西村康稔大臣の陰性報告に不満が噴出!? 医師でも簡単には出来ないPCR検査

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内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室の職員の感染が確認され、視察に同行していたことから西村康稔経済再生担当相(新型コロナ担当)が2020年4月25~26日に自宅で勤務。西村大臣によると、医師と相談の上PCR検査を自費で受けて、陰性だったことから公務に復帰しています。

念のための土日の自宅勤務から復帰しました。ご心配おかけしました。PCR検査は陰性でした。検査は、立場上、総理をはじめ閣僚、国会議員と近い距離で接する機会が多く「危機管理」の観点から、医師と相談し自費で受けました。誰にも感染リスクがあります。今年のGWはステイホームでお願いします。

現在、PCR検査を受けるには発熱後4日程度のちに保健所やかかりつけ医師に相談し、判断を仰いだ上で行うという流れになっており、西村大臣がすぐに検査を受けられたことに関しては、「政治家だけが特別扱いなのはおかしい」「一般人には自費で検査を受けると言う選択肢もない」といった批判の声が上がっています。

一方で、PCR検査が出来るのは医師ではなく、臨床検査技師であるということは、検査拡大が議論されるようになった3月の時点で話題に挙がっています。

えー、白状します。医者は(少なくともぼくは)

・血液検査出来ません
・細菌培養出来ません
・脳波撮れません
・エコーも技師さんほど上手く撮れません
・PCRコンタミせずやる自信ありません

全部技師さん任せです。

看護師より薬剤師より目立たない、影の実働部隊。それが臨床検査技師。

臨床検査技師は国家資格で、2019年の合格者は3620人と試験が難しいことで知られています。現場の医師からは「これまでにPCR検査をやったことがない」という声も複数上がっていました。つまり、PCR検査ができる人が現場に少ないことが問題の本質だと捉えることができます。

また、PCR検査の精度の問題もあります。日本疫学会によると「新型コロナウイルスに既に感染していると考えられるのに、早い段階では、60~70%くらいしかPCR検査が陽性にでない可能性が報告されています」としており、「検体の取り方や場所、感染からの経過日数などによってその正確さは変わります」ともあり、ある程度の専門性が必要だと示唆されています。

今回の西村大臣のPCR検査について「ずるい」といった批判が上がったのは、現状の国民の不安が噴出した結果と捉えることができます。各保健所の人員の不足といった問題も指摘されており、急激に容態が急変するという新型コロナの特性も踏まえて、相談へのアクセス改善が一番求められているのではないでしょうか。

※参考 新型コロナウイルス感染予防対策についてのQ&A(新型コロナウイルス関連情報特設サイト)
https://jeaweb.jp/covid/qa/index.html [リンク]

※画像はTwitterより
https://twitter.com/nishy03/status/1254788318681686016 [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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