総額150万円以下から狙える! 衝突被害軽減ブレーキが付いた、メルセデス・ベンツの熟成モデル
メルセデス・ベンツは同じモデルでも常に安全機能を進化させる
他社に先駆けて、今から約80年も前の1939年に衝突安全の研究部門を立ち上げたメルセデス・ベンツ。以来、安全性の追求を積極的に行ってきた自動車メーカーのひとつだ。
2009年にボルボ XC60(旧型)が衝突被害軽減ブレーキを日本で最初に搭載すると、それに続くように2011年11月に同社として初めて自動停止を含む衝突被害軽減ブレーキをEクラス(4代目)に搭載した。
他モデルのフルモデルチェンジなどを待つことなく、2009年にデビューしたばかりのEクラスへ載せている。
その他のモデルも同様で、「良いものが出来たらいち早く載せる」という思想のもと、モデルライフ半ばでもどんどん最新の安全技術を取り入れる同社。今でも、その進化の歩みを止めることはないようだ。
今回は自動停止を含む衝突被害軽減ブレーキを搭載するメルセデス・ベンツ車の中から、支払総額150万円以下で5台以上見つけることができるオススメモデルを紹介しよう。
なお、衝突被害軽減ブレーキ機能は日進月歩の技術であるため、一部改良などで新機能を追加することが多い。それらの差を見極めながら、購入を検討してほしい。
また、衝突被害軽減ブレーキが備わっているからといって過信は禁物、というのは言うまでもない。
自動停止ブレーキが備わるのは2015年11月からメルセデス・ベンツ Aクラス(3代目)
同社のエントリーモデルであり、フォルクスワーゲン ゴルフのライバルとなるAクラスの3代目が登場したのは2013年。
デビュー当初から、レーダー型衝突警告システム「CPA」を全車に標準装備していた。
しかし、これは約30km/h以上で走行中に衝突の危険を検知すると警告音がなり、ドライバーのブレーキ操作では十分な制動力が得られない場合は、ブレーキアシスト機能で事故回避に必要な制動力を自動的に補うというもの。
つまり、ドライバーがブレーキを踏まない限り、車は止まらないというものだった。
ドライバーの意志を最優先し、それに最大限従うのが車という考え方からすれば、これはこれでアリだと思う。
しかし、それ以上に安全性を優先した結果、2015年11月のマイナーチェンジで自動停止ブレーキを含む「CPAプラス」を全車に標準装備した。
さらに、渋滞時の追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロール(ACC。同社ではディストロニック・プラスと呼ぶ)などを含む先進安全機能が、「レーダーセーフティパッケージ」としてオプションで設定されている。
その他、自動駐車機能もオプションで選べるようになった。
デビュー時は1.6Lターボ×7速ATのA180系と、2Lターボ×7速ATのA250シュポルトがラインナップ。
「シュポルト」は開発時点からAMG社が関与したモデルに与えられる名称だ。2015年の一部改良前に、A250シュポルトは4WDのシュポルト4マティックとなった。
2015年11月の自動停止ブレーキ機能を含む「CPAプラス」を搭載したモデルの新車時車両本体価格は、296万~529万円。
原稿執筆時点(2020年5月21日)で、支払総額150万円以下の物件は6台見つかり、後継型となる4代目もデビューしていることから、今後流通台数は増えていくだろう。
Aクラスよりも一足早く自動停止ブレーキ機能を搭載メルセデス・ベンツ Bクラス(2代目)
Aクラスをベースに、「Eクラスよりヘッドクリアランスが広い」とうたわれた、少し広めの居住空間&ラゲージを備えたBクラス。
今回紹介する2代目Bクラスのみ、Aクラスより先となる2012年4月に登場した。
当時の目玉は、コンパクトカークラス初となる先進安全機能となる「CPA」(上記Aクラス参照)を全車に標準装備したことだった。
Bクラスが自動停止ブレーキを含む「CPAプラス」に進化したのは、これまたAクラスよりも約10ヵ月早い、2015年1月のマイナーチェンジ時。
Aクラス同様、同じタイミングで渋滞時の追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロール(ACC。ディストロニック・プラス)を含む先進安全機能「レーダーセーフティパッケージ」や、自動駐車機能がオプションで用意された。
デビュー時のラインナップは、1.6Lターボ×7速ATのB180系のみ。2013年2月に2Lターボ×7速ATのB250が追加されたが、2015年1月のマイナーチェンジでB250には4WDが組み合わされ、B250 4マティックとなった。さらに、2017年7月からはB180のみとなった。
