【Editor’s Talk Session】今月のテーマ:コロナ禍の中、イベント開催に向けた主催者の想い

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BARKS、OKMusic、Pop’n’Roll、全日本歌謡情報センターという媒体が連携する雑誌として立ち上がったmusic UP’s だからこそ、さまざなテーマを掲げて、各編集部員がトークセッションを繰り広げる本企画。第八回目は新型コロナウイルスの影響を受けながらも年内のイベント開催を宣言し、ライヴの再開に向けて先陣を切るATFIELD inc.代表の青木 勉氏、株式会社 近松代表の森澤恒行氏に参加してもらった。
Editor's Talk Session (okmusic UP's)
座談会参加者

 

■烏丸哲也

ミュージシャン、『GiGS』副編集長、『YOUNG GUITER』編集長、BARKS編集長を経て、現JMN統括編集長。髪の毛を失った代わりに諸行無常の徳を得る。喘息持ち。

 

■青木 勉

元祖ロックエージェント『エイティーフィールド』代表。メジャーからインディーズを問わず、数多くのアーティストをサポートし続けて、今年で20周年。オールナイトロックフェス『BAYCAMP』を主宰する。

 

■森澤恒行

株式会社 近松代表。ロックバンド・THEラブ人間ではキーボードを担当する他、『下北沢にて』実行委員長、ライヴハウス・下北沢近松を運営。イベントツアー制作を手掛け、2017年には音楽レーベルTHE BONSAI RECORDSを立ち上げる。

 

■石田博嗣

大阪での音楽雑誌等の編集者を経て、music UP’s&OKMusicに関わるように。編集長だったり、ライターだったり、営業だったり、猫好きだったり…いろいろ。

 

■千々和 香苗

学生の頃からライヴハウスで自主企画を行なったり、実費でフリーマガジンを制作するなど手探りに活動し、現在はmusic UP’s&OKMusicにて奮闘中。マイブームは韓国ドラマ。

 

■岩田知大

音楽雑誌の編集、アニソンイベントの制作、アイドルの運営補佐、転職サイトの制作を経て、music UP’s&OKMusicの編集者へ。元バンドマンでアニメ好きの大阪人。
“絶対にやる”って 自分に言うしかない

 

