渋谷警察署デモに関して日本クルド文化協会が見解発表 「正当な理由があるとは言い難いデモ」

2020年5月30日に、トルコ国籍クルド人男性が渋谷警察署の警官から職務質問中に暴行を受けたとして抗議デモがあったことを受けて、一般社団法人日本クルド文化協会が2020年6月13日夜にFacebookで見解を発表しています。

同協会は「デモを支持する立場ではなく、いかなる関与もしていない」と明言。その上で、「今回の騒動の発端になったクルド人の行為は、日本の法律・慣習に照らし合わせて、擁護する余地はありません。もし彼が交通規則を守り警察の要請に適切に対応していれば、警察官もあのような対応に出たのか疑問があります」としており、「正当な理由があるとは言い難いデモ」があったことにより、「在日クルド人への偏見を助長したように思われます」と懸念を表明しています。

また、「当協会はトルコ、イラン、イラク、シリア政府のクルド人弾圧への抗議運動を度々主催しておりますが、参加者はクルド人が大多数で、一部支持者の日本人が含まれるという構図になっております。今回の渋谷警察署前でのデモは日本人参加者が大多数を占めていましたが、普段クルド人の支援活動には参加されていない方々ばかりであったと確認しております」といい、「在日クルド人は日本の法律・慣習を尊重いたします。当協会はこれからもクルド人が日本社会で軋轢を起こすことがないよう指導して参ります。一部の方々が今回の件に際してクルド人に関する誤った情報を拡散していますが、こちらについても控えていただきますようお願いいたします」と要望しています。

同協会は日本在留歴の長いクルド人を中心に2013年4月に設立。クルド人が多く住んでいる埼玉県川口市に事務局があり、クルド料理教室やボランティア活動なども行っています。

警察の職務質問に対してはたびたび問題視されており、2017年にIT企業のプログラマーが不当に職務質問されたとして国賠訴訟を起こしています。今回のデモでは「差別警官」といった文言も出ていますが、国籍に関わらず不審とみなされた行為に対する職務質問が起きている以上、別の問題といえるのではないでしょうか。

※画像はFacebookより
https://www.facebook.com/nihonkurdish/ [リンク]

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 渋谷警察署デモに関して日本クルド文化協会が見解発表 「正当な理由があるとは言い難いデモ」

ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: https://note.com/parsleymood

TwitterID: ryofujii_gn

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。