「繊細な人が生きやすくなる実践テクニック」をHSP専門カウンセラーが伝授!
皆さんの中には「自分は繊細でストレスを感じやすいタイプだ」と感じている人は少なくないでしょう。アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士がおこなった調査によると、「生まれつき繊細な人」は5人に1人の割合で存在することがわかったそうです。もし他の人から「そんなに気にしなくてもいいんじゃない?」「鈍感力が大事だよ」と言われたとしても、生まれ持った気質であれば、考え方・生き方を変えるのはたいへんハードルが高いのではないでしょうか。
「自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる」ほうがラクに生きられるのではないかというのは、『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』の著者・武田友紀さん。武田さんはHSPカウンセラーであり、HSPとは、先述のアーロン博士が提唱した「Highly Sensitive Person(とても敏感な人)」のこと。武田さんは親しみを込めて「繊細さん」という呼び方をしています。
「繊細さん」の特徴を挙げるならば「感じる力が強い」の一言に尽きると武田さんはいいます。繊細さんの神経システムはささいなものにでも反応するようにできているため、ほかの人にとってはなんでもない刺激が、繊細さんにとっては強すぎて、人といると疲れてしまうことが多いのだそうです。そのため、日々のストレスやダメージを減らすために「刺激から自分を守る工夫」が必要となってきます。
その具体的な方法のひとつとして紹介されているのが「刺激をモノで防ぐ」こと。視覚であれば「メガネやコンタクトレンズの度を落とす」「サングラスをする」、聴覚であれば「耳栓をする」「イヤホンで心地よい音楽を聴く」というおこないが、予防対策として効果的だそうです。
また、相手の怒りやイライラの感情を察して苦しくなるという、繊細さんによくあるお悩みに対して、武田さんは「相手の気持ちを察したら、合ってるか言葉で確かめよう!」と勧めています。
とはいえ、「怒ってますか?」と相手にストレートに訊くのは難しいもの。そこで武田さんは「自分の『予想』が当たる確率はどのくらいなのか、日頃から安全な場所で把握しておくのがおすすめ」(本書より)と提案します。一番簡単な方法は「誰かとごはんやお茶に行ったときに、『それ、おいしい?』と聞いてみる」(本書より)こと。これを繰り返すと「人の考えは、案外わからないものだな」「自分の予感は案外外れるんだな」と実感できて、自分のせいではない可能性に目が向くようになるとしています。まわりの人の不機嫌で自分の心がしんどくなる、という人はぜひ取り入れてみたい手法ですね。
このように、物理的・心理的な両面からアプローチされている本書。ほかにも、「相手と境界線を引いて自分のペースを守る方法」「人に頼られるようになる練習」「がんばっても自信を持てないときのチェックポイント」など、実践的なテクニックが満載です。繊細な自分に悩んでいる方の助けになる一冊でしょう。
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