どれも個性的! 1代限りなのが惜しまれる、日産の絶版SUV3選

access_time create folder生活・趣味
どれも個性的! 1代限りなのが惜しまれる、日産の絶版SUV3選 日産 ジューク

戦国時代のSUV界で短い時間だが光り輝いた3台

流行は移ろいやすいもの。いくらSUVが人気といっても、ちょっと長い目で見れば、実は少しずつトレンドが変わっていることに気づく。

そもそも「SUV」という言葉は、北米でBMW X5やレクサス RXが人気になった頃から使われるようになった。

それまで使われていた「クロカン四駆」との差別化のためだ。

クロカン四駆とは、クロスカントリー4WDから生まれた言葉で、その言葉からオフロードをガンガン走れるというイメージが強かった。

対してSUVはスポーツ・ユーティリティ・ビークル(BMWはスポーツ・アクティビティ・ビークル=SAVと今でも呼ぶ)の略で、まあサーフィンやスノボなどスポーツを楽しみに行く際に、避けては通れないオフロードや雪道“も”走れちゃいますよ、って感じだろうか。

ともあれ当初のSUVは、特に日本ではBMW X5やレクサス RX(当時の日本名はハリアー)クラスがSUVの代表格となり、他社も積極的にそのクラスか、それより大きなモデルを投入していた。

今や気がつけば人気のSUVは、トヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーなどに代表されるコンパクトクラスだ。

様々なSUVが登場した、まさに戦国時代とも言える厳しい競争の中で、残念ながら1代限りで散っていったモデルもある。

今回はそんな中から、日産が2010年以降に生産を中止したSUVを3モデル紹介しよう。

どれも「生産中止なの?もったいないなぁ」と思わずにはいられない、今見ても魅力ある個性派モデルばかりだ。

コンパクトSUVのスポーツカーは今なお新鮮日産 ジューク(2010年6月~2019年12月)

日産 ジューク 日産 ジューク

全長約4.3mと今人気のライズ/ロッキーよりはやや大きいけれど、いまだに販売台数トップ10の常連組のトヨタ C-HRやホンダ ヴェゼルとほぼ同じサイズのジューク。

だからてっきり次期型が出るかと思いきや、後継はキックスなる新型車に切り替わるらしい。

ちなみにヨーロッパでも販売されており、かの地では昨年めでたく2代目が登場。しかし、日本には入ってこないのだ……。

ジュークを語るうえでは外すことができないのが、スポーツモデルの存在だろう。

標準のジュークは1.5LエンジンにCVTという組み合わせなのだが、登場して間もなく1.6Lターボ×4WDの1.6GT FOURが追加される。

この4WDは「ALL MODE 4X4-i(トルクベクトル付)」という、運転操作や状況に応じて最適なトルクを後輪に送り、コーナリング時には後輪外側に大きなトルクを伝えてスポーティな走りが楽しめる4WDだ。

そして2013年には1.6GT FOURをベースにした、ジュークNISMOが登場。1.6Lエンジンは最高出力が190psから200psに高められ、CVTのマニュアルモードは6速から7速へと変更。足回りも専用チューニングが施されている。

さらに2014年11月には214psまで高められたNISMO RSが追加された。足回りやALL MODE 4X4-iもそれに合わせてスポーティな設定が施されている。

デビュー時の車両本体価格は、1.5Lモデルが162万~198万4500円、1.6GT FOURが245万1750円、NISMOが285万750円、NISMO RSが343万4400円。

全体では台数が多く、原稿執筆時点(2020年3月16日)で1200台以上見つかった。うち1.6GT FOURは89台で支払い総額約70万円から、NISMOは83台で約100万円から、NISMO RSは25台で約100万円から見つけることができる。

ヨーロッパ車っぽい優しい乗り心地が魅力日産 デュアリス(2007年5月~2014年3月)

