新型コロナ重症患者対策の「人工肺ECMO教育VR」が登場
株式会社ジョリーグッドは、新型コロナウイルスの重症呼吸不全の治療に使用する人工心肺ECMOの取り扱いについて学ぶことができるCMOトレーニングVRを開発した。
医師不足という深刻な背景
同ソリューションは、人工心肺ECMOの教育組織日本日本ECMOnetで活動するECMOの専門医らが監修。「実際の患者への処置」と「シミュレータによる模擬手術」を術者目線で体験学習できるVRコンテンツになっている。新型コロナウイルスの重症患者治療などに使用されるECMOは、現在増産態勢にあるものの、ECMO特有の操作習得の難しさがネックとなりECMOを専門的に扱うことのできる医師の数が圧倒的に足りていないのが現状だ。また、習熟するのには長い期間が必要とされており、日本では機器の増産拡充に伴って、早期の習熟環境の構築も急務な課題に。同トレーニングVRは、緊迫する現場での医師や看護師の動きを360度VR化し、ECMO治療の有効性、安全性の普及に貢献することを目的としている。
VRを使うメリット
ECMOを実際に使用する際は、患者の容態や回路の状態に対する一瞬の判断が人命を左右するような緊迫した状況でチームワークが求められる。360度視野のVRは、従来の2Dでの視野の限られた講習とは違い、医師目線で治療現場全体の動きを把握することができるため、現場に近い形での研修が可能になるという。またVRを使用するトレーニングのメリットとして、見学困難な治療現場をVRで臨床体験できる、機器の配置や治療中の測定情報も確認可能、といった点が挙げられるが、貴重な症例を医師目線で何度も体験できるため、早期習熟が見込めるというメリットもあるという。
コロナ禍では人が密に集まるシミュレーション教育は充分に提供できないが、VR教育は、人が集まることなくe-learningとして自宅で学習でき、かつ実際の臨場感そのものを体験できる点も大きな特徴だと専門医らもコメント。同ソリューションによって、トレーニングの可能性が大いに広がることは間違いないだろう。
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