「CPAプラス」が搭載された、2015年1月のマイナーチェンジ時の車両本体価格は、307万~490万円。
Aクラスより少し早くに登場したこともあり、原稿執筆時点での支払総額150万円以下の物件は、やや多い16台が見つかった。
モデル末期の安全装備車にも関わらず台数が多いメルセデス・ベンツ Cクラス/Cクラスワゴン(3代目)
名車190シリーズを祖にもつ、コンパクトセダンのCクラス。
2007年6月に登場した旧型は、当初は衝突被害軽減ブレーキが用意されていなかったが、モデル末期の2013年8月からの販売モデルに、安全運転支援システムの「レーダーセーフティパッケージ(RSP)」がC180にオプション設定、その他のグレードで標準装備となった。
このレーダーセーフティパッケージは、同年1月にEクラスセダンの特別仕様車「RSPリミテッド」(下記参照)に備えられたものと同様、5つのミリ波レーダーと1つのカメラを用いたシステムで、衝突被害軽減ブレーキの他にブレーキアシスト機能、ディストロニック・プラス(ACC)を備える。
RSPが設定された一部改良の約2年前に行われたマイナーチェンジでは、すでに2000ヵ所以上に及ぶ異例の改良が行われたばかり。
しかも、翌2014年7月には新型(現行型)に切り替わるというタイミングで安全装備を充実させるというのは、常に最善を目指すメルセデス・ベンツらしいというべきだろう。
わずか1年間ほどの販売期間だが、中古車の台数を見るとそれなりの台数が売れたようだ。ちなみに現行型ではステレオカメラを採用した「インテリジェントドライブ」に進化している。
2013年8月の一部改良時の車両販売価格は、セダンが399万~705万円、ワゴンが419万~725万円。
原稿執筆時点で支払総額150万円以下ではセダンが33台、ワゴンが12台見つかった。
なお、Cクラスクーペにも同様の装備が設定されたが、現時点で同価格帯の物件はほとんど見つからない。
一代で3度も安全運転支援システムが進化しているメルセデス・ベンツ Eクラス(4代目)
同社の中核モデルとして位置づけられ、いつの世代も他モデルに先駆けて最先端技術が投入されてきたEクラス。
2009年に登場した旧型にもそうした新技術が投入された。
安全性能では、対向車が来た際にまぶしくないように、自動で照射範囲を変えるアダプティブハイビームを全車に標準装備。
また、ドライバーの不注意で車線を逸脱すると、ステアリングが振動して注意を促すレーンキープアシストをオプションで設定された。
衝突被害軽減ブレーキが備わったのは、2011年11月改良時。
他にディストロニック・プラス(ACC)や、各輪のブレーキによって車線逸脱を回避するアクティブレーンキーピングアシストを含む「レーダーセーフティパッケージ(RSP)」としてE350系とE550系に標準装備、他はオプションで設定された。
2013年1月には、5つのミリ波レーダーと1つのカメラを用いた、進化版レーダーセーフティパッケージを備えた特別仕様車3モデルが追加された。
3モデルとは、E250ブルーエフィシェンシー アバンギャルド RSPリミテッドと、E300ブルーエフィシェンシー アバンギャルド RSPリミテッドだ。
さらに2013年5月のマイナーチェンジで、レーダーセーフティパッケージはもう一段進化する。レーダーに加えステレオカメラと後方レーダーを追加したバージョンになり、E250はオプションで、それ以外の全車に標準装備された。
このタイミングで、同社では安全運転支援システムの総称を「インテリジェントドライブ」と呼ぶようになった。
以上をまとめると以下のようになる。
・2011年11月:RSPがE350系とE550系に標準装備、他はオプションで用意
・2013年1月:進化版RSPを3台の特別仕様車「RSPリミテッド」に搭載
・2013年5月:RSPがさらに進化し「インテリジェントドライブ」の一機能に
購入時の参考にしてほしい。
2011年のレーダーセーフティパッケージ装着時の車両本体価格は、669万~1155万円。
原稿執筆時点、支払総額150万円以下で10台見つかった。なお、同様の装備が設定されたEクラスワゴン/Eクラスクーペは、支払総額150万円以下ではほとんど見つからない。
文/ぴえいる、写真/メルセデス・ベンツ
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