石田
「今回はコロナ禍の中でもイベントを開催しようとしている方に現状をうかがいたく、おふたりに参加していただきました。自粛要請も緩和されたと言えどライヴハウスは厳しい状態ですが、状況はどんな感じですか?」
森澤
「下北沢近松を含め、下北沢のライヴハウスは7月くらいから人数制限をしながら入れていく予定で動いていますね。20~30人くらいを入れながら配信とセットでライヴをやろうと動いている人もいれば、配信のみでオンライン上にお客さんを入れるという2パターンになっています。」
千々和
「近松では6月22日にトークライヴをやってましたが、その配信を観たらラップのような透明なフィルムでステージと客席を区切っていましたよね。実際にやってみてどうでしたか?」
森澤
「そもそも下北沢の空き地を使って野外でやる予定だったんですけど、雨が降っちゃったんで急遽屋内でやる流れになりまして、お客さんも入れてみたんです。急だったので、サランラップのようなものしかなくて(笑)。お客さんも声をあげちゃいけないという規制があったので、最初は若干やりづらい空気もあったんですが、そこは拍手でカバーしていくという方法でやりましたね。」
千々和
「今後もしばらくはステージとの区切りが必要そうですね。」
森澤
「そうですね。一応、アクリル板を買ったんですよ。横1メートル、縦2メートルのを3枚買いました。立てて並べるイメージです。」
青木
「なるほどね。僕はステージ前に貼れるビニールを特注しましたよ。お客さんとアーティストの距離を2メートル空けるのはライヴハウスでは無理だから、ビニールを引くしかないじゃないですか。5メートル幅で180センチくらいの高さのものを、ステージの上から垂らすようにしたらいいかなと思って発注しました。だから、早く試してみたいです。」
千々和
「6月3日、青木さんのお誕生日にオンラインライヴを行なっていましたが、率直にやってみていかがでしたか? アーティストもたくさん出ていましたし、この状況で企画するのも大変だったと思うのですが。」
青木
「ネタバラシをすると、生配信もありましたが基本的はアーティストからライヴの素材をいただいて編集するのがメインだったんです。生ライヴのようにしている演奏は撮って出しじゃないですけど、何かトラブルがあった時のことも考えて配信の直前までに頑張って映像をつないで。だから、本番の2時間前くらいまでギリギリで編集をやっていたんですよ(笑)。でも、ある意味で事故に近いというか、最終的に1時間半の番組にしていたのが3時間番組になっちゃったんですけど(笑)。3曲以上送ってきてくれた人もいましたが、結果的に放送時間を超えていたので泣く泣く1曲だけにカットしたというアーティストも何組かいましたからね。本当に申し訳ないなと思って、本番中も謝ってました。なので、当日の僕が出たシーンはちょっと暗かったと思います(笑)。本気で落ち込んでいたんで。」
千々和
「そうだったんですね。誕生日なのに(笑)。」
青木
「でも、やって良かったです。編集以外はほとんど自分で担当してたので、台本を書いたり、一週間前の告知で参加アーティストを集めて…よく参加してくれたなって感じですよ。今思えば、もうちょっとやれることがあったなとも思いますけど(笑)。課金が全然できないんですよね。課金をするタイミングというか…例えば“乾杯しますよ”っていうタイミングとかクリックポイントがあるじゃないですか。その時間を設けてあげればお客さんも理解しやすかったと思うんですけど、そこのコミュニケーションの仕方が分からなかったんですよね。勉強不足でした。」
石田
「そのバースデーライヴもそうですが、まずはガイドラインに沿って“やること”が大事ですよね。とにかくアクションを起こさないと。」
青木
「下北沢でライヴを始めるっていうのもそうですね。森澤さんとは近所だからよく下北沢で立ち話をしているんです(笑)。」
森澤
「この間も30~40分くらい話してましたよね(笑)。」
岩田
「ようやく少しずつライヴができるようになってきましたが、出演されたアーティストからの感想やライヴに対する想いなどを聞いたりしましたか?」
森澤
「うちは5月から配信ライヴをやっていて、まだ誰も知らないような本当に若手のバンドが多いんですけど、目の前にお客さんがいない中でもライヴをやること自体が嬉しかったという話はすごく聞きますね。だから、配信でもやりたいという感じにはなってきていると思います。」