日産 デュアリス 日産 デュアリス

ヨーロッパを主な市場として開発されたSUVがキャシュカイ。その日本市場向けがデュアリスだ。当初はイギリスで、その後、日本向けは九州工場で生産された。

プラットフォームは、後に登場した2代目エクストレイルと共有。

販売当初は、悪路走破性を重視したエクストレイルと、オンロード重視のデュアリスという役割分担だった。

しかし、ジュークとほぼ同じサイズで全長約4.3m(エクストレイルは約4.5m)と、上と下に挟まれてしまい結局ヨーロッパでは2代目キャシュカイへと進化したが日本にはやってこなかった。

搭載されたエンジンは2Lで、2WDと4WDがある。トランスミッションはいずれも6速マニュアルモード付きCVTだ。

オンロード重視とはいえ、最低地上高は205mmと同サイズのC-HR 4WDモデルの155mmより高いし、4WDシステムはエクストレイルのオールモード4×4iより一世代前とはいえオンロードからオフロード、雪道までこなせる実力派。

エクストレイルよりはコンパクトで、ジュークよりはエンジンが大きい分、走りに余裕がある。

また、ヨーロッパの名門ザックス社と共同開発したショックアブソーバーがもたらす、欧州車のような優しい乗り心地が魅力のSUVだ。

デビュー時の車両本体価格は、195万3000円~243万750円。

中古車は原稿執筆時点で約180台見つかった。走行距離が10万km超なら支払総額50万円以下で、5万km未満でも100万円以下で十分狙える。

最新の快適装備が充実したSUVがお手頃価格で手に入る日産 スカイラインクロスオーバー(2009年7月~2016年6月)

日産 スカイラインクロスオーバー 日産 スカイラインクロスオーバー

北米でインフィニティEX35として販売されていたモデルの、日本仕様がスカイラインクロスオーバーだ。

全長約4.6mのボディに、当時のスカイライン同様3.7LのV6エンジンと7速ATが組み合わされFRの2WDと4WDが用意された。

スカイラインと名乗る以上、日本仕様は徹底的に走行性能が極められ、FRらしいハンドリングと、セダンやクーペよりも優しい乗り心地にセッティングされた。

当時のスカイライン3車種(セダン・クーペ・クロスオーバー)の中で、最もラグジュアリーなモデルとして装備が充実しているのもこの車の特徴だ。

BOSEサウンドシステムは全車に標準装備。同社独自のアラウンドビューモニターを2WD/4WDともタイプPに標準装備した。

さらに当初はオプションではあったが、停止まで行うインテリジェントクルーズコントロール(ACC)や、ステアリング操作のアシストも行う車線逸脱防止支援システム(LDP)も用意されていた。

2012年12月には、ACCやLDPなど安全先進機能が全車標準装備となり魅力を増した。

しかし、時代はダウンサイジングターボが主流に。大排気量の3.5LのV6エンジンを積み、さらに豪華装備による高いプライス(デビュー時の車両本体価格は420万~499万8000円)があだとなり、1代限りで日米ともに販売が終了した。

原稿執筆時点では約50台が見つかり、最安値は支払総額約73万円。先進技術を搭載した2013年式以降は支払総額約150万円から見つかった。台数が少ないので、気になる車があればすぐ行動を。

文/ぴえいる、写真/日産、篠原晃一

関連記事リンク(外部サイト)

ジュークを見てみる
デュアリスを見てみる
スカイラインクロスオーバーを見てみる

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. どれも個性的! 1代限りなのが惜しまれる、日産の絶版SUV3選
access_time create folder生活・趣味

日刊カーセンサー

日刊カーセンサーは、中古車だけでなく新型車やドライブ、カーグッズ、レース&イベントなど幅広いジャンルの情報・ニュースをお届けするエンタメ系自動車サイトです。面白くて役に立つネタを全力で配信しています。

ウェブサイト: http://www.carsensor.net/contents/

TwitterID: carsensor

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。