草の塊を「タンブルウィード」といいます。

意味はそのまま「転がる草」であり、転がっていった先まで種子を広げることが目的と考えられています。

主にロシアアザミをはじめとしたいくつもの植物が、タンブルウィードになります。

アメリカやオーストラリアなど荒野が多い地域では災害の原因ともなっているため、実は意外と厄介な存在だったりします。

みなさんも夏の終わりに、海外旅行でドライブする際にはタンブルウィードの大量発生にご注意くださいね。


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