青木
「うちはまだ配信ライヴを始めたばっかりなんです。良くも悪くも有名な人ほどライヴをやりずらいじゃないですか。世間体もあってね。自分が担当するアーティストのライヴが3月からほぼ全部延期で、9月以降の公演も来年に延期していっているんですよ。そんな中、ようやく自粛が緩和されて、スタジオにメンバーが集まることもできるようになって、本格的に配信を始めようという流れになってきた。6月にサザンオールスターズが配信ライヴをやりましたけど、やっと一回ワンマンをやってみる流れになってきたので、今はその段取りをつけています。ZAIKOをはじめ、いろんなプラットフォームが出てきたし、実験的に始めるという段階でもありますね。ただ、このコロナ禍で解散をしたバンドもいるんですよ。ライヴができなくなったっていうのもあるんですが、コロナが怖いという人がまだまだいっぱいいて。」
千々和
「なるべく前向きにって進んでいますけど、取り返しのつかないことばかりなのが現実ですよね。」
青木
「これも個人的な感想なんですけど、バンドマンは実は元気な人ばっかりじゃなくて、陰な人が多いじゃないですか。家族や職場とか、周りの人から“辞めろ”って言われたりもするんですよ。配信を始めたら少しは明るくなると思うんですけど、それさえもできなかった時間が長すぎたことが少し心配です。だから、ライヴを再開するにしてもツアーっていうのは相当ハードルが高いですね、今。とても難しいと思っています。コロナ第二波が秋や冬に来るという噂もあったりするし。だからって、それで我々も“できない”と判断して止めるばかりなのもどうかと思うから、一回頑張ってツアーをやってみたい気持ちはありますね。配信からでもまずは始められることからやってみて、ライヴという本当の意味で音楽を体感したいと思い始めていかないと、今後お客さんがライヴ会場まで足を運ぶっていうのは、相当ハードルが高くなるんじゃないかと。僕は“イベントを絶対やります!”って…特に『BAYCAMP』なんかはずっと“やります!”と言い続けてるわけですけど。とにかく言い続けないといけない。自分に言うしかない! “絶対やらないよね!”って思っている人がいることも事実なので。」
石田
「そこは先陣を切る人がいないと。加藤登紀子さんが 6月28日に渋谷のオーチャードホールでコンサートをやりますけど。」
青木
「本当にすごいですよね、あの人は。というか、昔から活動している人のほうがパワーがある。特に今の若いバンドは以前からライヴを重要視してない感じになってきてて、それがコロナの影響で加速したというか。今はライヴをしない人が売れてるじゃないですか。ライヴバンドは意外に難しいところもあるのかもなと思いましたね。我々もそうですけど、“爆音で聴きたい!”と思っている人が本当はあんまりいないんじゃないかって。でも、ライヴハウスが小さなところからでも始められれば、3カ月後、4カ月後にはそれがちょっとずつ浸透して“ライヴに行きたい!”って思い始めるお客さんが増えていったらいいんですけど。ただ、知名度のある大きいアーティストはホールだからね。まだホールってやりようがいっぱいあるじゃないですか。だから、大きいアーティストがどんどんライヴをやってくれれば、お客さんも戻ってくると思うんですけど。」
石田
「アコースティックのツアーをやるとか、スタイルを模索しつつね。ちょっと話が少し戻りますが、コロナ以降、世間体的にバンドが良く思われてないというか…働きながらバンドをしてる人が、バンド活動を再開しようとしたら会社から“クビだ!”と言われたとかいう噂話を耳にして。」
青木
「それもなんとなく分かるんですけどね。だから、しばらくは余計にライヴ活動をするという感覚に対して偏見があると思います。ライヴだけなんですよね、夜の街はいいのに。」
森澤
「うちに出演したバンドの子たちは、電車で楽器を持ってるだけで人がガーッて引いていくと言ってましたね。」
青木
「ありますよね、そういう話が。震災の時はあんなに音楽の力を感じたのに、今回の始まりはバンドマンが悪になっちゃったじゃないですか。他にもいろいろあったのに、ライヴハウスでクラスターが出ちゃったのが大きくニュースで取り上げられて。この状態はいつまで続くのか、ほんとまったく見えていないですから。」
カッコ悪いところだけは 見せたくないんです、ロックなんで

