崎山つばさが主題歌に込めた想いとは?舞台の見どころも!『死神遣いの事件帖』インタビュー

映画と舞台を完全連動させるプロジェクト【東映ムビ×ステ】の新作、映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲(くぐつやきょく)-』が劇場公開中、7月23日より開幕する舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲(ちんこんきょうきょく)-』 にも引き続き出演する崎山つばささんのインタビューをお届けします。

映画は、江戸を舞台に“死神遣い”の探偵・久坂幻士郎(鈴木拡樹)が、契約している死神・十蘭(安井謙太郎)と共に舞い込む依頼を解決していく物語。そして7月・8月に上演される舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』では、崎山つばささん演じる侠客・庄司新之助が主人公となり、死神・十蘭とバディを組みます。

また、崎山さんは映画の主題歌も担当。主題歌に込めた思いや、気になる舞台の見どころまでお話を伺いました!

「兄貴と呼ばれる人間になろうと頑張っています(笑)」

――今回オリジナル作品ということで、演じられる役柄について教えてください。

崎山:僕が演じる庄司新之助という役は、映画だと吉原遊廓の惣名主の息子ということで、一見肩書きだけ見ると、お坊ちゃんみたいな感じに思えるのですが、まったくそうではなく。侠客のリーダーで兄貴と慕われていて、町で起こる悪事などを許せずになんとか自分で解決したいと思っている、その時代で言うと“かぶき者”の役です。性格的には無鉄砲だけれど、仲間思いだったり、姉に対する思いは人情味があって、すごく人間的な部分もある魅力的な人だなと思っています。

――演じる上で意識したことや心がけたことは?

崎山:僕の中に庄司新之助というスパイスはあまりなくて。僕は兄貴肌じゃないんですよ(笑)。どちらかというと、「ついてこい」と引っ張るタイプじゃなくて、ちょっと離れて見てる、みたいな感じなんです。でもそれが逆に、演じていて自分の中でも新しかったです。良い意味で僕の中にないギアが見つけられたというか、演じていてもすごく楽しいですし、現場は初めましての方も多いですけど、なるべくコミュニケーションをとりながら、なんとか兄貴と呼ばれる人間になろうと頑張っています(笑)。

――舞台『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助などもそうでしたが、個人的には崎山さんは熱血漢ぽい役がとても似合うなと思いますよ。

崎山:本当ですか? ありがとうございます。自分の中では無理はしていないですけど、違う人物という感覚ですね。

――柴﨑貴行監督から受けたディレクションはありますか?

崎山:侠客のメンバーは、チームとしていつも一緒にいるようなワチャワチャ感というのをすごく大切にされていて。だから、撮影でも「もう少し元気な感じで、よりもう一歩深く関係性を作ってもらえたら」と言われました。現場では、監督含め、侠客のメンバーとずっと話したりもして。監督と僕は初めましてだったんですけど、侠客のメンバーで何回かお仕事されている方もいて、すごく和気あいあいと過ごせました。

――映画では殺陣も多かったですが、映像ならではで苦労した部分は?

崎山:何回も同じ殺陣をするんですよね。この角度、この角度っていうのがあって。舞台と違って稽古ができないので、その場で順応していかなきゃいけないと感じました。

――映像作品で刀を使った殺陣をするのは初めてですか?

崎山:今までアクションはあるんですけど、刀はなかったですね。しかも、新之助が使うのは小刀なので、握り方が逆手にもできたりするし、すごくパターンが多くて。それをどう使い分けるか、自分の中で楽しくもあったんですけど、距離感も違いますし、カメラの枠に収まる殺陣をしなきゃいけないので難しかったですね。

鈴木拡樹の可愛い部分が見えた

――映画で共演された鈴木拡樹さんの印象は?

崎山:拡樹くんは4回くらい共演させていただいていて、すごく良い意味で変わらない方。人間的にも、現場での過ごし方もそうですし、“拡樹くんは拡樹くん”という1つ確立したものがあって。でも、映像作品で共演するのは初めてだったので、そこで新しい部分を見せてもらえて刺激をもらいました。舞台と映像で共演したときで、「やっぱりすごい方だな」という拡樹くんの印象は変わらないんですけど、新しい部分を見れた気がします。

――どのような部分だったのでしょうか?

