【シゴトを知ろう】介護福祉士 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】介護福祉士 ~番外編~

入社4年目に国家資格を取得した篠田健さん。現在は、「認知症に関わるプロ」・介護福祉士として活躍しています。介護福祉士になるためには、どんな知識や経験が必要になのでしょうか。また、実務の中で感じる介護の仕事への誤解についても話してくださいました。

日常生活の中でも気になる高齢者には声をかけるように

―― このお仕事では、介護者の精神面でも支えになる必要があると聞きました。実際のところはいかがでしょうか?
 
認知症をはじめ病気を持っている方、身体的介護が全く必要のない方など、入居者ごとに私たちへのニーズはさまざまです。一人一人にどういったケアが必要なのかを理解する必要があります。気持ちが塞ぎがちになり、部屋に閉じこもって生活をしていては、その人の体力や能力は落ちていく一方です。まずは、精神的にも落ち着いて過ごせるような環境づくりを心がけています。スタッフや他の入居者との関わり合いの中で、「家族のように親身になってくれる人が側にいるんだ」と安心してもらえることが結果的に身体機能の維持にもつながると思うからです。例えば、話すことは脳に刺激を与えますし、口腔機能の維持にも役立ちます。
高齢者の多くの方に言えることですが、以前のように行動できなくなったことに対して、諦めの感情を持ってしまっているように思います。私たち介護スタッフは、できないことをできるようにするのではなく、できることを探してポジティブに生活を送ってほしい、と日々考えているのです。
―― この仕事をしているからこそ、日常生活の中でつい気になってしまうことなどはありますか?
日常的に、電車やバスの中で高齢者の方に席をゆずるといったことは、自然に行っていると思います。街中でも、一人で歩いている高齢者の方を見るとつい気になってしまいます。先日も、杖も持たずにおぼつかない足取りで歩いている方に気がつき、電柱に寄りかかって休んでいるところを「一人で出歩いたら危ないですよ。どうしましたか?」と声をかけました。歩き方や言動からパーキンソン病と認知症を患っていることが分かり、すぐにご家族へ連絡を取り、無事に迎えに来ていただくことができました。こういった症状を持つ高齢者の方は、普段からご家族が連絡先を身につけさせていることが多いのです。一人でさまよっている方や、青信号なのにずっと待っている方なども多くの場合、認知症である可能性が高いので、目撃した時は声をかけるようにしています。
このように介護の仕事に携わっていることで、速やかに判断・対処ができる部分はあるかもしれません。

入社4年後に国家資格を取得。最近は医療の知識も必要に

―― 国家資格を取得するため、どのような勉強をしていましたか?
就職と同時に、ヘルパー2級(現在の介護初任者研修)の資格を取るため、専門の学校に通いました。その後、現場経験3年と、ヘルパー1級(現在の介護実務者研修)を取得し、介護福祉士受験の資格要件が満たせるので、国家試験を受けたのは入社4年目の時です。
介護福祉士の試験の大半は、実務者研修で習う範囲がほとんどなので、苦手だった法律関係の部分を、テキストやチェックシートを使ってひたすら覚えていました。
最近では、現場で必要となる医学的な知識も必要になってきています。施設には看護師が待機していますが、一定の研修を受けた介護福祉士も、痰の吸引や経管栄養を行うことが可能です。求められる対応が幅広くなる中で、現場で分からないことがあればそのままにせず、看護師の方に質問し、理解を深めるように心がけています。こうした医療と介護の連帯により、介助の幅も広がっていると思います。

―― 高校生の頃から学んでおくと良いことなどがあれば教えてください。
高校生からであれば、まずは介護の基本的業務内容や知識を身につけるため初任者研修を取得するのが良いかと思います。知識も大切ですが、やはり現場で学べることがとても多い仕事ですので、その後実務者研修を経て国家試験に臨むのがおすすめです。

介護福祉士は「家事のプロ」ではありません

―― 介護福祉士の仕事について良い意味でも悪い意味でも、「これは誤解されているな」と思うことがあれば教えてください。
介護は、「誰にでもできる仕事」だと思われているような気がします。業務には掃除や洗濯、食事の用意など、確かに「家事の延長」とも捉えられる業務もあり、専門的な知識や技術が必要とされることばかりではありません。しかし、介護福祉士は、決して「家事のプロ」ではありません。「認知症に関わるプロ」として、入居者ごとに必要とされる個別の対応やケアが求められます。それにはやはり多くの知識や実務経験が重要となってくると思います。

―― お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
私が担当をしている入居者のA様は、独歩での歩行の際に転倒し、骨折してしまったことで、車椅子を使用するようになりました。ある時、骨折とは別の原因で1カ月間入院したのですが、退院されてからは随分と痩せてしまい、施設でもウトウトと傾眠していることが多くなりました。少しでも以前のように元気になってもらえたらと考え、一緒に洗濯物をたたんだり、時には厳しくすることもA様の今後のためだと思い、少しの距離の移動には歩行器を使用して歩いてもらったりして、生活に刺激が生まれるよう努めました。
その結果、次第にA様の活気が戻り、自力で車椅子を使って移動ができるようになりました。笑顔で「ありがとう」と言ってもらえた時はとてもうれしかったです。
 
 
電車やバスでは自然と高齢者の方へ席を譲り、街中では気になる方がいると声をかけることもあるという篠田さん。日頃から介護福祉士としての視点を持って行動する姿に、この仕事へのプロとしての誇りや誠実さを感じました。介護に興味のある方は、今後ますます必要とされる仕事として、やりがいを見出せるのではないでしょうか。
 
 
【profile】サンライズ・ヴィラ藤沢六会 篠田健
https://www.like-cn.co.jp/homes/sunrise-villa/fujisawamutsuai.html


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