 

千々和
「ライヴハウスがいろんな工夫をして、5人でもお客さんを入れて切磋琢磨しているのは、最初の頃に比べたらニュースでも放送されてませんからね。流れたとしても殺風景なところで店長が話しているのしか観たことがなくて。それだとすでにライヴハウスの楽しさを知っている人しか行きたいという気持ちにならないので、この印象はこの先の音楽シーンにおいても結構大きいと思っています。」
石田
「あと、ライヴのDVDを観ればライヴに行きたい気持ちになるけど、正直言ってガイドラインを守ってライヴやっているニュースの映像では“行きたい!”とはならないよね。」
青木
「僕は東京初期衝動というバンドも担当していて、バンドとしては今度、抗体検査もやります。メンバーが看護師だったりするのでできるんですけど。おそらく彼女たちは、バンドマンとして現状一番過激なバンドのイメージになってるはずなんですよ。ライヴをやっていい立場という言い方にしたほうがいいんですが、東京初期衝動なら突破口になるような使命感があると個人的には思っていて。ギリギリまでライヴをやってたのは彼女たちだと思うんですよね。現場で受付やお客さんの検温なんかも僕が全部やって、前説もしたりとギリギリのところでツアーをやってたんです。でも、最終的に志村けんさんが亡くなったことで、これ以上やったらヤバいことになると思ったからツアーを延期したんですけど、7月末と8月の残りのツアーを全部やろうとしています。最終的には絶対全部のライヴをやるつもりなので、ステージを区切るビニールを買ったりしたんですよ。怖いですけど、お客さんには“個々に距離を取ってください!”と言いながらやるしかない。ライヴハウスのいいところでもありますが、来ないと分らない体験をしばらくはやるしかないかなと思います。コロナ対策として出来ることは全部やりながら開催してみないと分からないですし。どうなるのか楽しみではあるんですけどね…。」
千々和
「音楽業界の中で結構みなさんが意見交換をされていて、誰かがやるということで周りも動くと思うんですよね。だから、そうした方が前向きになるし、そういう行動をとっていかないといけないんだなと思いました。」
青木
「でもね、これは難しいですよ。本当は知名度のある人にやってほしかったんですけど、その人たちは今のところみんな配信で切り抜けているので。それと我々のライヴハウスシーンはまったく別格だし…お金に換算すると生きるか死ぬかになっている。それはバンドマンだけでなく、ライヴに関わるクルー全員ですよね。一部、クラウドファンディングなどでスタッフへの支援活動を始めてますけど。アーティストに関わるライヴ周りのクルーたちは本当に収入がないので、ライヴしかやってこなかった子たちの敗因でもありますが…売るものがないというのは今後の問題ですね。僕個人としてもこれはしばらく仕事にならないと思っていますよ。」
千々和
「青木さんも森澤さんもクラウドファンディングをやっていますが、最初のうちは抵抗があったりしましたか?」
森澤
「抵抗はありました。やるかやらないかというのはギリギリまで悩んだんですけど、何かやらなきゃなと。実は下北のライヴハウスで何度か集まって話をしていたんです。いつからライヴを始めるとか、バンドのキャンセル料とか、下北全体でクラウドファンディングをやるという話もあったんですけど、なかなかまとまらなくて。下北沢のライヴハウスというよりは『下北沢にて』としてやらせてもらえないかという相談をして始まったのがきっかけですね。」
青木
「僕個人としてはもともとクラウドファンディングがあまり好きじゃなくて、抵抗しかなかったんですよね。最近までずっと思ってたんですけど、クラウドファンディングを実際にやってるCAMPFIREの人の気持ちを聞いてみると“それは素晴らしいな”と思うところがいっぱいあったんです。なので、どうして始めたかと言うと、ひとつは経営者として会社のことを考えて。会社が今年で20周年だったからいろんな仕掛けを考えていたので、本来は今頃ものすごく忙しかったはずなんですよ。過去で一番ライヴがあったりしたんですけど、結局全部なくなってしまったので、それをどうするかということも始める理由でしたね。あとは、立ち位置としてイベンターやスタッフが一番辛い…表には見えにくいクルーが一番大変だということをアピールしたい気持ちがあったんです。かと言って、それを表に出すのも微妙で。苦肉の策が20周年イベントをやる予定があったから、森澤さんと一緒で一応イベントを前にしてちょっと訴える感じにしたんですよ。でも、これは個人的には失敗だと思ってるんですけど。だって、本来はカッコ悪いことじゃないですか? 結局は“お金をください”ということだから。実は今も悩んでるんですよ。特に悩んでいるのは、いろんなアーティストからコメントをもらってページに入れなきゃいけないんですけど、やっぱり“これってどうなんだ?”ってなるんですよ。真剣に有名なアーティストに“助けてください!”とお願いしてコメントをもらうのか、そうじゃなくて“20周年おめでとう!”ということで激励をしてもらいつつ面白おかしく応援してもらうのかという。僕はアーティストに負担させるのも違うと思ってたので…難しいですよね、クラウドファンディングって。」
森澤
「難しいところですね。心がキツいっすよね! 本当に!

青木:何をするにしてもカッコ悪いところだけは見せたくないんですね、ロックなんで。そこはね、スタッフでも無駄なこだわりがあるんです。」
実際にお客さんの顔を見て “やろう!”と思えた

 