崎山:感覚的なものなんですけど、台本の読み合わせのときからちょっと違いましたね。たぶん、拡樹くんの中でも舞台の場合と映像で演じる場合では違うのかなって。あと、今回は拡樹くんの可愛い部分がいろんなところで見えたので、そこも新しかったなと思います。拡樹くんが人形を抱えているところって今まで見たことがなかったし、先輩なんですけど、かわいいなって思いながら見ていました(笑)。

――鈴木さんに崎山さんの印象を聞いたら、着流しや着物が似合って、着物を着ると大人の色気が出るとおっしゃっていましたよ。

崎山:あはは! その言葉はそっくりそのまま拡樹くんに返しますよ(笑)。

――では、死神・十蘭を演じる安井謙太郎さんの印象は?

崎山:安井くんは年下ではあるんですけど、すごくしっかりしてるし、でもちょっと弟感みたいな部分もあって。舞台では十蘭と新之助の絡みも多いので、どういう風に稽古場で過ごすのかも含めて楽しみですね。情勢的にいろいろな制約はあると思うんですけど、映画で共演はしているので、一方的に攻めていこうかなと思っています(笑)。

――以前は、次の日の仕事が気になって打ち上げなどでお酒を飲むことをためらうけれど、大人の付き合いをしていきたい、とおっしゃっていたこともありますが、最近はいかがですか?

崎山:根本は変わっていないですけど(笑)、今はなかなかごはんも気軽に行けないですが新しい形でコミュニケーションは取れるので、そこは大事にしていきたいなという思いは変わらないですね。自分から誘うというのはちょっと難しいかもしれないですけど、なるべく兄貴肌の新之助の力を借りながら、リモート飲みだったりをできたらいいなと思います。

主題歌タイトルに込められた2つの意味

――今回、映画の主題歌も崎山さんが担当されていますが、どのような楽曲になっているのでしょうか。

崎山:映画の主題歌だったので、主人公である幻士郎と、死神の十蘭にスポットを当てた物語にしたいなと思いました。それは「幻想人」という楽曲タイトルにも含まれていて。映画のやりとりでは、十蘭は幻士郎に対してツンケンしていたり、前の主(あるじ)の方が良かったなどと言うんですが、実は幻士郎をとても大切に想っているんだろうなと思います。また、十蘭は死神なわけで、普通の人から見たらちょっと幻想的な幻みたいな人。幻士郎は死神遣いだから十蘭が見えてはいるけど、その幻を想っている人、という2つの意味でタイトルをつけました。

――初主演映画の『クロガラス』でも主題歌を担当され、作詞をされていましたが、今回も作詞を?

崎山:作詞もしています。歌詞も映画を観てくれた人が、「ここは幻士郎が十蘭のことを思っている言葉なのかな」とか、逆に「十蘭が幻士郎に対して思っている言葉なのかな」というのを節々に見つけて感じてもらえたらいいな、と考えながら作りました。

――『クロガラス』のときは、3回に分けてなど作詞に苦労されたようですが、今回はすんなり書けたのでしょうか?

崎山:いえ、すんなりではなかったですね。映画の撮影が終わってからだったので、具体的にどういうものが描きたいのかを自分なりに文字で起こして。スタッフさんから和風な歌詞にしてもらいたいというリクエストがあったので、「和風の歌詞ってなんだろう?」と考えながら、ひとまず自分で文字に起こしたものを、言い換えるとなんだろう?など試行錯誤しながら作りました。ただ、あまり全面的に和風を出してもと思ったので、そこはバランスをみながら考えました。

――では、映画の一度観ただけでは気づかない細かなポイントを教えてください。

崎山:侠客メンバーの衣装は、その時代の人たちが着ていないような派手な着物なんです。衣装さんが一から作ってくださったんですけど、実は着物の生地じゃなくて、帯の生地を使っていたり。細部までこだわっているので、そこは見てもらいたいですね。

――帯の生地を使ったお着物は重そうですね。

崎山:重かったです。座るときもちょっと大変でした。舞台でも共通の衣装を着るようなので、大変かもしれません(笑)。舞台も殺陣などあるので、やりながら慣れていかないといけないですね。

舞台は映画とは対比的な関係性に

――舞台はどんな内容になるのでしょうか?

