以前こちらの記事でTBSの日曜21時枠のドラマが大好きだと告白させていただいたが…
私の中で今でもあれは名作だった~…と思う作品は、実は「半沢直樹」でも「下町ロケット」でも「テセウスの船」でもない…。
視聴率も世間的な評価もそれほど高いわけではない「ルーズヴェルト・ゲーム」。
この作品こそこそが私の中のNO.1作品なのである(実はもう一つ好きな作品があるのだが、それはまた別の機会に語らせていただきたい)。
「半沢直樹」の大ヒットから約1年。同じ原作者、監督、脚本家、プロデューサー、音楽家など盤石の布陣で臨み、「2014年春ドラマの大本命」と目されていたが、残念ながら期待通りの結果を残すことはできなかったそうだが…、実に勉強になる作品だったと私は思っている。
ドラマのあらすじをざっくりと紹介させていただこう。
中堅電子部品メーカーの青島製作所は、世界的不況と大手ライバル企業であるイツワ電器からの攻勢に苦しめられ、業績不振にあえいでいた。
ヘッドハンティングで青島製作所に入社し、5年で社長の座を先代から譲り受けた外様社長の細川充(唐沢寿明)は、大口取引先からの苛烈な値下げと減産要求により、会社の存続の危機に立たされる。
一方、伝統ある青島製作所野球部も近年は成績が振るわず、さらには監督とエースと4番打者がイツワ電器の野球部に引き抜かれてしまう。
変わり者の新監督と、派遣社員として燻っていたかつての名門高校のエースの出現により、落ちぶれていた野球部には活気が戻り始めるが、会社の窮地を前に、野球部の存続そのものが危うくなってしまう。
青島製作所はこの窮地を脱し、経営を立て直すことができるのか。そして野球部の存続は…。
なんともワクワクするあらすじであるが、私はとにかく、生え抜きの古参役員で、次期社長と見られていたにも関わらず、新参者の細川に社長の座を奪われた青島製作所の専務、笹井小太郎(江口洋介)が大好きで大好きで仕方がなかった。
唐沢寿明と江口洋介といえば、2003年、フジテレビ開局45周年記念ドラマとして、放送された「白い巨塔」でも共演をしていた名コンビ。
オラオラ系の財前教授(唐沢寿明)と、地味だが真面目で正義感に溢れる里見助教授(江口洋介)の再来だと「ルーズヴェルト・ゲーム」を観たときに思い出してしまった…。
財前みたいな生き方(細川充のような生き方)にも憧れるが、やはり私は正義感がある里見(笹井小太郎)に1票を投じたいと思う!
そして私には、笹井の忘れられない一言がある。
物語の終盤、青島製作所とイツワ電機の合併話が浮上。笹井とイツワ電器社長の坂東昌彦が裏で通じており、笹井の裏切りは決定的だと思われた…。
しかし、後日行われた青島製作所の臨時株主総会にて、統合について意見を聞かれた笹井は“反対”をしたのだ。
そして…「私は社長の器ではありません。」と、自らがNO.1タイプではなく、あくまでもNO.2としてNO.1を支えることに適した人材であると発言したのだ。
この潔さ、そして勇気…。私の涙腺が崩壊をしてしまったことは言うまでもない。
「半沢直樹」は一社員(銀行員)という立場であり、視聴者も感情移入ができたが、「ルーズヴェルト・ゲーム」の場合は経営層の苦悩が物語の中心ということもあり視聴率には繋がらなかったという見方もあるよう。確かにそうかもなー…とは思うが、私は今作から非常に多くのことを学ばせていただいたので、今回紹介をさせていただいた。
この記事を読んでちょっとでも興味を持ったという方は是非「ルーズヴェルト・ゲーム」を観てみてください。
決して後悔はさせませんので!!
あ、あとこの「ルーズヴェルト・ゲーム」には工藤亜須加と広瀬アリスが出演していますので、合わせて確認してみてください!
(Written by 江口王)