千々和
「今年の『下北沢にて』の開催予定は、今のところ12月でしたっけ?」
森澤
「そうですね。『BAYCAMP』が9月に開催してくれたら、うちもやれる希望が増します! 『下北沢にて』はライヴハウスの中なので、そこの感染対策をしっかりすると言ってもできることは限られますが、なんとかやろうとは思っています。今は下北沢にある小さなライヴハウスでも人数制限をして、まずはライヴをやってみたり、小さなサーキットをやって“大丈夫だった”というのを実践してみようという話が出ていますね。」
千々和
「近松以外の下北沢のライヴハウスの人たちも同じ気持ちで動いているんですか?」
森澤
「みんな同じ気持ちで、同じ方向を向いてると思います。こんなに同じ方向を向いていることなんて普段はないけど(笑)。みんなで連絡を取り合っていますね。」
青木
「この間、座談会をやってましたよね?」
森澤
「やりました。あれば若手世代の意見交換をする場になっていて、僕も含め30~40代の若手が今のところ一番踏ん張りどころの世代なので、そこで頑張って持ちこたえようっていう空気になりましたね。各ライヴハウスで配信も始めてますし。」
千々和
「個人的に『BAYCAMP』と『下北沢にて』は何度も遊びに行っている大好きなイベントなので、“やろう!”と決めて発信してくださっていることが嬉しいという単純な気持ちもあるのですが、そもそもコロナ禍の中でもやろうと決めたきっかけは何だったんですか?」
森澤
「ここ最近、お客さんの前でイベントをやるようになったことで、やっぱり実際にお客さんの顔を見ると一段と“やろう!”という気持ちが強まりましたね。そこが結構大きかったし、改めて“やろう!”と思えたのは、結局はそこが理由かなと。」
青木
「『BAYCAMP』は一回もやる以外のことを思ったことがないので、きっかけと言われるとちょっと分からないんです(笑)。開催は9月だから夏フェスということでもないし、2月の時点では緩和されていくと思っていたから、一度も中止にしようと思ったことがないんです。関わっている人が全員、やらないと思ったことが一回もないから、もはや頭がおかしいと言われるんですけどね(笑)。」
森澤
「あははは。いや、最高ですよ!」
青木
「3月~5月と延期になるイベントが多かったから、この間も業界の人に“まだやろうとしているのは、『BAYCAMP』とクリエイティブマンの『SUPERSONIC』だけだ”と言われましたよ。でも、“やる!”と決めないと絶対にできないですよね。普通はいろんな人のことを考えてできないそうですが、イベントがなくなっても誰も補償してくれないじゃないですか。保険もないから、やるやらないの決定権は誰にもないという。『BAYCAMP』はオールナイトイベントだから最終的にやれるのか疑問ではあるんですけど(笑)。まず、日本では選ばれた場所でしかオールナイトイベントというものができないんですよ。我々は10周年やり続けていて、そもそも未だにやらせてもらえてるのが嬉しい話だし。今年は今までと違うピンチがあるんですけど、嘘か本当か参加してくれる人たちがそこそこいるからやるしかないという。あとは、フェスレベルのたくさんの人が集まるとなると脅威ですが、ライヴを生で体験できる機会がない中で、いわゆるライヴハウス規模のバンドが40組くらい出るイベントだから、それが一堂に会するのを味わえたら関東の人は嬉しいんじゃないかと思うんですよ。関東はまだライヴが観れないから、それを提供できる場にいれるというのは喜びでもあります。あと、『BAYCAMP』のいいところは仕込みに時間がかからないんですよ。大きいイベントだと1カ月とかかかるんですけど、3日で設営ができちゃうんです。だから、できるっていうのもあるんですよね。」
千々和
「いろんなフェスが延期になっている中、『BAYCAMP』の出演者第一弾が発表された時の嬉しさったらなかったですよ。そういう気持ちもSNSでもっと発信すべきですね。」
青木
「でもね、発信するのも難しいみたいですよ。“お前、行くのか!?”みたいな話になるみたいで。今後も出演アーティストを発表していくので、どうなっていくのかなという感じですけどね。ひとつ嬉しいのは、アーティストを解禁すると“『BAYCAMP』はまだやる気あるんだ!”ということに気づいてくれるんです(笑)。いいバランスで発表していかなくちゃいけないから、チケットをどこまで売るかもまだ決められていないんですけど、今のところはキャパの半分だから…半分だとすでに赤字が決まっているんですよ。なので、これをどうフォローしていくのか考えないと。“今年こそ儲けてやるぞ!”って思ってたのに、“また赤字かよ!”と(笑)。それをクラウドファンディングなのか、結果的に配信なのか分かりませんが、別のものでフォローしなきゃいけないのが問題ですよね。」
千々和
「出演者も今までより減っていますか?」
青木
「もともと4つあるステージからすでに1ステージカットされるので、アーティスト15組がカットになるんです。そうすると若手のアーティスト出れなくなる。ゲートの近くのステージなどはトイレがあったりするから、ソーシャルディスタンスを取らなくちゃいけないし…いろいろ難しいんですけど、バンドを減らすっていうのが一番つらいですね。」
対策を各自で取ってくれたら 参加できるものしかないはず

 

