世界最長の川はどこ?長さと流域面積トップ3をそれぞれご紹介
世界に名だたる川は数多くありますが、みなさんは「世界最長の川」がどこかご存じですか?
筆者は「世界最長の川」といわれて、どの川が最長になるのか瞬時に答えられませんでした。それと同時に「川の長さはどのように計るのか?」という疑問も出てきました。
そこで今回は、世界で長い川と流域面積が広い川の、それぞれトップ3をご紹介いたします。曖昧な記憶で覚えている方は、ぜひここで整理をしておきましょう!
実は難しい川の長さの判別
川の全長を測るときは、河口から水源までの長さを川の中心に沿って測ります。
水源とは川が流れ出る境目のことをいい、河口とは川と海の境目のことです。
時と場合によって川の長さは変わる?
川の長さを測るのはとても難しいといわれています。それは、時と場合により「河口から水源まで」の長さが変わるなどの理由があります。
起点となる水源を探すのがむずかしい
川によっては、起点となる水源が曖昧なことがあります。
特に山の中では、実際見ると水はなくても、降雨や雪解けによるが地面にしみこんで水源となることもあります。この場合、雨や雪は地面の中へ中へと流れて行くため、水源付近にもかかわらず水がない状態になります。
そのため、本当の水源よりも下の地点で水が湧き出すことがありますが、この場合でも川の長さの計測は「水源」を測ると決まっているので、実際には水がない場所から計測します。
複数水源がある場合はどうするの?
川によってはいくつかもの支流が合流してできて大河となることもあります。
・・・ということは支流の数だけ水源も存在するということになります。その場合、一番長い支流を水源として長さを測ります。
季節によって長さの変わる川がある
季節により長さが変わる川や、水が流れない川もあります。
雨量や雪解けにより水源や土地の形状が変わったり、水量が増えることで川の中心が変わったりするなどで計測に影響が出ます。
終点となる海との境界線が分かりにくい川もある
水源だけではなく、河口が分かりにくい川もあります。日本国内では想像もつきませんが、河口が広大過ぎてどこまでが川で、どこからが海となるのか、その見極めが難しい河川があるのです。
一説には、アマゾン川の河口は300kmとも500kmともいわれる幅があるそうです。たしかにそれだけの幅があるとどこまでが川か、その境界線がわかりにくくもなりますよね。
詳細な地図が無い場合もある
計測方法は実物の川を測るのではなく、2,500分の1のスケールの地図を使って計測しています。
しかし山の中などは地図に掲載されていない場合もあるので、地図上で判定できる水源までの長さを計測します。
日本ではそのように土地は珍しいですが、国によってはまだ上流域などが未開拓の場所もありますので、調査の結果地図が書き換えられ、川の長さが変わることは大いに想定されます。
最も長い川TOP3
ここからは世界で最も長い川TOP3をご紹介します。川の計測方法により長さが異なるため、順位が入れ替わることもあります。
ナイル川
全長6,650kmのナイル川は、世界一長い川といわれています。一説には6,853kmと計測されることもあります。
流域
アフリカ大陸東北部を南から北に流れ、地中海を河口としています。
ナイル川を流れる国は、 タンザニア、ブルンジル、ワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国、南スーダン、ケニア 、エチオピア、スーダン、エジプトの10カ国です。
ヴィクトリア湖を水源とする白ナイル川と、エチオピアのタナ湖を水源とする青ナイル川がスーダンで合流し、砂漠地帯であるエジプトを北流し地中海へ流れ出ます。
特徴
「エジプトはナイルのたまもの」といわれる通り、ナイル川なしではエジプト文明は栄えませんでした。
ナイル川上流のエチオピアが雨期を迎えると、下流の砂漠地帯であるエジプトでは、雨水があふれ出るほど増水します。このナイル川の洪水を利用して農作物を育て、文明が発達していったからです。
現在でもナイル川周辺には生活圏が集まっており、国土90%が砂漠のエジプトにとって一大水路になっています。
アマゾン川
アマゾン川は6,516kmで世界第二位の長さといわれています。一説には6,992kmあるともいわれ、その場合は世界一の長さとなります。
アマゾン川の長さに関しては、他にも6,400km・6,512km説もあります。流域面積ではダントツで世界一を誇ります。
流域
出典:wikipedia.org
アマゾン川は、南アメリカ大陸を東西に流れ大西洋に注ぎ込みます。ブラジル、ペルー、ボリビア、コロンビア、エクアドルを流域とし、ほぼ全域が熱帯雨林に覆われています。
源流は、ペルーのアンデス山脈ミスミ山から流れるウカヤリ川と、ペルーのラウリクチャ湖から流れるラウリクチャ川(マラニョン川)の二大支流で、ペルー北東部のイキトスで合流しアマゾン川になります。1,000以上の支流を持つ川の総称としてアマゾン川と呼ばれています。
特徴
1億年前から存在しているアマゾン川流域は「セルバ」という世界最大の熱帯雨林に覆われており、非常に多くの樹木と動植物が存在しています。
推測では約250種類の哺乳類、約1,800 種類の鳥類、さらには100万種類の昆虫がいるといわれます。昔から多くの探検家により調査されてきましたが、あまりにも巨大な流域のため現在でもほとんどが未開発です。
アマゾン川沿岸の住人たちは、生ごみや汚物を川に流していますが、公害問題は起こらないのはアマゾン川の規模が大き過ぎるためでしょう。それどころか、本流にはダムが造られていないため、世界一健康な川(汚染の少ない川)といわれているのです。
長江
世界第3位の長さの川は、6,300kmの長江です。
流域
出典:wikipedia.org
長江の源流は青海省南部にある三つの川で、タンラ山脈の沱沱河(トト河)、タンラ山脈東部の当曲(ダムチュー)、フフシル山地の楚瑪爾河(チュマル河)です。中国大陸華中地域を通り東シナ海へ流れ出ます。
特徴
中国の国外では「揚子江」と呼ばれることがあります。実はこれは誤用された名称で、最下流部にある橋の名前「揚子橋」を西洋人が川の名前と勘違いし広まっていったのです。
中国文明の一つである長江文明は、約1万年前から長江流域で発達した稲作中心の農耕文明です。
流域面積の最も大きい川TOP3
「流域面積」とは、川の水が流れている部分の面積ではありません。
国土交通省の説明によると、「地上に降った雨や雪解け水が集まった、自然の水路を集める広さを表したのが流域面積」ということです。
つまり、川に注ぎ込まれる雨や雪が降る土地を含めて「流域面積」ということです。そのため、実際に川が流れる面積よりも広い範囲になります。
ここからは流域面積の大きい川、世界TOP3をご紹介いたします。
アマゾン川
流域面積世界1位は、7,050,000㎢のアマゾン川です。
さまざまな数値を計測されるアマゾン川の流域面積ですが、いずれの数値でも世界2位のコンゴ川に大差をつけての1位になります。広すぎてイメージが湧きませんが、なんと日本の国土面積の18倍の広さがあります。
コンゴ川
流域面積世界第2位は、3,680,000㎢のコンゴ川です。
流域
出典:wikipedia.org
アフリカ大陸中央部に位置する川です。源流は、コンゴ民主共和国南東部のカタンガ高原南部を流れるルアラバ川と、ザンビア北東部のチャンベジ川で、コンゴ盆地を蛇行しながら大西洋へ注ぎ込まれます。
流域はコンゴ民主共和国、中央アフリカ、コンゴ共和国、アンゴラ、ザンビア、タンザニア、ブルンジ、ルワンダです。
特徴
コンゴ川流域の熱帯雨林もアマゾン川に次ぐほどの広さです。川の長さは4,371kmで世界第9位、アフリカ大陸ではナイル川に次いで第2位です。
ミシシッピ川-ミズーリ川
流域面積3位は、3,250,000㎢のミシシッピ川です。
流域
出典:wikipedia.org
ミシシッピ川は、北アメリカ大陸中部を北から南へ流れる川です。モンタナ州を源流とするミズーリ川からメキシコ湾へ注ぎ込まれます。
特徴
全長は5,971kmで世界第4位、アメリカ合衆国では第2位の長い川です。
モンタナ州を源流とするミズーリ川からミシシッピ川の河口でまでを計測しています。ミズーリ川はミシシッピ川の最も大きな支流で、全長4,130kmもあります。
およそ800年〜1500年まで、ミシシッピ川流域でミシシッピ文化が広まりました。人工の丘の上に構築された住居とトウモロコシの農耕、首長制国家などが特徴のアメリカインディアン文化です。
「アメリカを生んだ川」ともいわれるミシシッピ川は流れが穏やかなこともあり、昔からアメリカを発展されるための水運の要だったのです。
まとめ
世界で長い川1位はナイル川、2位はアマゾン川、3位は長江でした。そして世界の流域面積1位はアマゾン川、2位はコンゴ川、3位はミシシッピ川です。
1位と2位を争うナイル川とアマゾン川の今後の発展が楽しみでもあります。いつか、どちらかが大きな差を付けることがあるかもしれませんね。
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出典:Wikipedia(ナイル川) / Wikipedia(アマゾン川) / Wikipedia(長江) / Wikipedia(コンゴ川) / Wikipedia(ミシシッピ川)
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