2種類の薬剤耐性菌による「菌血症」での死亡者が、推定で年間約8,000人と判明

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将来的には「薬剤耐性」による死亡者が、がんによる死亡者を上回る可能性

2種類の薬剤耐性菌による「菌血症」での死亡者が、推定で年間約8,000人と判明画像はリリースより

 AMR臨床リファレンスセンターは、日本における薬剤耐性(AMR)問題についての総括を発表しました。
 抗菌薬が効かないAMRの問題は、世界中で深刻化しています。このままでは、2050年には薬剤耐性による死亡者数が、がんによる現在の死亡者数を上回るとされ、早急な対策が求められています。日本においても薬剤耐性菌を増やさない、拡散させないための取り組みが始まっています。
 今回、同センターの調査により、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)とFQREC(フルオロキノロン耐性大腸菌)による「菌血症」の死亡者が年間約8,000人であると推定され、薬剤耐性は日本でも深刻な問題となっていることが明らかになりました。さらに、今回は2種類の耐性菌の調査結果であり、他の耐性菌について検討すれば、死亡者はさらに増えることが予想されるとしています。
 菌血症とは、本来無菌であるはずの血液中に感染した細菌が増殖して入り、全身をめぐっている状態を指します。免疫が弱っている人や持病を持った人が薬剤耐性の「菌血症」を起こすと、治療薬がないため死に至ることがあります。また、薬剤耐性菌を自分自身が保菌している場合には、他の人に移してしまう危険性もあります。
 さらに、大腸菌のフルオロキノロン耐性率が、東日本より西日本や九州が高いという西高東低の地域差が見られました。これは、フルオロキノロン系抗菌薬の処方量に西高東低の傾向があることから、同剤の処方量とも関係があると考えられるそうです。また、同薬剤は、肺炎や尿路感染症などの本当に抗菌薬が必要な病気より、本来抗菌薬は不要であるはずの風邪に処方される頻度が高いことも判明しました。
 薬剤耐性菌を増やさない・広げないためには、抗菌薬の正しい知識を持つことが必要です。しかし現状では、医師が風邪に抗菌薬を処方したり、患者側から抗菌薬の処方を求めたり、自己判断で手持ちの抗菌薬を飲んでしまうというケースが見られます。風邪やインフルエンザに抗菌薬は効きませんが、正しく回答できた人はこの3年間で、全体の4分の1以下に留まっているそうです。

医師に「抗菌薬は不要」と言われたら、それに従うことも立派なAMR対策

 同センターは、「医療機関にかかって薬を出されないと不安になるかもしれませんが、医師が抗菌薬はいらないと判断したら、それに従うことがAMR対策になります。そして、処方された場合は医師の指示に従いきちんと飲むことが重要です。抗菌薬を正しく使用するとともに、感染症にかからないこと、また人にも感染させないという感染対策が抗菌薬の使用を減らし、AMR対策につながります」と、述べています。
 私たちにできる感染対策として、手洗い、マスクをするなどの咳エチケット、ワクチンの接種、のどの痛みや発熱など症状があるときは学校・会社を休むなどがあります。
 「感染を広げないこと」も立派なAMR対策です。新型コロナ感染症が世界に広がる今こそ、自身でできるAMR対策について、身近な人と話し合ってみてはいかがでしょうか?(QLife編集部)

関連リンク
国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター プレスリリース

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