崎山:映画からの続きにはなっていますが、舞台だけでも楽しめる話になっていると思います。もちろん幻士郎や死神の存在は前情報として映画を観ていたほうがわかりやすと思いますけど、新たな試練というか、十蘭が幻士郎とペアだったときと、新之助とペアを組んだときでは、まったく間逆な対比的な関係性になっていて。そこがすごく面白い部分でもありますし、新たな依頼と新たな死神との出会いもあったり。その中で新之助がどう成長していくのか、というところが見どころです。

――舞台台本の一部を拝見したのですが、映画のようなストレートなバディものではなかったので、意外でした。

崎山:そうなんですよ。映画を観ていると、よりそこが意外に感じるかもしれないですね。今回(舞台の脚本・演出を担当する)毛利亘宏さんとは初めましてなんですけど、台本の経緯などを聞いたら、毛利さんが映画を観て、いろいろ変遷を経て、僕が読んだ最終版になっていると聞いたので、その前段階の脚本もちょっと見てみたいなと思いました。

――では、映画や舞台を楽しんでくれる方にメッセージをお願いします。

崎山:今まで映画に行けなかった欲求を解消してくれる、スカッとする映画だと思います。物語もありそうでなかった死神の物語。時代劇っぽいところがありながらも、死神が出てくるファンタジーでもあったり、柴﨑監督なのでちょっと特撮っぽいところも楽しんでいただけると思います。舞台に繋がるという面でも、新之助としてはラストシーンは舞台に繋がるような心持ちで演じているので、そこも見てもらえたらと思います。

――舞台も楽しみにしています。ありがとうございました!

また、崎山さんから「安井くんに、お酒をどれくらい飲めるのかな?って聞けていないので気になりますね」という質問を預かったので、そのお話を含めた安井謙太郎さんのインタビューも今後ご紹介するのでお楽しみに!

映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』は公開中。舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』は7月23日より上演予定です。
※映画と舞台の出演キャストは異なるのでご注意ください。

[撮影:周二郎]

関連記事:
鈴木拡樹が“かわいい”と思う注目ポイントは?共演者の印象も! 映画『死神遣いの事件帖』撮り下ろしインタビュー
https://otajo.jp/88464

コエンマのおしゃぶりもそのままだった舞台「幽☆遊☆白書」動画レポ 崎山つばさが幽助のギャグシーンを全力披露!
https://otajo.jp/80980[リンク]

映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』
【あらすじ】
三代将軍・家光の時代。江戸に、“死神遣い”の探偵・久坂幻士郎という男がいた。幻士郎は、十蘭という“死神”と契約しており、自分の寿命の一部と引き換えに、不思議な能力を使うことができるのだ。そんな幻士郎と十蘭のもとに、ある女の行方を捜してほしいという依頼が舞い込んだ。手掛かりは「右目の端に黒子(ほくろ)」「桐紋の短剣」のみ。破格の手付金を受け取り、気を良くした幻士郎は早速、調査を開始。
そんな折、吉原遊郭の惣名主・庄司甚右衛門は頭を抱えていた。大門が閉まれば出入り不可能な吉原で、真夜中、遊女が大門の外に連れ出され、次々に殺されていたのだ。
幻士郎が追う「黒子の女」と「遊女連続殺人」の関係は? 吉原遊廓の惣名主を父にもつ侠客の新之助や、その姉・お藤も巻き込んで、やがて明らかになる、驚きの真相!
三枚目ヒーロー・幻士郎! 命を賭して、何守る?! いざ、今日も三途で鬼退治!

【映画 2020年 6月12日 (金) 公開】
出演:
鈴木拡樹
安井謙太郎 崎山つばさ / 鈴木絢音(乃木坂46)
押田 岳 松浦 司 松本寛也 北川尚弥
高田里穂 田邉幸太郎 萩野 崇 陳内 将
山口馬木也 堀内正美 高田聖子
脚本:須藤泰司 監督:柴﨑貴行

【舞台 2020年 7・8月 上演】
出演:
崎山つばさ 安井謙太郎
陳内 将 松浦 司 松本寛也 北川尚弥
櫻井圭登 エリザベス・マリー 田邉幸太郎
輝馬 谷口賢志 / 山崎銀之丞
原案:須藤泰司 脚本・演出:毛利亘宏(少年社中)

公式HP shinitsuka.com[リンク]
(C)2020 toei-movie-st

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 崎山つばさが主題歌に込めた想いとは?舞台の見どころも!『死神遣いの事件帖』インタビュー

non

アニメや可愛いものが大好き。主にOtajoで執筆中。

ウェブサイト: http://otajo.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング