【ゴジラ(1984)】マニアじゃない人向けのゴジラ映画講座(1) 『シン・ゴジラ』の原点はこれ!?

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【ゴジラ(1984)】マニアじゃない人向けのゴジラ映画講座(1) 『シン・ゴジラ』の原点はこれ!?

『シン・ゴジラ』やハリウッド版のシリーズで初めてゴジラ映画に触れたという「ゴジラ映画初心者」の皆さんに、過去のゴジラ映画で押さえておきたい作品をランダムに、そしてなるべくやさしくご紹介するシリーズです。第1回はシリーズ16作目、初めてお正月映画の大作として製作された1984年公開の『ゴジラ』です。

ファンの期待を集めてゴジラが9年間の眠りから覚めるまでの道のり

【ゴジラ(1984)】マニアじゃない人向けのゴジラ映画講座(1) 『シン・ゴジラ』の原点はこれ!?

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1954年から始まった『ゴジラ』シリーズは、反核のメッセージを込めたシリアスな第1作から娯楽映画へと変化、ゴジラも子供たちのアイドルとして正義の怪獣へとキャラを変化させながら20年以上にわたって続きましたが、日本映画の斜陽化で特撮に予算がかかる怪獣映画の製作は厳しくなり、1975年の15作目『メカゴジラの逆襲』で休止状態に入ります。
しかし、東宝はゴジラ映画を大作として仕切り直すことを企画、アメリカとの合作としてシリーズを再開させることを発表しましたが、数年経ってもなかなか実現しませんでした。その一方で、子供の頃にゴジラ映画を観ていた世代が大人になって、大人目線でシリーズを再評価する動きが出てきました。彼らが、シリーズ復活への流れを牽引したと言えます。
さらに、『スター・ウォーズ』(1977)や『未知との遭遇』(1977)が世界的に大ヒットし、(今では想像もつかないでしょうが)それまでは一段低く見られていたSF映画が、「大人向けのエンターテインメント」として地位が向上したこと、そしてそれらの作品を生み出したスティーブン・スピルバーグたちがゴジラ映画から影響を受けたと公言したことも、ゴジラ映画復活への追い風になったようです。
80年代に入ってゴジラ映画復活を求める声はどんどん高まり、過去作品の全国的な再上映も行なわれました。こうした流れを受けて、ゴジラが誕生30周年の84年になってようやくゴジラ映画の新作が製作されることになったのです。

『ゴジラ』(1984)あらすじ (※ネタバレあり)

【ゴジラ(1984)】マニアじゃない人向けのゴジラ映画講座(1) 『シン・ゴジラ』の原点はこれ!?

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伊豆諸島の大黒島が噴火した3ヶ月後、付近を航行していた漁船・第五八幡丸が行方不明になる。ヨットで一人近海を捜索していた新聞記者の牧(田中健)は、海上を漂流していた第五八幡丸と遭遇、船内でミイラ化した乗組員たちの死体を発見するが、体長1mほどに巨大化したフナムシに襲われる。彼を救ったのは、唯一の生存者でアルバイトで船に乗り組んでいた大学生の奥村(宅麻伸)だった。彼は遭難の直前、海中に現れた巨大生物を目撃していた。病院に収容された奥村の証言を聞いた彼の恩師の生物学者・林田(夏木陽介)は、彼が目撃したのはゴジラだと確信する。海底で眠っていたゴジラが大黒島の噴火で覚醒、その体表に付いていたフナムシがゴジラの放射能の影響で巨大化し、第五八幡丸を襲ったのだ。
報告を受けた総理大臣の三田村(小林桂樹)は報道管制を敷くことを指示、奥村は病院に軟禁され、牧のスクープ記事は差し止められる。その交換で林田への接触を許された牧は、林田研究所で働く奥村の妹・尚子(沢口靖子)と出会い、奥村がすでに救助されていることを伝える。しかし、病院に押しかけた尚子と奥村の再会の様子を牧がスクープの“タネ”にしたため、奥村兄妹の反感を買う。
そんな時、ソ連(現・ロシア)の原子力潜水艦が日本近海で沈没、ソ連はアメリカの仕業だと断定し、両国は戦争の危機に陥る。しかし、自衛隊の哨戒機の調査の結果、原潜沈没はエネルギー源となる放射能を求めたゴジラの仕業だったことが判明、三田村は戦争の危機を回避するため報道を解禁する。政府首脳部は、陸上自衛隊の特殊兵器「スーパーX」を動員、核反応を抑制するカドミウムをゴジラの体内に撃ち込むという作戦を立てる。
そんな中、静岡県の原子力発電所にゴジラが上陸、炉心から放射能を吸収すると、通りかかった渡り鳥の放った超音波に反応して海に去っていく。その様子を見た林田は、ゴジラを伊豆大島・三原山に超音波で誘導し、人工的に噴火させて火口に落下させるという作戦を立案、その準備も進められた。米ソは戦術核兵器によるゴジラ攻撃の認可を日本政府に要求するが、三田村は非核三原則を根拠にその要求をきっぱりと拒絶する。
ゴジラは自衛隊の迎撃をものともせず、ついに東京湾から東京に上陸する。その際、港に停泊していた船に秘密裏に持ち込まれていたソ連の核ミサイルの発射装置が誤作動、カウントダウンが始まってしまう。有楽町や永田町を通過したゴジラは新宿副都心に到達、スーパーXは激闘の末、ゴジラの口にカドミウム弾を撃ち込むことに成功し、ゴジラは活動を停止する。
しかし、ソ連の発射装置の解除が間に合わず、人工衛星に搭載されていた核ミサイルがゴジラめがけて発射されてしまう。アメリカが迎撃に成功し新宿での核爆発は阻止されたが、成層圏での核爆発は電磁パルスや電磁雲の発生を誘発、その落雷でゴジラは復活してしまう。
ゴジラはスーパーXを撃墜するが、林田たちが大島から発射した超音波に導かれ三原山へと向かう。火口に仕掛けられた爆薬が爆発して三原山が噴火、火柱が吹き上がる中。ゴジラは火口へと落下していくのだった。

