【レビュー】ジム・ジャームッシュ監督がゾンビと豪華キャストで遊んでる!『デッド・ドント・ダイ』
平凡なバス運転手のかけがえのない日常を描いた『パターソン』の公開もまだ記憶に新しい、鬼才ジム・ジャームッシュ。
監督3年ぶりの新作は、まさかのゾンビもの。
アメリカの田舎町で殺人事件が勃発。事件の解決に当たるのはジャームッシュ監督作に何度も出たことのあるビル・マーレイとまたもや連続出演のアダム・ドライバーの警官コンビ。
捜査の過程で事件の犯人は墓地から蘇ったゾンビであることが判明、ほどなく町はゾンビたちで溢れ返り警官たちはせわしなく対応に追われる。
ボソボソと変なセリフを繰り返す一風変わったゾンビたちを、これまた負けないくらい風変わりでどこか間の抜けた警官たちが退治しようと奮闘。
ゾンビに次々と人が襲われるシチュエーションなのに、ほとんど緊迫感がないのが、まさにジャームッシュ流。
セレーナ・ゴメス、イギー・ポップ、ティルダ・スウィントンと豪華なキャストを続々と登場させ、これらキャストを監督がやりたい放題に使って拍子抜けのセリフを言わせまくるという、ある意味これまで見たことのないゾンビ映画。
特に、ビル・マーレイとアダム・ドライバーの警官コンビのバディ感はなかなかハマっていて、かと言ってゴーストバスターズのような手際の良さや、スターウォーズのような凄まじい立ち回りを見せるでもない、そのゆるーーいノリが妙にツボに刺さって面白い。
まさにジャームッシュ流の贅沢な戯れ、ここに極まれりといった一作。
『デッド・ドント・ダイ』 あらすじ
アメリカの田舎町センターヴィルに、何やら恐ろしくゾッとする影が・・・。3人だけの警察署で働くロバートソン署長(ビル・マーレイ)とピーターソン巡査(アダム・ドライバー)は、ダイナーでの変死事件を皮切りに、思わぬ事態に巻き込まれていく。次々と墓場から蘇えり、町に溢れる死者たち。どうやら生前の活動に引き寄せられているようだ。日本刀を携えて救世主のごとく現れた葬儀屋のゼルダ(ティルダ・スウィントン)も加わり、時間を追うごとに増殖していくゾンビたちに立ち向かう。彼らを待ち受けるのは、希望か、それとも絶望か・・・!?
■監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
■出演:ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントン 他
■配給:ロングライド
■公開日:6月5日(金)
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