【日本の森が呼んでいる 第3回】東京都にある島|たったひとつを叶える旅<100>
旅の目的は「たったひとつ」で良い
旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。
あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。
私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。
珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。
森が呼んでいる
冬が終わって春が訪れ、緑が日に日に色の濃さを増していきます。陽気が良くなると、屋外へ足が向きますね。
日本の国土の約3分の2(66%)は森林。先進国の中ではフィンランドに次いで、世界第2位の森林国です。春になり、森は雪の衣を脱ぎ、目覚めています。ここへおいでと、森が私たちを呼んでいますよ。理由を聞くこともなく、私たちを清浄な空気で浄化し、心を癒して、黙って送り出してくれます。
移り気な人間と違って、森はここと決めたら根を下ろし、何処へも行きません。静かに同じ場所に佇んで、私たちを待っています。
東京都にある深い森と青い海の島<東京都母島>
2011年6月に世界自然遺産登録された、小笠原諸島「母島」。深い森と青い海の自然が溢れた母島は、住所は東京都でも南に1050キロの距離があります。森には小笠原諸島で生育する常緑性シダのマルハチが生い茂り、絶滅危惧種のメグロやオガサワラカワラヒワなどの鳥たちが空を舞います。
亜熱帯性気候の母島の海の色は、優しく包み込むようなエメラルドグリーン。白砂のビーチ「石次郎海岸」やアオウミガメが産卵のため上陸する「ワイビーチ」は、プライベートビーチのように静か。緑の森の豊かさ、青い海の穏やかさに島名が意味する母性を感じます。
ONESTORY(ワンストーリー)
これは母なる抱擁か。優しい風と甘い空気に身を包まれ、僕は無防備になった。[東京”真”宝島/東京都 母島]https://youtu.be/nnq7VSLbNRU
TOKYO “PEACE TREASURE ISLANDS – HAHAJIMA | 東京”真”宝島/ONESTORY inc.住所:東京都小笠原村母島
森には刹那の命が息づいている<東京都父島>
母島と同じく、2011年自然遺産登録されている小笠原諸島の「父島」。東京竹芝桟橋から定期船で約24時間海上を進むと、約1000km離れた、太平洋に浮かぶ美しい島に到着。小笠原群島はかつて無人(むにん)島と称され、ボニンアイランズ(Bonin Islands)として海外に紹介されました。この海の青は、ボニンブルーと呼ばれています。
父島には高い山がないため、普段はほとんどが枯れ滝ですが、雨が降った時ないしはその翌日に滝が出現。恵みの雨がもたらしてくれる、自然のシャワーです。
ハイビスカスの仲間で、小笠原でしか見られない固有種「テリハハマボウ」は、1日しか咲かないという刹那的な花。一日の寿命の花は、朝咲いた時は黄色、時間の経過とともに赤くなり、萎れて落ちてしまいます。
都市開発という名の環境破壊が行われていない島では、日本本土では見られない自然が残されています。
ONESTORY(ワンストーリー)
青い地球の中心にいる気がした、「8分」の父島。[東京”真”宝島/東京都 父島]https://youtu.be/dlHGIlSsBAM
TOKYO “PEACE” TREASURE ISLANDS – CHICHIJIMA | 東京”真”宝島/ONESTORY inc.住所:東京都小笠原村父島
森は秘密を持っている<東京都新島>
東京から南に約151km、今から約1100年ほど前にできた島ゆえ「新島」と名付けられたといわれます。新島といえば、サーファーたちが愛したビッグウェーブがありました。森の中には、「シークレット」と呼ばれるポイントへ続く道が隠されています。島のローカルサーファーたちが「シークレット」と呼ぶサーフポイントは、島の人達には神が住む場所「神が森」として大切にしている神聖な地です。
森を抜け、階段を下りていくと、「シークレット」へ。浸食された白い断崖(白ママ断崖)がどこまでも続き、神が住む場所と呼ぶにふさわしい眺め。ただし、白ママ断層は波や風雨による浸食が激しく、崩れたり大きな石が落ちることがあり非常に危険なので、手前から眺めるだけにしましょう。救助も困難だそうです。
観光客の皆様へ ~白ママ断層へは行かないでください~
パンフレットに掲載されているこの場所は、神が森(通称:シークレットポイント)と呼ばれ、島民にとってはとても神聖な地として知られています。
この先には、高さ250mの白ママ断層がありますが、最近、写真に写っています海と「崖」の狭い砂浜を歩き、そこまで行こうとするお客様がいらっしゃいます。
この「崖」は、波や風雨による浸食も激しく、時々崩れたり大きな石も落ちてきますので、行くことは止め、手前から眺めるだけにしてください。
(万が一、事故が起こった場合、すぐに連絡が取れませんし、救助も困難です)
今回のたったひとつは、私たちを呼んでいる森の風景。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。
注意:詳細につきましては、直接施設へお問い合わせください。
TABIZINE(タビジン)は旅と自由をテーマにし、日常に旅心をもてるようなライフスタイルを提案します。覗き込めば、世界地図を拡げた時のワクワクがあるような、はたまた旅する非日常を感じ旅へ向かわずにはいられなくなるような、そんな夢見心地にするパワーがあるメディアでありたいと思っています。人生は一瞬一瞬が心の旅。皆さんが何にもとらわれることなく、自由で冒険に満ちた毎日になるような情報をお届けします。
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