『シン・ゴジラ』の原型?ゴジラ出現のシミュレーション映画

【ゴジラ(1984)】マニアじゃない人向けのゴジラ映画講座(1) 『シン・ゴジラ』の原点はこれ!?

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この作品では、シリーズ2作目から15作目までの物語をなかったことにして、第1作と直結した続編として設定されています。そのためか、1作目以来30年ぶりにゴジラが単独で登場します。さらに、「現実の日本にゴジラが出現したら」という仮定でストーリーなどが作られていったので、ある意味『シン・ゴジラ』と同じアプローチで作られた映画と言えます。アドバイザーとして『朝まで生テレビ!』の進行役でおなじみのジャーナリストの田原総一朗など各方面の識者も参加しています。総理大臣以下閣僚が多数登場するのは日本の怪獣映画では初めてのことでしたが、これは『日本沈没』(1973年)などの災害パニック映画と同じスタイルです。閣僚役で昭和の日本映画で活躍した大物俳優が多数出演しています。
とは言え、『シン・ゴジラ』ほどの徹底したリアリズムは用いられておらず、架空の超兵器が登場したり軽い笑いの要素が混じっていたりと、エンターテインメント色がかなり強い作品になっています。そのため、牧と尚子の恋愛などいささか強引かつ中途半端にねじ込まれた要素もありますが…。
特撮は、精密に作られた新宿副都心のビル街の壮大なセットが話題になりました。この作品以降、なぜかゴジラはたびたび西新宿に出現するようになります。また、ゴジラは基本的には伝統の着ぐるみで登場しますが、それとは別に全長5メートルのロボット製ゴジラ「サイボット・ゴジラ」も製作されました。細かい表情などを出すために製作されたのですが、完成した作品ではほんの数カットしか登場しませんでした。

復活記念作品にふさわしい豪華キャスト

【ゴジラ(1984)】マニアじゃない人向けのゴジラ映画講座(1) 『シン・ゴジラ』の原点はこれ!?

『ゴジラ』DVD (販売元: 東宝)

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正月映画の大作として製作されたこの作品は、それまでのシリーズでは最高と言っていいほどの豪華キャストが登場しています。
三田村首相役には、日本映画の黄金期に活躍した大ベテランの小林桂樹。牧に扮したのは青春スターとして活躍していた田中健。
尚子役の沢口靖子は第1回東宝シンデレラに選ばれたばかりで、映画出演は2本目。まだセリフまわしなどがかなりぎこちないですが、すでに輝くような美しさです。当時は歌手デビューもしていて、牧がヨットで航行しているシーンで彼女が歌っていた『さよならの恋人(ゴジラ)』という歌がちょっとだけ流れます。なお、この時のキャスティングがきっかけで、現在までのところ長澤まさみまでの歴代の東宝シンデレラのほぼ全員が、ゴジラ映画に出演するという“慣例”になりました。
林田役には、当初、第1作の芹沢博士役をはじめ主に博士役でたびたび出演しシリーズの“顔”となっていた平田昭彦が予定されていましたが体調不良で降板(翌年夏に死去)、数々のアクション映画やテレビドラマ『Gメン’75』のレギュラーでおなじみだった夏木陽介が代打を務めました。
奥村に扮した宅麻伸は、当時はまだ正式デビューから5年目の売り出し中の若手俳優。本作以降、さまざまな映画やテレビに出演、現在も大活躍中です。
加えて、閣僚役で大ベテランの小沢栄太郎、新劇出身の内藤武敏や鈴木瑞穂、『仁義なき戦い』シリーズの山守組長役で親しまれた金子信雄、同シリーズの打本組長役や市川崑の金田一耕助シリーズの「よし、分かった!」の警部役でおなじみの加藤武などの重量級の大物俳優が多数出演しています。
その金田一シリーズに主演していた石坂浩二をはじめ、有名俳優やタレントが多数カメオ出演しているのも見逃せません。特に、クライマックスの新宿のシークエンスに延々登場する武田鉄矢は、浮浪者役をコミカルに演じています。また、デビュー前のなべやかんが新幹線の乗客の少年役で登場しています。
ゴジラの復活はファンの熱狂のうちに迎えられ、大ヒットを記録しました。高校生だった私も含めて、当時の盛り上がりぶりは語り草になっています。当然、続編やかつてのようなシリーズ化も期待されましたが、続編が製作されるまでさらに5年の歳月がかかり、その間に時代は平成へと変わりました。しかし、それからは再びシリーズ化されて安定した人気を獲得することになりました。昭和最後のゴジラ映画になったこの作品は、平成シリーズの基礎を作り次世代のシリーズにしっかりとバトンを渡す役割を果たしました。


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