千々和
「フェスもライヴも趣味や楽しみの域を超えるものだったんだと、この期間で実感しています。だから、『BAYCAMP』と『下北沢にて』が実施されると聞いた時、私は両イベントに関わってないのでほぼお客さんの気持ちなんですけど、“行く”となったら意識がすごく変わったんです。配信の良さも新たに感じている中ではありますが、やっぱりライヴに行くために頑張りたいなと。」
青木
「そう思ってくれていてもライヴに行くためには親や周りの許可も必要で、まだまだハードルが高いのが現実なんですよ。直接、お客さんの親から“イベントを中止にしてください!”って電話がかかってきたりするし。それぐらい良くないものというイメージがライヴにある。“みんな満員電車に乗ってるじゃないですか!”って言いたくなるくらいおかしいと思うことがいっぱいあるんです。だから、先ほど千々和さんが言ってくれた“ライヴに行きたい!”という気持ちの先にある行動をみんなが考え、対策を各自で取ってくれたら、参加できるものしかないはずなんですけどね。そこの考えに向かわせることが、本当に大変で。我々がいくら言っても説得力がないんですよ、お客さんじゃないから。雨に備えてカッパを用意するように、万全の対策を取れば大丈夫なはずなんです! そういう雰囲気に持っていかないと、快適なフェスを求められている側の我々が怒られるっていうのも…ねぇ。だから、我々は“やります!”って言い続けるしかない。“最善を尽くすので、一緒に朝日を見ましょう”と。アーティストがライヴができない中、野外イベントに参加することはハードルが高いと思いますが、今のところ全員が楽しみにしていると言ってくれているので、僕らは開催に向かって頑張るしかない。お客さんを盛り上げていただくという意味で、こういう座談会の企画がとても嬉しいです。」
石田
「コロナ禍の中でイベントをやる側の気持ちはお客さんにあまり伝わらないじゃないですか。だからこそ、そこを語ってもらえたらと思って実施しました。それが伝わればお客さんの意識も変わるかもしれませんよね。」
青木
「誰かがやらなきゃいけないというのが大切だと思うので、まずはやってみようと思っているイベントに参加しましょうよ!っていう。“死んだらどうする?”と言われても、それは我々も一緒ですから。そこは“ライヴがそんなに悪いところじゃない”という意識から始めないと難しいですよね、ここまでイメージダウンをしちゃうと。誰も助けてくれなかったし、政府が助けてくれないし。」
烏丸
「ライヴができなくなって数カ月が経過し、もうアーティストたちはステージに立ちたくて仕方ない状況にいますよね。無理と思われていたことを工夫と熱意で乗り越えて、ついにイベントが実現するとなれば、“やっとライヴができる!”“ようやくライヴが観られる!”と双方の想いが会場で爆発して、ものすごいケミカルが起こりまくって歴史的な瞬間が幾度も誕生することでしょう。音楽好きを自認するのであれば、参加しない手はないですよね。」
森澤
「実際にお客さんを入れてライヴをやると全然違いますね。お客さんを久々に見て感動しましたもん。お客さんも感動しているし。実際にこの間、下北線路街 空き地に150人が入ったんですよ。流動的に出たり入ったりもありましたけど、合計で150人でした。自粛明け一発目だったので、やっぱりお客さんも来たいんだと感じられましたよ。あのパワーはすごかったです。」
青木
「ライヴは観る側と作るというのが全てですからね。」
千々和
「今日お話を聞いて、これだけイベントを作る側もアーティストも動いているんだから、次はファンが動く段階に来てると思いました。クラウドファンディングに参加したり、配信を観るというのもひとつの手ですが、もう一歩ファンが動いて、今の状況を動かせれば、先の見え方も変わってくるなって。やっぱり最初はみんな手探りだったし、ライヴに行きたいことを言いにくかったと思うけど、もうその段階はすぎていると思うので。」
石田
「お客さんもライヴが観たいはずですからね。」
青木
「そう思いたいですよね。まだ今はそう思えてないので…。」
烏丸
「とどのつまり、先ほど青木さんが話された“雨が降ったらカッパを着てください”という話に尽きると思うんです。今の状況を自分で判断し、楽しめるのかどうか自分で対応して参加すればいい。環境は精いっぱい作りますから、あとはひとりひとりの自覚と責任が大事です…ということなのかなと。アーティストもそれに賛同してくれているという状況が揃ったわけですから、あとは個々の意識の問題ですね。」
青木
「それを最後に言いたいな。ライヴ中にダイブをするかどうかはお客さんの問題だから何も言えませんが、多少は盛り上がる瞬間に密が起こるとしても止めることができないからこそ、みんなで感染の予防をすれば大丈夫だと思ってもらいたいですね。」

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ウェブサイト: http://okmusic.jp/ups

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